大人が「好き」を否定しなければ、選択肢は広がる

──店頭では子どもが選択した色やデザインに親がどう反応するかも間近に見えるかと思いますが、保護者の動向に変化はありますか?

 

土屋鞄 高橋さん:

店舗スタッフからは、ここ数年で「お子さまの意見を尊重して選ぶ保護者の方が増えたように感じる」という声があがっています。

 

全体から見るとまだ多くはないですが、赤やオレンジのランドセルを自分の意思で選ばれる男の子のお客さまもいらっしゃり、「いい色を選んだね!」と親御さんがポジティブに伝えている光景も拝見しています。本人の「好き」を否定せず、受け入れてあげることで、お子さまの選択肢はぐっと広がるのではないでしょうか。

 

戦隊モノのリーダーの色である「赤」や「水色」「ピンク」を「好きな色」として希望される男の子も、最近では珍しくありません。ただ、男の子の親御さんや、性別を問わずお子さんが第一子である場合は、「みんなと違う色のランドセルでからかわれるのでは」という点を心配されて「もう1回考えよう」と悩まれるご家族もいらっしゃいます。

 

──そんなお客さまにはどのようなアドバイスを?

 

土屋鞄 高橋さん:

「地域性もありますから、通われるご予定の小学校のおにいさん、おねえさんたちの登校風景を見て、想像してみるのもいいですね」とお伝えしています。

 

ランドセル選びは一生に一度のことですから、性別にとらわれることなく、それぞれのお子さんのお気に入りが見つかることが私たちの一番の願いです。

 

誰もが好きな色のランドセルを自由に選べる時代が、少しずつでもちゃんと来ているようです。今年はコロナの影響で、まだ購入していない家庭も多いはず。親子でじっくり話し合って、納得のいくものを選べるといいですね。

 

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文/阿部 花恵