自治体、地域の保育園や幼稚園などが主催している「子育てサロン」。

 

「育児サロン」「子育て広場」などと呼ばれることもあります。

 

育休中で「昼間は大人と全然話していない…ストレスたまる…」というときの気分転換や、子ども同士の交流に、育児相談に、無料~数百円程度で参加できるうれしい存在です。

 

しかし、中には「子育てサロンには行かないって決めてます」というママも?

 

今回は、世のママは(時々パパも)いつから、どんな目的で「子育てサロン」を利用しているのかや、行きたくない人の理由などを聞いてみました。

 

子育てサロンの対象年齢。いつから行ける?

自治体の広報誌や、近所の保育園前の掲示板などに「毎週水曜日、子育てサロンを開催しています」などのお知らせがあるのを見たことがある人は多いと思います。

 

これらは自治体の「子育て支援」のひとつで、孤立しやすい現代の親が他の親や地域の人とつながり、育児の悩みを相談したり、子育て仲間を作って楽しさを共有したりできるように用意された場所です。

 

子育て中のママたちが集まりサークルとして運営していることもあります。

 

ほとんどが無料・または保険代として年間数百円などで参加できます。

 

赤ちゃんが生後3か月を過ぎると、首もすわってお出かけしやすくなる子が増えますが、

 

「まだほとんど寝ているだけで、連れていっても遊べないし…」

 

と思う人もいるでしょう。

 

子育てサロンの対象年齢は開催場所によってさまざまですが、特に制限がない場合はいつから連れて行けるものでしょうか。

 

実際に子育てサロンを利用したママたちに話を聞いてみました。

 

「場所が近所だったのもあり、生後3か月から行ってましたよ。ねんねの赤ちゃん向けの遊び方も教えてもらえて、早すぎることはないと思いました」(Kさん・31歳・1歳児のママ)

 

「生後5か月頃から行きました。身長体重が測れるのも助かりました。ちょうど、レンタルしていた身長体重計を返却したばかりだったので」(Aさん・33歳・2歳児と0歳児のママ)

 

「ずっと私と二人きりだったので、なにか刺激があった方がいいかなと思い、生後半年くらいで通いはじめました。そしたら、周りの子がハイハイしているのを見て、自分もハイハイしようとしたのでビックリ!」(Hさん・29歳・0歳児のママ)

 

子育てサロンでは、保健師さんや保育士さんが育児の相談に乗ってくれることもあります。

 

「長女が生後4か月の頃、たそがれ泣きがひどくて毎日憂鬱だったのですが、話を聞いてもらって、一時的なものと言われて気が軽くなりました。1歳過ぎの目の離せない時期よりゆっくり話せるし、離乳食の時間も気にしなくてもいいので、早くから行くのもいいですよ」(Mさん・34歳・5歳児と3歳児のママ)

 

Jさん(36歳・1年生のママ)は、育休中にできるだけ参加しておけば、子どもが同年齢のママ友を作れるのもメリットだといいます。

 

「保育園でも子どもは友だちを作りますが、親御さんは誰だか分からないことも。でも、育休中に子育てサロンで知り合ったママ友とはずっとつながっていて、小学校入学後も、持ち物や行事など、夜遅くでも安心して聞けます」

 

子育てサロンがどこで開催されるのか、いつから参加可能なのかは、お住まいの自治体ホームページや広報誌に記載があります。

 

あるいは、保育園のフェンスにポスターが貼られていたり、保健師訪問時や検診でチラシをもらったりすることも。

 

年齢別に曜日や時間が分かれている場合もありますが、その場合でもほとんどがきょうだいは連れてきてOKとなっています。

 

行ってみたいけど詳細が分からない…というときは「うちの子はいま○ヶ月なのですが、連れていっても大丈夫ですか?」と電話で問い合わせれば教えてもらえます。

 

「子育てサロン行きたくない」理由とよくあるトラブル

いっぽう、「私は子育てサロンには行かないことにしてる」「前は行っていたけど、行くのをやめた」という人も。

 

行きたくない理由はいろいろあります。

 

ママグループががっちりできている

一度は足を運んだものの、すでに知り合い同士の輪ができていて、まったく入れなかった…という声も。

 

「産休に入るまでは地域との接点がなかったので、ご近所の知り合いができれば…と思い切って行ってみたのですが、すでにママグループががっちりできていて、最後まで息子の相手だけで終わりました。周りに人がいるのに話せないと逆に寂しいのでもう行きたくないです」(Sさん・30歳・2歳児のママ)

