目指すべきは3Rにリスペクトを加えた4R
——家庭で捨てるときはわずかに見えても、集まるとそんな量になるんですね。
滝沢さん:
はい。ゴミを減らす取り組みで3R(リデュース、リユース、リサイクル)(※D)がありますが、一番大事なのは「リデュース」つまりゴミをそもそも出さないことです。ものを買うときに一瞬考えて、「家にあるもので代用できるな」と買わない選択をするのがリデュースです。レジ袋いらないです、と断ることもリデュース。
リサイクル技術は進歩していますが、エネルギーも人手もお金もかかるから、実は苦肉の策なんです。
だから僕がよく言っているのは、3Rを4Rにしたいということなんです。
——4Rですか?4つ目はなんの「R」でしょうか?
滝沢さん:
Respect(リスペクト)のRです。
ゴミ清掃員を8年間やっていると、人のものに対する傲慢さがよくわかります。丸ごとのメロンやスイカが捨てられていたり、包装された未使用の自転車を回収したりすると、ものを気軽に捨てるのが当たり前になっていると感じますね。
だから「食べものを捨てたら悪いな」というのは食品や生産者へのリスペクト。「危険物は分けないと危ないな」というのは清掃員へのリスペクト。この「リスペクト」を意識するだけでかなりゴミは減ると思います。ものや見えない相手に対して敬意を表すのは、今、日本人が忘れかけているところなんじゃないかな。
——ゴミを減らすにはまず意識を変えることが大事ですね。
滝沢さん:
そうです。ゴミって「人の心」なんですよ。新品か古いものかに関わらず、人がゴミだと思った瞬間に、それがゴミに変わってしまう。買ったばかりの自転車も、持ち主が「これはゴミだ」と思ったら、もうゴミなんですよね。