結婚、出産、子育て、住宅購入といったライフイベントが集中する30代。何かとお金が必要にな、特に教育や住宅にかかる費用に関してはいつも話題になります。そんな時期を過ごす30代のお金事情は、どうなっているのでしょうか。30代の平均貯蓄額・収入額のデータを参考に、同世代のお金事情を紹介します。

みんなの平均貯蓄・平均収入はいくら?    

「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和元年)」によると、30代の平均貯蓄は529万円です。

 

30代の平均貯蓄

※2人以上の世帯・金融資産を保有していない世帯を含む(金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和元年)」より作成)

 

「そんなに!」と驚かれる方もいるかもしれませんが、「平均」は一部のお金持ちが金額を引き上げてしまう傾向があります。

 

そこで、貯蓄の多い順番に並んだときにちょうど真ん中にくる人の貯蓄額(中央値)を見てみると、240万円となっています。こちらのほうがまだ、実感に近いのではないでしょうか。

 

また、気になるのはグラフの一番左側、「金融資産非保有」の割合。これは30代の15.8%がまったく貯蓄がない状態を示しています。

 

貯蓄がなくても、毎月の収入で今の生活がまかなえるのかもしれません。しかし、病気やケガ、リストラなど万が一の事態が起こればすぐに生活は苦しくなります。そのためには、まずは生活費の半年分は貯蓄することをおすすめします。

 

 

それから、30代の平均収入は国税庁の「民間給与実態統計調査」からわかります。3034歳、3539歳の5年間の平均年収は以下のようになっています。

 

30代の平均収入(年収)

国税庁「民間給与実態統計調査(平成30年分調査)」より作成

 

男性は3034469.5万円、35歳〜39527.6万円。女性は3034314.7万円、3539313.8万円となっています。なお、男女通じての平均は30代前半が410.1万円、30代後半が447.8万円です。

 

男性は50代まで右肩上がりに年収が増えているのに対し、女性は20代後半以降ほぼ横ばいになっていることがわかります。

 

また、30歳代の世帯は、平均して年間手取り収入の11%を貯蓄に回しています。これは、世帯の手取り年収が500万円だったとして、毎月約46000円、年間55万円を貯蓄に回せている計算になります。

 

  • 年間手取り収入(臨時収入を含む)からの貯蓄割合(金融資産保有世帯)
※年代は世帯主の年齢

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和元年)」より作成

 

こうしてみると、けっこう堅実に貯蓄をしていると感じられます。ただ、これからも順調に貯蓄を続けられるかは未知数です。

 

カンムの調査によると、新型コロナウイルスの感染症に伴い、基本給が減ったと答えた30代は38%。残業代やボーナスも減っています。 

 

  • 新型コロナウイルスが給料に与えた影響
カンム「アフターコロナの家計・資産防衛 意識調査」

 

20代・30代といった若年層ほど基本給が減ったと回答しています。また、ステイホームやリモートワーク、営業自粛などの影響でしょうか、残業代やボーナスなども減っているようです。30代に限らず、今後コロナ禍が家計に少なからず影響を与えることは間違いありません。