外国人、夢追い人…ゆかいな清掃員仲間たち
——間違ったゴミ出しのせいで清掃車火災になるかもしれないなんて、危険と隣り合わせの仕事ですよね。体力的にも大変だと思いますが、一緒に働く清掃員仲間はどんな人たちがいるんでしょうか。
滝沢さん:
俳優、バンドマン、DJ、声優、映画監督、ボクサー、脚本家など、芸人の僕のように何かの目標があってゴミ清掃員をしている人はいっぱいいます。夢をかなえるにも、日々の生活費を稼がないといけませんから。
——アスリートもいるんですね!
滝沢さん:
元ボクサーと一緒に収集に回った日は大変でした。集積所から次の集積所まで、ものすごいスピードで走るんですよ。僕が猛ダッシュしても全然間に合わなくて、危うく清掃車に置いていかれそうになったこともありました(笑)。
——外国人も多いですか?
滝沢さん:
いろんな国の人がいますよ。あるペルー出身の女性ドライバーは、小さい頃から日本への憧れを持っていて、仕事としては運転に興味があって。来日して日本で清掃員の仕事をすることで、2つの夢を同時にかなえたそうです。
国を離れて1人で仕事するって、勇気がありますよね。その話を聞いて、言い訳しないでその気になればなんだってできるかもしれないな、と感じました。
——みなさん、清掃員の仕事を楽しんでいらっしゃるんですね。
滝沢さん:
はい。みんな明るく真面目で、仕事をサボっている清掃員は見たことがありません。他に目標を持ちながらも一生懸命な人を見ると、こちらも幸せな気持ちになります。彼らの姿を見て、僕も誰かに幸せを与える側になりたいな、と強く思うようになりました。
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知っているようで、意外と知らなかったゴミ清掃員のリアル。現場で働く清掃員の気づきを、芸人ならではの軽快なトークで、わかりやすく楽しく教えてもらいました。次回は日本のゴミの現状と、ゴミ減量化のために家庭でできることについて伺います。
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PROFILE:滝沢秀一(たきざわ・しゅういち)
1976年、東京都生まれ。1998年、西堀 亮とお笑いコンビ「マシンガンズ」を結成。2007年、2008年にM-1グランプリ準決勝進出。2012年「THE MANZAI」2012認定漫才師。お笑い芸人をしながら、定収入を得るためゴミ収集会社に就職。2018年にゴミ収集員としての体験をつづったエッセイ『このゴミは収集できません』(白夜書房)を出版、ベストセラーとなる。著書は他に『ごみ育 日本一楽しいごみ分別の本』(太田出版)、『ゴミ清掃員の日常』(講談社)、『ゴミ清掃員の日常 ミライ編』(講談社)など。最新作『やっぱり、このゴミは収集できません』(白夜書房)が2020年9月10日に発売予定。
取材・文/早川奈緒子 イラスト/ふじいまさこ
※A 環境省「参考資料集」http://www.env.go.jp/recycle/waste_tech/ippan/h30/data/env_press.pdf#page=15