2020年春、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、全国の学校では一斉に休校が実施されました。3月上旬から6月までの休校から分散登校をへて、7月現在ではほぼ全ての学校が再開されています。しかしその間の学習の遅れは大きく、夏休み期間を短縮して対応する学校がほとんど。

 

ただ夏休みを何日にするのかは、地域や学校ごとにかなり差があるようです。

 

そこで今回は、全国の小学生ママ・パパを対象に夏休みの日数や終業式・始業式の日程をアンケート。困っていること、逆に助かったこと、心配なことなども教えてもらいました。

 

90%以上の小学校で夏休みが短縮された

今回、アンケートに答えてくれたのは、全国で小学校に通うお子さんを持ったママ・パパ100人。

 

そのうち「夏休みが短くなった」と答えた人は91.2%と、やはり非常に多くの学校で短縮されたことがわかりました。

 

2~3週間が多く、いちばん短い夏休みは「6日」

では実際に夏休みは何日になるのかを聞いてみると以下のような結果に。

2020年の夏休みは「2~3週間」という回答がもっとも多く、3週間~1か月と比較的長めの学校も3割ほどありました。

 

例年、北海道や沖縄などをのぞく多くの公立小学校では、7月20日~25日が終業式・8月25日~9月1日が始業式。

 

平均30~35日程度の夏休みが主流なので、半分くらいに減った学校が多いことがわかります。

 

なかには10日未満という小学校もあり、最短ではなんと6日間。

 

今回のアンケートでは該当者がいなかったものの、「親戚の子は夏休みゼロらしい」という声もありました。

 

ママ・パパたちが困っていること&心配なこと

夏休みが短くなったことで、ママやパパがとくに心配なのはやはり「暑さ」。

 

「例年は休みの時期に、登校や授業で体力的に大丈夫なのかな?という心配があります。感染予防のためエアコンをつけても窓は開けておくそうで、教室は暑いんだろうなと…室内でも熱中症が心配だし、集中力も低下しそうですよね」(Kさん・39歳・2年生のママ)

 

「暑い中の登下校に加え、体育の授業もあります。でも感染防止のために水泳はなく体育館での授業。熱中症はかなり心配です。秋以降にも疲れが残りそうですよね」(Yさん・43歳・4年生のママ)

 

「7月でもマスクをして真っ赤な顔で帰ってくるので、8月は熱中症がほんとうに心配。いざとなったら欠席させようと思っています。暑さ対策グッズも色々買ったので、合計するとけっこうな出費に…!」(Uさん・40歳・1年生のママ)

 

涼しいイメージのある北海道の小学生のママからもこんな声が聞かれました。

 

「今年はお盆の6日間だけが夏休み。いくら北海道でも真夏はやはり暑いのですが、北海道の小学校にはもちろんクーラーはなく、扇風機も各階に1台~2台だけ。感染予防のために水飲み場は使用禁止で、水筒の水しか飲めない環境でまともに授業ができるのでしょうか」(Hさん・35歳・2年生のママ)

 

夏休みといえば「宿題」がつきものですが、今年はいつもより短期間でこなさなければならず、量はどのくらいなのか、内容は…という心配も多く寄せられました。

 

「春の休校中に出された課題は、本来は授業でやるはずの内容なので、親がついて教えないと1人では理解できないものでした。もし、夏休みの宿題も同じように付きっきりで見ないとできない内容だとしたら、共働きの親には少し負担が大きすぎます」(Kさん・45歳・5年生と3年生のパパ)

 

「自粛期間中に遅れた内容を夏休みの宿題にして親が教えるという前提だと、親の忙しさや教え方によって、子どもの理解度や成績に格差ができてしまうのでは…と不安になっています」(Fさん・34歳・3年生のママ)

 

高学年になってくると、学習内容も高度になってくるうえ、中学校受験を予定している子には塾のスケジュールのやりくり問題も出てきます。

 

