これからの国際化の時代に向け、子どもたちにはますます英語力が必要そうだな…と感じているママ・パパは多いのではないでしょうか。

 

しかし、必要な英語は小学校の授業だけで身に付くものなのか、教室や塾に通わせたり、親がサポートするべき?と不安になっている人もいるかもしれません。

 

今回は、小学生をとりまく英語事情と、親は何をどこまですればいいのかについて考えてみました。

 

今後必要になる英語の資格・検定とは

国は、今後ますます加速するグローバル化社会に対応できる人材を育てたいと考え、大学入試をはじめとした試験に「読む・書く」だけではなく、「聞く・話す」を加えた4技能を取り入れることを推奨してきました。

 

2019年には受験生間の不平等などが原因でいったん見送られたものの、「大学入学共通テスト(現センター試験の後継テスト)」への導入が検討されていました。

 

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とはいえ、引き続き英語が重視される方針は続くと見られており、今後も私立の大学・高校を中心に入試で英語の資格や検定を採点に取り入れるケースは増えていくでしょう。

 

たとえば、2019年には、全国で60以上の私立の中学校で「英検○級以上で内申を加点」「英語の試験を免除」などの優遇措置が取られています。

 

求められているのは最低でも中学1年レベルの英検5級から。なかには高校卒業レベルの2級を設定している中学校もあります。

 

公立小学校では、どのくらい英語を学ぶ?

公立の小学校では、2020年4月から『新学習指導要領』が全面実施され、全国の小学校の3~4年生で週に1コマ、年間35時間分の英語学習が必修化されました。

 

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また5~6年生では週に2コマ、年間70時間分が「教科化」され、他の教科と同様にテストを行い成績がつくようになりました。

 

ただ、2020年春は新型コロナウイルス感染症による休校が続いたため、予定通りに英語の学習が進んでいない学校も数多くあります。

 

2020年からは新しくプログラミング学習も開始されており、感染防止対策に追われる先生たちがどこまで新しい学習内容をカバーしていけるのか、心配する声もあがっています。

 

私立の小学校はこんなに進んでいるところも

いっぽう私立の小学校では、独自のカリキュラムで非常に英語に力を入れているところも少なくありません。

 

国の学習指導要領では小学校3年生から週1コマの英語を始めるのに対し、私立の小学校の多くは1年生から週に3~5コマの英語の時間を設け、ネイティブの外国人講師が入って楽しみながら英語に親しんだり、英語4技能や表現を少しずつ覚えていきます。

 

ミッション系の小学校では、朝の礼拝やクリスマスなどの行事などを英語で行い、欧米の生活様式に慣れ親しんでいる学校もあります。

 

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家庭で親ができることはある?

とはいえ私立の小学校で充実した英語教育を受けられるのは、おもに都市圏で、ある程度経済的に余裕がある家庭が中心。

 

でも子どもたちには、家庭の経済力にかかわらず能力を伸ばしてあげたいですよね。

 

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そこで、

 

  • 公立の小学校に通っている
  • ママやパパが英語がペラペラではない
  • 高額な英語塾や英会話教室に幼児期から通わせていない

 

といったごく普通と思える家庭で、小学生のお子さんが「英語好き」だというママたちに、お子さんが小さい頃にどんなことをやっていたか教えてもらいました。

 

「海外の子ども向けアニメを、4~5歳頃からときどき動画配信サービスを利用して見せていました。なかでもセサミストリートは単語が聞き取れなくても話の流れがわかりやすいし、多種多様な人種・見た目の子どもたちが登場するのもいいと思います」(Mさん・31歳・4年生のママ)

 

「小さい頃にお祝いでもらった英語の絵本が気に入っていた娘。図鑑のようにいろいろな食べ物や乗り物の絵と、英語でモノの名前が書いてあるんですが、私が間違った発音を植え付けてはいけないと思って日本語で教えていたんです。あるとき書店でペンでタッチすると英語で読み上げてくれる絵本と出会ったので、さっそく買ってみたところ、喜んで何度も遊んでいました。私が日本語名も教えるので、りんごとappleが結びつくのもいいですね」(Tさん・34歳・2年生のママ)

 

「実は3歳の時に英語の1ヶ月体験レッスンに通わせてみたんです。でも、娘はネイティブの元気な男性の先生が怖かったみたいで、行きたくないと泣き出して。ここで英語が嫌いになったら余計にマイナスだと思い継続はやめ、アニメなどでまったり楽しむように。その後、年長になってお友だちと一緒にまた通うことになり、内心心配していたのですが…今度はすんなりと入れました。何歳なら大丈夫ということではなく、やっぱり楽しめるかどうかが大事ですよね」(Wさん・36歳・1年生のママ)

 

おわりに

英語好きな小学生のママたちに共通していたのは、「英語を楽しむ」ということを第一に考えていたことと、家で気軽に英語に触れられる環境を作っていたことでした。

 

今は無料動画でも質のいい英語が学べる環境がずいぶん整っています。

 

まずは気軽に楽しみながら、気づけば生活のどこかに英語がある…という環境を作っておくのが、小学生になってから英語に拒否感を抱かないためのコツかもしれませんね。

 

文/高谷みえこ

参考/文部科学省「小学校における英語教育の現状と課題」https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/004/siryo/attach/1379938.htm