ママになっても働きやすい職場。そう聞いて、あなたはどんな職場をイメージしますか?

 

保活の申し込みが本格的に始まる10月のオピニオン特集は、「ママになっても働きやすい職場」について。

 

働く女性の数は右肩上がりで増えていますが、「子育てをしながら働き続ける」ことは、なぜこんなにも多くの人にとってハードルが高くなっているのでしょうか?

 

その背景には、産前・産後の女性の体に起きるさまざまな変化も関係しています。見た目からはわかりづらく、人によっては仕事から遠ざかるを得ない体調トラブルとは? 

 

10月のオピニオン特集の第2回は、妊娠中に感じた仕事のつらさについて読者アンケートで寄せられた声を紹介します。さらに後半では、産前・産後の母体の事情に詳しい「対馬ルリ子女性ライフクリニック」院長で産婦人科医の対馬ルリ子先生にお話を伺いました。

3人に2人が妊娠中に「仕事を続けるのが難しい」と実感

「妊娠中に『仕事を続けるのは難しい』と思ったことはありますか」

 

CHANTO WEBの読者アンケートで、この質問に対して68%の女性が「YES」と回答。つまり、妊娠した女性の3人に2人は、「妊娠中に働くこと」のつらさやしんどさを何らかの形で味わっているようです。

 

その中でもやはり多かったのは、妊娠初期の悩み。

つわりで苦しんでいたが、初期なので報告もできず、周囲からはただ「サボっている」と思われていたのがつらかった(31IT企業勤務/長男4歳、長女2歳)
安定期に入るまでずっとつわりが重く、少し食べては吐いての繰り返し。社内会議では何とか普段通りに振る舞っても、終わった瞬間にトイレに駆け込んでまた吐くという毎日で体重が5kg落ちて本当につらかった。妊娠しながら働くって、こんなにしんどいことなんだと初めて身を持って知った(40歳広告会社勤務/長女9歳、次女6歳)

CHANTO WEBの読者アンケートで「妊娠中に仕事を続けるのが難しいと思った」と答えた人にその理由を聞くと、次のような回答がトップ3に並びました。

 

1位 つわりがひどかったから

2位 激務だったから

3位 職場の理解がなかったから

 

また、いつの時期に、どんな症状が現れるかは妊婦さんによってもまったく異なります。

異様な眠気に襲われことが増え、好きだった仕事がまったくこなせなくなった。やる気はあるけど、体が動かないもどかしさ、妊娠前とはまったく違う体になった現実に、なかなか自分の心が追いつけなかった(35歳メーカー勤務/長男4歳)
妊娠中、突発的に耳が詰まるような感覚に襲われることがあり、取引先との電話の声が途中で聞き取れなくなる場面が何度もあって困った。医師に相談しても、「まあ、そういうこともあるよ」の一言で片づけられて…。他にも頻尿や便秘など、地味につらいマイナートラブルがたくさんあった(33歳制作会社勤務/長男5歳)

つわり、眠気、疲れやすさ、熱っぽさ、だるさなどは、多くの妊婦さんが初期に体験しているはず。子宮が大きくなって腸や膀胱が圧迫され、頻尿・便秘がちになる人もいます。

 

変化が始まった母体に戸惑う妊娠初期は、もしかすると周囲の理解がいちばん必要なときかもしれません。