30代の働くママはとにかく忙しい!しかも、肌の状態も似合うメイクも、20代とは徐々に変わってきています。気づいたら、シワもシミもくすみも気になるし、なんだか目元にハリがなくなって寂しい。どうにかしなきゃ——と薄々危機感を感じているのに、なんとなく見て見ぬフリをしていませんか?

 

でも、生きていれば、年をとっていくのは当たり前。外見が少しずつ変化していっても、女性をキレイに魅せられるとっておきの魔法が“メイク”なんです!

 

今回は、今まで1万人以上の女性を指導してきた“メイクアップ博士”として、悩める30代女性に「年相応の美しさを身につけるノウハウ」をお届けしたいと思います。

 

漠然と続けてきた自己流のスキンケアとメイクを、“もう一度じっくり見直す”特別講座です。1日1テーマに絞って、基本から詳しく解説しますよ!

 

2日目のテーマは「ベースメイク」。ナチュラルで素肌っぽいのに、気になるところはカバーできて、しかも、1日じゅう化粧くずれしない──そんなベースメイクが理想ですよね。メイク直しの時間も惜しい、働く女性が心得るべきファンデーションの塗り方を紹介します。

 

重視すべきは「元から肌がキレイ!」と思わせる極上の素肌感

ファンデーションを塗るときに大切なのは、なんと言っても素肌感。「メイクしてキレイになった!」ではなく、「元から肌がキレイ!」に見えるように、自然なメイクをすることがポイントです。

 

とはいっても、シミや目の下のクマ、毛穴の開きに黒ずみなど、カバーしたいものもありますよね。それに、厚塗り感はイヤだけど、ベースメイクが薄すぎても手抜きに見えたり、顔が疲れて見える原因になります。


いかにも「しっかりメイクしてます!」とは見えないのに、気になる部分はきちんとカバーできている——そんな理想のベースメイクをかなえる“元から素肌がキレイに見せる”簡単テクニックがあるんです。

 

色選びと塗り方を間違えなければ、誰でもうまくいく!

“元からキレイな素肌”に見えるメイクに欠かせないのが、色選びと塗り方です。

 

まずは色選びについて。肌の透明感アップを狙うあまり、つい明るめを選びがちですが、実は明るすぎると顔が老けて見えてしまいます。自分の肌にぴったり合う、明るすぎない色を見つけましょう。



塗り方で大切なのが、仕上げにスポンジを使うことです。このひと手間で、プロが仕上げたような透明感のあるベースメイクが完成します。下地のあともファンデのあとも、最後はスポンジでなじませてみてくださいね。

それでは、それぞれについて詳しい方法をお伝えしていきます。

 

下地の選び方と塗り方がベースメイクを左右する

下地とファンデーションの関係は、下着と洋服の関係と同じ。体にあった下着をつけることで洋服がキレイに着こなせるように、下地できちんと肌の色を整えてはじめて、ファンデーションが肌の質感を整える効果を発揮します。ですから、ベースメイクがうまくいかないなら、まずは下地を見直すといいですよ。

 

①オレンジ色のものを選び、手で顔全体に塗る

下地というと、ピンクやブルー、グリーン、パープルなどを思い浮かべがちですが、実は白浮きしやすい色。“ワントーンアップ”になってしまうので、明るく見えるのを通り越して顔だけ白くなってしまい、使うのが難しいんです。

 

オレンジなら、自分の元の肌色から、やや明るく透明感を出す“ハーフトーンアップ”なので、自分の肌色に溶け込むように馴染みながら、自然な明るさと透明感を出してくれますよ。

 

まず、手の甲にパール粒ほど下地を取りましょう。1プッシュだと多すぎるかもしれません。半プッシュくらいの量で十分です。

 

今回使ったのはこちら。

100点満点の化粧下地を追い求め、みずから開発した“自分史上最高の美肌になれる魔法下地”。無添加で肌に優しく、日焼け止め・化粧下地・ナチュラル仕上げファンデの1本3役に。BEAUTY CRYSTAL makeup base 30ml 8800円(税込)/Excess Beauty

 

下地を塗るときにおすすめなのが、“ミルフィーユ塗り”。お菓子のミルフィーユのように薄い層を重ねると、ムラになりづらいんです。一気にたくさん肌に塗ると、塗りムラや毛穴落ちなどの原因になるので気をつけましょう。

 

肌が透けるくらいの少量を指先にとって、頬の内側から外側に塗ります。好みの度合いにカバーできるまで何度か繰り返して下さい。

頬→額→鼻→口元→目元の順番で塗りましょう。よく動いて崩れやすい口元と目元は、特に薄く塗るようにすると崩れ予防になりますよ。

 

②スポンジでなじませる

肌が乾燥しやすいときは、化粧水を少し含ませたスポンジで行うと乾きにくくなります。また、化粧くずれが気になるときはスポンジを水に湿らせ、ギュッと絞って水けをきってから使うと崩れにくくなります。

