「今日ごはん作りたくないなぁ…」

 

働いていると、ふとこんな思いが頭をよぎることはしょっちゅうです。1日仕事をして疲れて帰宅し、座ってひと息つきたくなる自分を奮い立たせ、最後の力を振り絞ってごはんを作る…。それほどまでに、毎日の食事づくりは大変です。

 

また、今はコロナ禍によって家で過ごす時間が増えています。保育園や学校が再開されたとはいえ、休日は3食自宅で食べるという機会も増えました。以前であればお惣菜や外食を利用することで多少は手間を軽減することができましたが、今はそれもままならない状況です。

 

そんな私たちの毎日の食事の悩みに対して、料理研究家で家事全般のラクを追求するラク家事アドバイザーの島本美由紀さんは「下味冷凍が冷凍庫に入っているだけで安心感がちがう」と教えてくれました。

 

今回はそんな「下味冷凍」について 詳しく見ていきたいと思います。

 

PROFILE 島本美由紀さん

料理研究家・ラク家事アドバイザー。旅先で得たさまざまな感覚を料理や家事のアイデアに活かし、誰もがマネできるカンタンで楽しい暮らしのアイデアを提案。親しみのある明るい人柄で、テレビや雑誌、講演会を中心に多方面で活躍。『野菜保存のアイデア帖』(パイインターナショナル)など、著書は60冊を超える。また、食品ロス削減アドバイザーとしても活動し、家庭で楽しみながらできるエコアイデアを発信している。

http://www.shimamotomiyuki.com/

疲れたときはまな板も包丁も面倒! そんなときは…?

仕事や育児に追われていると食事作りをお休みしたいと思う日も多いですが、毎回お惣菜を購入したり、外食をしていると出費が気になります。とはいえ、休日に作り置きするとなると1日がかりの大仕事になってしまい、それはちょっと面倒…。島本さんはそんな人にこそ「下味冷凍」がオススメといいます。

 

「下味冷凍」とは事前にお肉や野菜、調味料を食料保存袋にいれて冷凍しておくこと。下ごしらえはすべて済んでいるので、当日はフライパンで火を通すだけで料理が出来上がります。疲れているときはまな板を出すのも包丁を持つのも面倒ですが、下味冷凍はそんな日々の“めんどくさい”を解決してくれます。

 

「下味冷凍」なら毎週末作り置きをしなくてもいい!

「作り置きおかず」や「ストック」と聞くと、毎週休日を返上してキッチンで長時間作業しなくてはいけないと思いますよね。下味冷凍も作り置きおかずのように調理前の仕込みが必要ですが、保存期間が長いため、毎週仕込み作業をする必要がないというところがポイント。

 

つまり、買い物にいってお肉やお魚が大容量で売られていたり、特売になっていたときにまとめ買いをして、下味冷凍にして保存すればよいということです。コロナ禍によってこまめに買い物をするのが難しい今の時期にもぴったりです。

 

また、ただ冷凍保存するだけだと保存期間は約1か月程度ですが、ほとんどの食材が下味をつけて冷凍することで約2か月ほど保存することができるようになります。翌週使い切らなきゃいけないという心配もないので、できるときにストックしておけば、いざ「今日ごはん作りたくないなぁ」「今日は買い物に行けないかも!」というタイミングが来たときに下味冷凍を使って料理の手間を省くことができるのです。

 

 

しかも、調理は簡単。特別な調味料ではなく、冷蔵庫にある普段から使うもので十分おいしい下味冷凍を作ることができます。

「下味冷凍」の2つのステップ

実際に「下味冷凍」をやってみようと思ったら、どのような手順で進めていけばいいのでしょうか。

 

準備するものは「冷凍用保存袋」のみ

下味冷凍に必要なものは食材を入れる冷凍用保存袋だけ。冷凍室にきれいに収まるSサイズ(写真右)とMサイズ(写真左)があると安心です。

 

食材を入れたら空気をしっかり抜くことで酸化による味の劣化も防げます。保存期間を忘れないようにマジックで保存日を書いておきましょう。

下味は合わせ調味料やドレッシングでも

調味料を計るのが面倒だったり、味付けのレパートリーがなくて迷ったりする方もいるかもしれません。そんなときは合わせ調味料やサラダにかけるようなドレッシングで代用しても問題ありません。

 

豚肉+焼肉のタレ、鶏肉+イタリアンドレッシング、鮭+青じそドレッシングなどを組み合わせるだけで下味冷凍になります。合わせ調味料くらい自分で作らなきゃ…とハードルを上げず、できるだけ調理の負担を軽減してくださいね。 それでは、さっそく次のページで肉と魚の下味冷凍レシピを見てみましょう。