先日、SNSで「高校生のお小遣いが月5000円では足りない。これでは友だちとも遊べない」といった趣旨の投稿があり、「そんなの足りない!」「いくらあっても同じ、やりくりを学ぶべき」などさまざまな意見が交わされました。

 

CHANTO世代ではまだお子さんが保育園や小学生の人も多いと思いますが、今回は一足早く、高校生のお金事情を一緒に考えてみませんか?

「それは足りない!」現役高校生たちの声

今回話題になった投稿は、

 

「友達と遊びに行ったり食事したりするのに月5000円のお小遣いでは足りないのに、親は高校生には5000円で充分と言います。バイトも禁止されています。どう思いますか」

 

という趣旨でした。

 

これに対して、同年代の高校生を中心に、

 

「カラオケ1回で1500円、文化祭打ち上げの焼肉で3500円、テーマパークは8000円。月5000円じゃ年に1回テーマパーク行けるかどうかで、クラスの友だち・部活の仲間・中学時代の友だち・恋人…1つ選んだらあとは全部断るしかない」

 

と賛同する声も。

 

また、社会人世代からは

 

「学生時代あれもこれもガマンした反動で、就職してからはすっかり金遣いが荒くなってしまいました」

 

と、厳しすぎるのも考えものという実体験に基づく意見や、

 

「学生時代にじゅうぶん遊ぶのも、将来のために大切な経験。この子はそんなに友だちいないから…とお小遣いを与えていない親がいたら、わが子がお金がなくて交友関係をあきらめていないか、よく考えてみたほうがいい」

 

という、自身の学生時代を振り返ってのコメントもありました。

「お小遣いは月5000円でじゅうぶん」派の理由

いっぽう「いや5000円でやりくりすべき」という声も同世代の高校生も含めて数多く見られました。

 

「じゅうぶん」という理由で多かったのは、

 

「お小遣いなんて、足りないと言い出したら1万円でも3万円でも足りないもの。ある中でどうやりくりするかを考えたほうがいい」

 

というものでした。

 

また、

 

「自分も高校生ですが、スマホ代と、たまの高額な出費は出してもらっているなら足りるのでは?」

 

「ごはんを作ってもらって、洗濯してもらって、学費を出してもらって、毎月5000円ももらえるなら幸せじゃないですか?」

 

という声も。

 

居住地などにもよりますが、携帯電話代などを親が負担している場合、飲食やカラオケなどの交際費で月5000円は「足りない」という子と「じゅうぶん」という子に分かれそうですね。

 

そのほか、

 

「もし足りないから増額してもらうにしても、漠然とではなく内訳を出して、それぞれの項目は本当に必要なのか、親が納得するように説明するべき」

 

という意見もありました。

 

これは将来、仕事で予算を要求するときなどにも使えるスキルなので、ぜひ磨いてほしいですね。

「バイトすればいい」という意見もあるけど…

なお、

 

「足りないなら自分でバイトしてなんとかすればいい」

 

という声も見られました。

 

しかしある調査では、校則でアルバイトが禁止されている高校は全体の約3分の1と見られ、なかには違反すると停学や退学・内部進学取り消しなど厳しい措置がとられる高校も。

 

反対に一部の商業高校などでは、金銭感覚や社会を学べるとしてアルバイトが奨励されているケースもあります。

 

また、原則アルバイト禁止でも、生活が困窮しているなどで申請すれば許可するという高校も。

 

「アルバイトができるかどうか」だけで進学先を決めるわけではありませんが、志望校がどのような校則なのか、事前に調べておいて損はないでしょう。

高校生のママ&パパに聞く、高校生のお小遣い事情

さらに今回、高校生のお子さんがいるママ&パパに、お小遣いの金額やどういう制度にしているのかを聞いてみました。

 

高校2年生の娘さんがいるEさん(48歳)は、

 

「うちも実はお小遣いは月5000円ですが、たまに友だちと外食するときは1000円ほど渡しています。遠出するのはお小遣いが足りなくなると断ったりもするようですが、食事やカラオケに参加できずさみしい思いをすることはないはずですよ」

 

と話します。

 

Eさんが上のように決めたのには理由があるそう。

 

「娘は小学校時代いじめにあっていて、心を許せる友だちがいなかったんです。中学校でもクラスにはなかなかなじめずとても心配でしたが、部活を通じて親友と呼べる仲間ができたと聞いて、本当にうれしくて。残念ながら高校はバラバラになってしまいましたが、今も時々集まっていて、それにはお金の心配をせず行かせてあげたいと思っています」

 

高校1年生の息子さんがいるYさん(45歳)は、中学校まではお小遣いは定額制ですらなかったと言います。

 

「息子は、中学校時代は遊びといっても近所で買い食いするお金くらいしか必要なかったので、お年玉の一部を手もとに残しておき、いるものがあればその都度親が買うようにしていました。その方が安かったので(笑)。でも高校生になって、自分で管理することを覚えてほしいと思ったので、今は定額制で月3000円渡しています」

 

しかし、いまだに部活と勉強で忙しく、月3000円でも余っているようだといいます。

 

「中学生の妹のほうは、洋服やバッグ・アイドルのグッズ・ファーストフードなど、お金がいくらあっても足りない様子ですけどね。妹も兄と同時に定額制にして、今はその中でやりくりしているようですが、この子は高校生になって行動範囲が広がったら5000円じゃ足りないと言い出しそうです」

 

と、同じ家庭の子どもでも、それぞれお金の使い方が違うことを実感しているそうです。

おわりに

2020年現在は、新型コロナウイルスの感染を防ぐため、高校生が友だち同士で集まってテーマパークや飲食店に行くのは以前より難しい状況です。

 

長引く自粛の影響で、不況によりアルバイトができなくなってしまった高校生もいるでしょう。

 

そしてお小遣いをあげる親の側も、景気の悪化で今後が不安…という家庭が増えているかもしれません。

 

お子さんの成長につれ、どの段階でどのくらいのお小遣いが必要になるのか、わが家はいくら出してあげられるのか…今回の記事も参考に一度シミュレーションしてみてはいかがでしょうか。

 

文/高谷みえこ

参考/株式会社マイナビ 社長室リサーチ&マーケティング部「高校生のアルバイト調査~就業状況別/学年別/男女別~」 https://prtimes.jp/a/?c=2955&r=1099&f=d2955-1099-pdf-1.pdf