©︎2021「100日間生きたワニ」製作委員会

 

Twitterに100日間毎日投稿されたきくちゆうきの4コマ漫画「100日後に死ぬワニ」。主人公・ワニの何気ない日常を綴った物語は、最終話で国内Twitter歴代最多記録の“いいね”数を更新した話題作です。タイトルを『100日間生きたワニ』に変え、アニメーション映画となり、100日間のワニの日常、日常が変わってしまったその後の100日の仲間たちの姿が描かれます。

オリジナル新キャラクターも登場


映画『100日間生きたワニ』

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主人公・ワニ役の声を神木隆之介が担当。さらに、ワニの親友ネズミ役を中村倫也、モグラ役には木村昴、ワニが恋するセンパイ役を新木優子が演じています。アニメーション映画には、物語のキーパーソンとなるオリジナルの新キャラクター・カエルも登場。

 

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カエルの声を担当するのは、公開中の映画『東京リベンジャーズ』でも注目を集めている山田裕貴。そして、モグラの恋人をファーストサマーウイカ、カエルが思いを寄せるバイトちゃん役を清水くるみ、ワニの母を池谷のぶえ、ワニの父を杉田智和が演じています。

 

ワニと仲間たちの日常、ワニがいなくなった日常

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映画では前半でワニがいなくなるまでの100日間を、後半ではワニがいなくなってしまった100日間が描かれます。ワニにはネズミという親友がいて、一緒に遊んだり、ラーメンを食べに行ったり、という何気ない日常が淡々と描かれます。そんな平凡な毎日は、ワニがいなくなるという出来事で突然終わりを迎えてしまいます。

 

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ワニがいなくなり、心にポッカリと穴が開いてしまったネズミ、そして仲間たち。しかし、ワニがいなくなっても彼らの日常は続きます。そこにやってくるのが物語のキーパーソンとなるキャラクターのカエルです。引っ越してきたばかりで一人きりのカエルは、友達や恋人を作ろうと奮闘し、喪失感に包まれるネズミや仲間たちに積極的にアプローチ。登場当初は「空気読みなさいよ!」とツッコミたくなるのですが、カエルにも人生がありグイグイと好意をぶつける理由があることがわかると、改めて“生きること”について考えさせられます。

 

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こうした作品で三池監督が重視しているのは、子役たちが生き生きと楽しみながら演じられる環境づくりだそう。三池監督は「子役たちは、大人が『こう演じて欲しい』と考える、大人の理屈の中に生きているように思います。だからこそ自分の作品では、子供たちにとって居心地のいい現場になるよう、彼らが感じるままに演じられるように心がけています」と明かしています。

 

監督・脚本は上田慎一郎&ふくだみゆき夫妻

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63分という短い上映時間でも、キャラクターの関係性がしっかりと描かれているので、小さい子どもにも理解しやすい作品になっています。アニメーションも原作がそのまま動くような演出なので、とても観やすい作品です。

 

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続くのが当たり前と思っていた日常が、突然終わりを告げることで、平凡な毎日がどれだけ幸せなことだったのかに気づく。気づいた時にはもう遅いこともあるけれど、出会いと別れを繰り返すのが人生というもの。コロナ禍で、何気ない日常の大切さを実感できる今だからこそ、より心に響く何かが感じられる気がします。