 

顔全体をスポンジで軽くたたいて、下地を密着させます。小鼻、目尻、口角は崩れやすいので、スポンジの角をそっと押しつけるように。

 

ちなみに、夏は特に化粧崩れが気になりますよね。そこで、化粧崩れを防ぐワンポイントアドバイスを。前日の夜に、スポンジに水を含ませてギュッと絞ってから冷蔵庫で冷やしておき、翌朝メイクするときに使ってみてください。ひんやりとお肌を冷やしてくれ、メイク中の汗を防いだり、毛穴がキュッと引き締まる効果が。化粧崩れしにくくなるので、これからの季節におすすめです。

 

ファンデーション選びに、もう迷わない!

「リキッドファンデーション」を選べば間違いない

ファンデーションには本当に種類が豊富なので迷いがちですが、「リキッドファンデーション」を選べば失敗はありません。その理由は、あとで詳しく解説しますね。

 

自分に合った色を選ぶには、“えら”にためし塗りしてみましょう。顔だけでは白すぎることに気づかないし、首だけだと暗すぎることに気づかず、正確な色がわかりにくいんです。頬と首にかけてのエラあたりに塗って、似合う色を確かめましょう。

 

上の写真の場合、左側に塗ったファンデーションは白すぎます。右側のファンデーションをチョイスするのが正解です。

 

色みで迷ったら“暗い色”を選ぶ

白浮きが一番の厚塗り見えと老け見えの原因。迷ったときは暗めの色を選びましょう。自然に見えて、生き生きとした若々しさが生まれます。

 

ファンデーションを塗るときに忘れちゃいけないのは?

①ファンデを極薄に塗る

・ファンデ1回分を手の甲に取る

下地と同じで、ごく少量をミルフィーユ塗りするのがポイントです。薄い層で塗り重ねることを、気になる部分がカバーできるまで繰り返しましょう。

 

・中指と薬指に取り、頬と額に塗る

指先の肌が透けるくらいの少量を中指と薬指に取ります。人差し指は力が入ってしまうので、使わないようにしてくださいね。

 

まずは頬からスタート。中央から真横に広げる感じで、薄く塗り伸ばします。続いて額に進みましょう。額も中央から真横に広げていきます。

 

・中指だけを使って、鼻を塗る

まずは鼻筋からスタートします。小鼻の周りはよれやすいので、なるべく薄く丁寧に。

 

・中指で残りのファンデを口元と目元に塗る

残っているファンデを中指で“ちょん”と取り、口元と目元をそっと触る感じでごく優しく塗っていきます。

 

②目元用ファンデを作って塗る

残ったファンデに美容液か乳液を混ぜると、乾きやすい目元の保湿力がアップします。

 

目元は皮膚が動きやすくてムラになりやすいので、目尻を引き上げながら目の周りをなぞるように塗りましょう。

 

最後に、下地と同様にスポンジでなじませて完成です。

 

メイクのプロが読者からの質問に答えます!

Q:ファンデの種類っていろいろありすぎて選べない…

A:日中の肌を守る保湿力と、ほどよく自然なカバー力があるので、「リキッドファンデ」が断然おすすめ。「パウダーファンデ」は化粧直しで使い、「クリームファンデ」や「クッションファンデ」はなるべく避けましょう。理由は以下のような特徴があるからです。

  • クリームファンデ…しっとり保湿力が高いが、厚づきになりやすく、ムラになりやすい。
  • クッションファンデ…最も便利だが、スポンジを毎日洗うお手入れを怠ると中で雑菌が繁殖しやすいデメリットがある。
  • パウダーファンデ…保湿力が高くないため、化粧直しに使うのがベスト。

 

Q:最近ファンデは使わずBBクリームばかり。これってアリ?

A:BBクリームも時間がないときに助かりますが、油分が多いので化粧崩れやすいデメリットも…。悩んだときには、やはり「リキッドファンデ」がおすすめですよ。

 

Q:シミやクマが目立つときはコンシーラーを使うべき?

A:悩み別に使うアイテムが違うので注意が必要です。シミについてはコンシーラーは使わず、ファンデーションの“ミルフィーユ塗り”でカバーします。いっぽう、クマをカバーする場合は、コンシーラーのほうが自然に補整できます。クマは青黒いので、オレンジのコンシーラーを使うといいですよ。

 

コンシーラーの使い分けについては、

「ベースメイクは〇〇でツヤ命!」予約が取れない人気講師の【30代美人メイクの正解】でも解説していますので、参考にしてくださいね。

 

次回は、ないがしろにされがちだけれど、実は重要な「フェイスパウダーの基本」について解説します!

 

 

 

 

文/福井美余 撮影/千葉太一 モデル/石川理咲子(スペースクラフト)