まだ小さい子どもの体臭が鼻についたり、洋服のわきの下の部分に黄色い汗じみができていたり…。じつはそれ、ワキガの症状が出始めているのかもしれません。
「ワキガって、思春期くらいから始まるんじゃないの?」と思うかもしれませんが、最近は7歳くらいからワキガになる子どもも。ワキガのにおいが発生するメカニズムや適切なケア方法について、銀座長澤クリニックの長澤誠一郎先生にお話を伺いました。
PROFILE 長澤誠一郎先生
どうしてワキガのにおいが発生するの?
同じように汗をかいても、なぜワキガのにおいが発生する人とそうでない人がいるのでしょうか。「ワキガとは、わきの下や陰部などから“特有”の刺激的なにおいが発生する症状のことです。病気などではなく、生まれ持った体質です」(長澤先生、以下同)。
「においの原因となるのは汗。私たちの身体には“汗腺”という汗を分泌する器官があります。汗腺には2種類あり、ひとつをエクリン汗腺、もうひとつをアポクリン汗腺といいます。エクリン汗腺は全身にあり、暑い時や緊張した時、熱いものを食べた時などに出る通常の汗として排出されます。一方のアポクリン汗腺は、わきの下、外耳道、乳首の乳輪部、外陰部、肛門の周辺という特定の部位にあります」
アポクリン汗腺から出る汗自体には、においはないそうです。「しかし、皮膚の表面で常在菌と合わさり揮発することで、独特のにおいが発生します。これがワキガです。人によっては、わきの下だけでなく、アポクリン汗腺のある他の部分もにおう場合があります」
アポクリン汗腺は誰にでも存在しますが、「ただ、ワキガの人はそうでない人と比べてアポクリン汗腺が多く、汗の量も多い」といわれています。