「子どもの発達障害」について、お伝えしているオピニオン特集。今回は自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠陥・多動症(ADHD)、書字障害、識字障害、聴覚過敏の特性を併せ持つ「かなでくん」の母である「そらさん」(@Chitose1021)にインタビューします。

 

長男のかなでくんが、「自閉スペクトラム症」「注意欠陥・多動症」と診断されたのは6歳のとき。

 

以降、母であるそらさんは「オープンにしていれば何か知恵が頂けるかも」と信じて、かなでくんの子育てについてSNSで積極的に発信を続けてきたそうです。

 

育てやすかった赤ちゃん時代から、iPadを使って支援級で学ぶようになった11歳の現在までの道のりについて、お話を聞きました。

「知的年齢は大人、心は子ども」

——かなでくんが現在持っている特性について教えてください。

 

そらさん:

6歳のときに「発達障害かもしれないから診断を」と勧められ、知能検査や診察、生育歴の聞き取り調査などを経て、自閉スペクトラム症&ADHD(注意欠陥)という診断が出ました。

 

息子の場合は、言語理解がかなり高い反面、処理速度は極端に低いという凹凸差が大きいそうなんですね。知識量は多いけれども、処理が追いつかない。そのバランスの悪さが、生きづらさとして強く出ているようです。

 

また、ADHDの注意欠陥が原因で、情報収集力が高く、興味のあることには集中力やこだわりを発揮しますが、外部からの刺激があると注意力が散漫になります。興味があちこちに逸れてしまうので行動の抑制が難しい、という一面も。

 

言葉を音で聞いても脳の中でひらがなに変換するのが苦手、「ひらがなを一字書いてみて」と言われても自力でイメージできないなどの、書字・識字・読字障害もありますが、iPadで慣れていたためかキーボード入力は容易にできます。早い段階からアウトプットはキーボードを勧められていましたが、小4からようやく学校の学習でもiPadを使えるようになりました。

 

聴覚過敏もあります。あまりに「うるさい!」と泣くので耳鼻科で診察をしてもらったほどなのですが、情緒が不安定なときほどたくさんの音を拾ってしまうようで、そのストレスでイライラすることも。数年前からノイズキャンセリング付きヘッドフォンを使うようになり、落ち着いて過ごせるようになりました。

 

こういった特性を簡単に説明したいときは、「知的年齢は大人だけど、精神年齢は子ども」という表現をしています。