学校へのスマホ持ち込みを国も認める方向へ
子どもたちのICT教育には、デジタル機器とインターネット回線が必須となりますが、環境を整えられない学校も多くあります。そこで、いま個人所有のスマホを学校の授業でも活用しようという動きがあります。
神奈川県は県立高校の全校に無線LANや光回線を新設し、個人所有の機器を使って授業を行っています。高校生はスマホ所有率が高いので、回線使用料を学校が負担することで一気に環境が整うのです。その際、デジタル機器のウイルス対策を行う、授業中に黒板の内容を撮影してもよいがSNSへの投稿は禁止、などのルールを設けているそうです。
そして、スマホや携帯電話の学校への持ち込みを「原則禁止」としていた文部科学省も方針を転換しました。
中学校への携帯電話、スマートフォンの持ち込みを条件付きで認めると決定したのです。条件とは、学校での管理方法を明確にすること、フィルタリングを保護者が設定すること、学校や家庭が携帯電話の使用法を指導することです。
小学生は引き続き原則禁止で、保護者の希望で例外的に認めるとのこと。中学生の携帯電話やスマホの利用率が高い現状で、部活動で帰宅が遅くなることへの考慮だそうです。
そして大阪府教育委員会は、2019年4月に公立小中のスマホ持ち込みを解禁しました。大阪北部地震の際に保護者達が子どもの安否が確認できなかったとの声を受け、こちらも「校内ではカバンにしまう」などのルールとともに許可しています。
文科省が大阪府教育委員会に追いついた形になりますね。
これまでは子どもがスマホを持つことを禁ずることで、子どもたちをネットから守るといった指針でしたが、スマホの所有率が上がっている現実に合わないこと、安全確保にも役立つというスマホのメリットが評価され、国全体が見直しを始めているのです。
ますます子どもたちの生活に不可欠になっていくインターネット。学校の取り組みも踏まえながら、家庭でも見守っていきたいですね。
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文/鈴木朋子
参考/「情報モラル指導モデルカリキュラム」https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2010/09/07/1296869.pdf