愛知ドビーの「バーミキュラ」といえば、鋳物ホーロー鍋を思い浮かべる人が多いはずです。そんなバーミキュラに新たな調理道具が登場しました。その名も「バーミキュラ フライパン」です。

 

「フライパンなんて何を使っても同じでしょ?」と思ったら大間違い。実際に筆者も使ってみて、これまで使っていたステンレスのフライパンとの差が歴然だったんです。そんなバーミキュラ フライパンの魅力をご紹介しましょう。

 

発売開始から2か月で5万台超えのヒット商品

バーミキュラ フライパンは、熟練職人の絶え間ない努力で完成された鋳鉄×ホーローのフライパンです。4月21日の発売から2か月で5万台以上が売れたというのは、フライパンとしては大ヒット商品だといえるでしょう。

 

▲24cm[深型]タイプと26cmタイプの2種類のサイズが選べる

 

このフライパンの最大の特徴は、「エナメルサーモテクノロジー」です。水が馴染みやすい特殊な性質のホーローと、蓄熱性の高い鋳鉄を組み合わせることで、余分な水分を一瞬で蒸発させて、旨味を凝縮させてくれるのです。この実力がよく分かるのが、野菜炒めやもやし炒めなどの水分が出やすい食材。実際に野菜炒めを作ってみたところ、短時間で野菜に火が通り、シャキシャキの食感に仕上がりました。

 

▲基本の火加減は強火で、炎がフライパンの底面の4分の3くらいにかかるくらいの状態。IHなら1400Wくらいが目安

 

ちなみに、普段野菜炒めを作るときはフライパンを振る人が多いと思いますが、このフライパンは振る必要はありません。なぜなら、余分な水分が瞬時に蒸発するから。木べらや菜箸などで混ぜるだけで、驚くほど食材がシャッキリと仕上がります。

 

チャーハンが驚くほどパラパラに仕上がる

付属のレシピブックの内容が充実しているのも、バーミキュラ フライパンの魅力。レシピを見ながらチャーハンを作ってみたところ、野菜炒めと同様、お店のようなパラパラのチャーハンが簡単に作れました。

 

▲先に具材を炒めてから、卵を炒め、そこにご飯を加え、最後に具材を戻して味付けをする

 

バーミキュラ フライパンは炒めものにもいいですが、ステーキを焼くのもおすすめです。正直なところ、これまで使ってきたどのフライパンよりもおいしく肉が焼けたと感じています。おそらく、これはホーローによる遠赤外線効果によるもので、食材の組織を壊すことなく、内側から加熱してくれるからでしょう。

 

▲レシピブックによると、弱火で3分ずつ両面を焼き、バターを回しかけながら1分焼いたら、火を止めて5分間置くといい。厚みが薄い肉の場合は余熱は1分でOK

 

これまで、ステンレスのフライパンで焼いていましたが、バーミキュラ フライパンのほうが、ミディアムレアなステーキがとにかく簡単に焼き上がりました。ちょっといいお肉を買って自宅で焼けば、お店よりもコスパ良くごちそうを楽しめそうです。

 

▲絶妙な焼き加減のステーキが完成。ここまでおいしく焼けることに驚いた

 

使い勝手の良さも人気の理由

新開発のホーローは油なじみが良く、焦げ付きにくいのも特徴。通常、鋳物ホーロー製のフライパンは厚さが3~5ミリあって片手で扱うには重いのですが、バーミキュラ フライパンは厚さ約1.5ミリとなっており、女性でも扱いやすいのがうれしいポイントです。

 

▲普段使っているステンレスのフライパンに比べれば重さは感じるが、1kg程度なのでさほど使いにくさは感じなかった

 

また、鉄のフライパンとは違って、錆びる心配がないというのも大きな強み。洗剤を使って丸洗いできるので、衛生面も安心です。もちろん、フッ素コーティングのように高温での有毒ガス発生の心配もないですし、ホーローにはカドミウムを使っていません。

 

▲鉄のフライパンのように専用のブラシを用意したり、洗剤が付かないように気にしたりしなくていい

 

バーミキュラ製品はリベアサービスがあるので、長く使い込んでホーローが剥げたときや、ウッドハンドルが傷んだときも、メンテナンスして使い続けられます。丁寧に扱えば、親から子へ受け継ぐこともできるはず。

 

価格は24cmの深型タイプが1万6280円(税込)、26cmタイプが1万6830円(税込)となっており、別売で専用のフタも用意されています。フライパンにしては値段が高いと感じるかもしれませんが、一生使えることを考えれば、値段を気にする必要はなさそう。”育てる調理道具”を手に入れて、毎日の料理を楽しんでみましょう。

 

バーミキュラ フライパン

https://www.vermicular.jp/products/fryingpan/

 

文/今西絢美