 

「息子は次におもちゃを貸してほしかったのですが、仲間内で順番に回してずっと借りられず。ママたちもおしゃべりに夢中で…」(Fさん・31歳・3歳児のママ)

 

「引っ越してきて、息子に友だちができないかと近所の児童館の子育てサロンに行ってみました。ラッキーなことに、同年代の子たちと仲良くなれたのですが、帰りはいつものグループでファーストフード店に行くのがお約束のようで、ワイワイと楽しそうに立ち去る親子たちの後ろでしょんぼりする息子を見ていたら、私まで泣きそうでした」(Nさん・34歳・4歳児のママ)

 

ただ上記のNさんは、その後、別の曜日に行ってみたところ顔ぶれが違い、新しく仲良しの子もできたそうです。よかったですね。

 

子ども同士のトラブル

「近所の公民館の子育てサロンは年齢別に分かれていないのですが、3歳くらいのすごく活発というか乱暴な子がいるんです。固い積み木を投げたり、すべり台の順番が待てずに他の子を突きとばしたり。親御さんはおしゃべりしててあまり見ていなくて。ハイハイのうちの子も蹴られそうになり、万が一のことがあったら…と思うと最近はずっと行けずにいます」(Iさん・29歳・0歳児のママ)

 

「うちの子はいま1歳1か月なんですけど、いくら言い聞かせても叱っても、時々他の子の髪の毛を引っ張ったり、噛んだりすることが。保育士さんは、そのうち分かりますよと誘って下さるのですが、いつも何かしないかハラハラしてしまうのと、嫌われモノになるのが怖くて、足が遠のいています」(Eさん・32歳・1歳児のママ)

 

困ったママに遭遇

「何度か子育てサロンで出会ったことのあるママなんですが、とにかく根掘り葉掘り、家の値段とか夫の職業とかを聞きたがるんです。うっかり話すと、自分のママ友に全部話のネタとして提供されるんだろうな…と思うと、もう行きたくないですね」(Tさん・34歳・2歳児のママ)

 

「マウンティングがすごいママがいて。同月齢なのですが、持ち物から発達の早さまで、自分の子が上だと自慢するのが生きがいみたい。うちの娘が先に前歯が生えたとき、すごく悔しそうな顔で、虫歯になるから早いのはダメなんだよ!とずっと言ってきてうんざりしました。今は公園とか、雨の日は別の支援センターに行ったりしてます」(Fさん・30歳・0歳児のママ)

 

感染症が心配

「今はコロナもありますし、例年もやっぱり冬場はインフルエンザなどが気になります。赤ちゃんが舐めるおもちゃなのでアルコールで消毒するわけにもいかず、家の方が安心かなと」(Tさん・35歳・0歳児のママ)

 

もともとそんなに行く気がない、行かなくても平気…という場合はよいのですが、子どもと家にこもりきりでしんどい、という人は、最近ではオンラインの子育てサロンも急増中です。

 

画面越しではありますが、みんなで手遊びや折り紙をしたり、保育士さんに名前を呼んでもらえたり、誕生日の歌を歌ってもらえたり。

 

こちらも、開催している自治体ではホームページに案内が掲載されています。民間の幼児教室でも行っていることがあるので、気分転換したい…と思ったら、いちど探してみてはどうでしょうか。

 

おわりに

「子育てサロンで、家を行き来するほどの仲良しママ友ができた」

 

「子どもと二人きりで息が詰まりそうだったので、毎週のように通っていた」

 

と、子育てサロンに救われたというママはたくさんいます。

 

その一方で、知り合いで固まっている親子ばかりでずっとポツンとしていたり、イヤな思いをさせられたという人も。

 

筆者も夫の転勤などで長女・次女それぞれ知り合いのいない土地で子育てしていましたが、上記のようにいい出会いがあるか、なじめず寂しい思いをするか…は、正直、運任せだと感じています。

 

子育てサロンは地域にいくつもあることが多いですし、もしも近くに1ヶ所しかなければ、隣町のサロンに行ってみるなどの選択肢もあります。

 

まずは一度のぞいてみて、お子さんの反応も見つつ、よさそうならまた行ってみる…というくらいの気軽な気持ちで訪れてみてはいかがでしょうか。

 

文/高谷みえこ