「息子は6年生で中学受験予定ですが、塾の夏期講習は例年どおりのカリキュラムなので、学校が終わったら塾に直行して夜遅くまで勉強…と、かなりの過密スケジュールです。暑い中で体調管理が心配ですね」(Mさん・41歳・6年生のパパ)

 

「夏休みが2週間になり、塾では3週間分で予定していた夏期講習の日程を2週間に詰め込むことに。中学受験を控えた6年生なので、夏休みに数日だけ地元の友達と遊ぶ予定も入っていたのですが、夏期講習で遊べる日がなくなってしまい、かわいそうに思っています」(Aさん・38歳・6年生のママ)

 

「GoToキャンペーン」で国内旅行に補助が出るとはいえ、夏休み短縮で予定が合わなくなり、今年は旅行やイベントを見送った家庭も少なくありません。

 

「コロナが心配とはいえ、せっかくの夏休み。少しは思い出を作ってあげたいですが、今年は地元の花火や盆踊りなどイベントがなく、泊まりがけの旅行も行けず…絵日記のネタが見つからなくて困ります」(Sさん・35歳・3年生のママ)

 

「上の子の小学校と下の子の幼稚園で夏休み時期がずれていて、お盆期間しか重なりません。でもその時期は混んでいるだろうから、密になりそうで…今年はどこにも行かずじまいでしょうね」(Tさん・女性・37歳)

 

「ここだけの話、助かった」という声も

いっぽう、学校での感染は気になるものの、いろいろな点で「実は助かってます…」という人もたくさんいました。

 

もっとも多かったのは学習に関するもので、先生と向き合った授業が受けられたり、これまでの遅れを取り戻せたりすること。

 

「子どもたちの小学校では、休校中にオンライン授業もありましたが、高学年の上の子はともかく、1年生の下の子は、なかなか集中できず理解も進まないのでずっと側についていなくてはならず、私も在宅勤務がはかどりませんでした。いまのうちに対面の授業でフォローをしてもらえるのがありがたいです」(Kさん・43歳・5年生と1年生のママ)

 

最近の子どもはなにかと忙しいため、ぼーっと好きなことをして過ごす夏休みは、成長のための充電期間として重要…という専門家の意見もあります。

 

しかしママからは「学校に行ってくれた方が有意義」という声もたくさん聞かれました。

 

「うちは田舎で歩ける距離に友だちがいなくて、自粛期間中はずっと祖母と2人で過ごしていました。夏休みが短くなれば、学校で友だちとかかわりをもてるので本人もうれしそうですし、親としても助かります」(Jさん・37歳・4年生のママ)

 

「例年、夏休みはきょうだいでゴロゴロしたりゲームやテレビばかり。夜も遅くなりがちで、学校に行っている方がよほど健康的です」(Iさん・45歳・5年生と3年生のママ)

 

そして、何よりもママたちがほっとしたのは「留守番」そして「お昼ごはん」でした。

 

「夏休みが8月上旬からお盆明けと大幅に短縮。去年は子どもたちだけで留守番してもらう日が多かったのですが、今年は3~4回だけで済みそうです」(Yさん・46歳・6年生と4年生のママ)

 

「毎年、夏休みは朝早くから学童のお弁当作りに明け暮れていましたが、夏休みが減って給食があるおかげでお弁当の回数が激減。そのぶん、通勤ラッシュでの感染を避けるため少し早めの電車に乗れて私も安心です」(Oさん・40歳・3年生のママ)

 

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おわりに

この夏は毎年恒例の家族旅行を見送ったり、学校・塾・仕事の予定がイレギュラーで家族の予定が合わなかったり…という人も続出しました。

 

それもあって「もし従来どおりでも何も夏休みらしいことはできないから、むしろ短縮でよかった」という人が多かったのが印象的でした。

 

くれぐれも暑さと感染の対策だけはしっかりと気をつけて登校し、短い夏休みですが、子どもたちが少しでも楽しく過ごせるようにと願います。

 

文/高谷みえこ