女の子を育てている親御さんは、わが子が小学校3~4年生ごろになると、そろそろ「初潮はいつ?」と気になり始めるのではないでしょうか。
なかには、まだまだと思っていたら急にお子さんに初潮がきてアタフタ…という人もいるかもしれません。
今回は、最近の子どもたちの初潮の時期や、身長・体重など、なにか初潮の前兆になるような目安はあるのかについて調べてみました。
初潮の年齢、もっとも多いのは?
初めての月経(生理)のことを初潮または初経(しょけい)といいます。
多くの小学校では、現在、小学校3年生~4年生で月経に関する知識を学ぶ授業が設定されています。
5年生の宿泊体験学習・6年生の修学旅行に備えて、遅くとも4年生までに基礎的な知識を身につけておくのがねらいですが、近年は3~4年生で初潮の来る子が増えているという事情も。
大阪大学が1961年から続けている「全国初潮調査」の中では、明治時代には15歳近かった初潮平均年齢は、昭和には13歳、平成に入って12歳と下がり続け、1997年頃からはずっと12.2歳(6年生)前後で推移しているというデータが発表されています。
また、小学校4年生では5%、5年生では4人に1人の子が初潮を迎えていることが分かっています。
俗説では「ママの初潮の年齢と同じ頃」という話もよく耳にします。
しかし、親子で体質が似ることはもちろん考えられますが、必ずしもそうなるとは限りませんので、「わたしは遅かったから…」と思わず準備だけは早めにしておくほうがベターですね。
身長や体重で、いつ初潮がくるか予測できる?
初潮がくる年頃の女の子は、同時に思春期・成長期でもあり、日々身長や体重も変化していきます。
では、「身長や体重がこのくらいになったら…」という目安はあるのでしょうか?
初経時の平均身長は152cm、体重は42~43kgとされていますが、これはあくまでも平均値。実際はもっと幅が広いといえます。
過去に、身長や体重の発育で初潮の時期を予測できるかどうか調べた研究では、はっきりとした関連は見いだせず、
身長又は体重の単一の発育測定値で個人の初潮時期を予測することは困難と思われる。
と結論づけられています。
ただし、
初潮がかなり早 い(10~11歳)かそうでないかは9~10歳の身長増加量が最も大きな判断要因になり、初潮が平均的(12~13歳) か遅いかは11~12歳の体重増加量によって判断される
という報告も。
つまり、もともとの体格では一概に決められないものの、
- 小学校中学年で急に背が伸びた子は、平均より早め(11~12歳)
- 小学校高学年であまり体重が増えなかった子は、平均より遅め(13歳以降)
という傾向は見られるようです。
また別の研究では、女の子の場合、1年で平均8cmも身長が伸びる「ピーク」の時期があり、そのおよそ1年半後に初潮を迎える子が多いということもわかっています。
つまり、「身長が○㎝になったら」というよりは、急に背が伸びた・体重が増えたなどの「変化」がポイントだということですね。
なお、中学3年生の時点では95%以上の子に初潮がきていますが、なんらかの理由でまだ初潮がない子も全国で5000~6000人いるとされています。
もちろん個人差であることも多いですが、中学校を卒業してもまったく初潮がない場合は、いちど受診して異常がないかを確かめた方が安心ですね。
そのほかに初潮の前兆・目安はある?
年齢や身長・体重以外に、初潮の前兆となるような身体の変化はあるのでしょうか。
一般的にいわれるのは、
- 胸がふくらんでくる
- おりものが増える
- わきや陰部の毛が生えてくる
- 肌が脂っぽくなったり、逆にカサカサする
- ニキビができる
- 高めの体温が続く
などが挙げられます。
これらは、成長にともなって、女性ホルモンの「エストロゲン」の分泌が増えてくることが原因。
エストロゲンは別名「卵胞ホルモン」とも呼ばれ、月経を促す働きがあります。
また、この時期には「保育士さんや幼稚園の先生になりたい」という夢を持ち始めるなど、メンタル面でも変化が起こることがあります。
おわりに
小学校での初潮教育は1回きり、1時間だけ…ということも多く、十分に必要なことが伝えきれない可能性もあります。
家庭でも、初潮の前後だけでなく、成長に合わせて必要な情報やケアをそのつど伝えていってあげたいですね。
文/高谷みえこ
参考/大阪大学大学院人間科学研究科「発達加速現象の研究-第12回全国初潮調査結果-」 http://hiko.hus.osaka-u.ac.jp/hinorin/introduction.pdf
論文「思春期の身体発育パターンによる初潮年齢の予測」 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjh1946/43/4/43_4_887/_pdf/-char/ja