前回の「

フォロワー85万人・警視庁の災害対策課が支える被災者の心

」で、災害時に役立つ情報や、防災意識を高める情報発信への思いについて語ってくれた警視庁警備部災害対策課の村田さん。今回は伺ったお話の中から、停電時やガスが不通になったときでも、温かいごはんが食べられるツイートをご紹介します。

 

停電やガス不通時のために備えておくと便利なもの

——オール電化のお宅も増えてきました。停電したりガスが不通になったりしたときでも、温かいごはんを食べるにはどうしたらいいでしょうか?

 

警視庁警備部災害対策課 村田さん(以下、災害対策課 村田さん):

カセットコンロを各家庭で備えていただく方法があると思います。あるとないとでは、かなり被災時の不安が違ってくるのではないでしょうか。

 

——なるほど!カセットコンロを買っておけばオール電化の家庭でも、万が一ガスが止まったとしても、温かいごはんを食べられそうですね。

 

災害対策課 村田さん:

警視庁災害対策課のTwitterでもカセットコンロでごはんを炊く方法をいくつか紹介しています。

 

一つは、カセットコンロで米2合を炊いてみた、という内容。実際に試した結果、米を炊くまでに必要な水の量はだいたい1.5リットル、炊飯に必要な時間は1時間程度だったことがわかりました。

 

ふだんは、2合の米を研いで炊くまでにどのくらいの量の水が必要か、意識することは少ないのではないでしょうか。また電気の炊飯器で炊いていると火加減などを意識することもありませんよね。

 

カセットコンロを買っただけで済ませるのではなく、実際に使ってみて使用感を確かめておくことも、災害に対するひとつの備えになると思います。

 

お米を研ぐ水も含めた、カセットコンロを使った炊飯の情報がひと目で分かる

 

——確かにそうですね。2合の炊飯に必要な水の量が分かっておけば、水の備え方も変わってきそうです。ほかに食事に関連して災害時に役に立つ情報はありますか?

 

災害対策課 村田さん:

食事をしたら後片付けをすることになりますよね。食べる分は皿の上にラップを敷くなどして食器を洗う水を節約できますが、火を使う調理に可燃性のあるラップを使うことはできません。代わりに鍋やフライパンなどに食材がこびりつくことを軽減させられるアイデアをツイートしています。

 

調理する鍋などに、クッキングシートを敷いて煮炊きする、というやり方です。クッキングシートを使って調理をするやり方はふだん料理をするときに試しやすいと思いますので、どのくらい洗う手間が変わるのかやってみてもらいたいですね。

 

鍋の焦げ付きをクッキングシートで防ぎつつ炊飯する方法。鍋を洗うときに使う水を減らせるかもしれない。

 

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いつ起きるともわからない、自然災害。防災用品を「買っただけ」で満足するのではなく、被災時を想定したシミュレーションをやっておくことも、必要なのかもしれませんね。

参考/カセットコンロを使った炊飯の情報:https://twitter.com/MPD_bousai/status/1283173073890365440

鍋の焦げ付きをクッキングシートで防ぎつつ炊飯する方法:https://twitter.com/MPD_bousai/status/1115026856669929472

取材・文/前嶋みどり