30代の働くママはとにかく忙しい!しかも、肌の状態も似合うメイクも、20代とは徐々に変わってきています。気づいたら、シワもシミもくすみも気になるし、なんだか目元にハリがなくなって寂しい。どうにかしなきゃ——と薄々危機感を感じているのに、なんとなく見て見ぬフリをしていませんか?

 

でも、生きていれば、年をとっていくのは当たり前。外見が少しずつ変化していっても、女性をキレイに魅せられるとっておきの魔法が“メイク”なんです!

 

今回は、今まで1万人以上の女性を指導してきた“メイクアップ博士”として、悩める30代女性に「年相応の美しさを身につけるノウハウ」をお届けしたいと思います。

 

漠然と続けてきた自己流のスキンケアとメイクを、“もう一度じっくり見直す”特別講座です。1日1テーマに絞って、基本から詳しく解説しますよ!

 

1日目のテーマは「スキンケア」。3年後、10年後も自分らしくキラキラ輝くために、美肌で楽しく暮らす自分でいるために必要不可欠なものです。30代の女性が“これだけは絶対やるべき”スキンケアを紹介します。

 

ぜひ大切にしてほしい3つのルール

スキンケアをするとき、大切なことが3つあります。

 

  • 1:優しい力加減で触れる

肌にとって最大の敵は“摩擦”です。スキンケアのときの力の入れすぎが、くすみや小ジワの原因になることも!優しくと頭ではわかっていても、無意識に力が入ってしまう人が多いので、赤ちゃんに触れるつもりで自分の肌に触れてみてください。

 

  • 2:肌に触れていく順番を守る

顔の中でも、目元と口元は乾燥しやすく、額や鼻はベタつきが気になるなど、場所によって肌の状態は違います。クレンジングや洗顔など汚れを落とすときは、毛穴やベタつきが気になるTゾーンからスタート。化粧水や乳液など保湿をするときは、乾燥や小ジワが気になる目元・口元から、というふうに触れる順番を守ることで、顔全体の肌の調子を整えることができます。

 

  • 3:鏡を最高の味方にする

鏡をよく見ながらスキンケアをしていますか?生理周期などの女性ホルモンのバランスや、睡眠時間に食生活、ストレスなどで、肌の状態は毎日変わります。

 

肌は、自分の体と心の状態のバロメーター。鏡でその日の肌をじっくり見ながら触れることで、今の自分に必要なスキンケアに気づくことができますよ。

 

優しく触れる、順番を守る、よく見る。この3つの心がけが、自分の肌を最高に美しくしてくれる土台になります。

 

30代半ばを過ぎたらクレンジングを変える

クレンジングは「ミルククレンジング」を規定量の2倍使う

大人の肌には負担が少ない「ミルククレンジング」が最適です。量が少ないと、摩擦で肌にダメージを与えてしまいます。たっぷり使って、手と肌が直接触れないようにクッションの役割にしましょう。

 

まずは汚れのたまりやすい小鼻からスタートします。指先を使って小さく円を描くようにくるくる回転させながら額に進みます。

 

額に進んだら、指数本(指の付け根くらいまで)を額にフィットさせて、こめかみに向かって大きく円を描くように動かします。

 

次に頬をクレンジング。まずは、指の付け根くらいまでをフィットさせて、あごから耳たぶの下に向かってくるくると大きな円を描きながら進みます。そのまま、くるくると大きな円を描きながら、耳たぶの下から口角、口角から耳の穴の前、耳の穴の前から小鼻横、小鼻横から耳の付け根の上、耳の付け根の上から鼻柱横と、下から上にジグザグに進みます。

 

最後に乾きやすい口元、目元です。口元は、中央から外側に向かって唇の輪郭に沿って優しくなでるように横方向に動かしましょう。口元が終わったら目元です。上まぶたは目を閉じて、目頭から目尻まで横方向に。下まぶたは目を開けて上を向きながら、目頭から目尻まで横方向に動かします。

 

 

手の力を抜いてケアすることが意外と大切!

赤ちゃんの肌に優しく触れるようにしましょう!とお伝えしましたが、実際にどれくらい力をぬけばいいのか、わからない人も多いと思います。そんなときは、手首をブラブラ振ってから肌に触れてみてください。たった5秒振るだけで肩や手首の余分な力が抜け、ふわっと包み込むように肌に触れることができます。パソコンやスマホで首や肩が凝ると、力が入りやすくなるので、スキンケアの前にぜひ。

 

朝は“拭きとり洗顔”で十分!

洗顔はしない

30代半ばを過ぎたら、クレンジングのあとの洗顔料は、毎日使わないことをおすすめしています。というのも、年齢とともに皮脂が減ってきて、肌が乾燥しやすくなるから。洗顔料を使う場合は、一度のスペシャルケアの感覚で“3日に一度か1週間に一度”を目安にしてみてくださいね。
 

朝は化粧水で拭きとるだけ

寝ている間に、汗と皮脂が混ざった“皮脂膜”が分泌されています。これはいわば、栄養たっぷりの天然のクリーム。朝、洗顔料で顔を洗ってしまうと、せっかくの栄養クリームを洗い流してしまうことに…。

 

30代半ばを過ぎたら、朝はコットンに化粧水を含ませて拭き取るだけの“化粧水洗顔”をしてみてください。余分な汚れだけの取り除いて、肌に必要な潤いと栄養をキープできます。

 

 

やり方は簡単。コットンを中指と薬指で挟み、たっぷりとゆきわたるくらいの化粧水を染み込ませておきます。

 

まずは乾きやすい目元と口元からスタート。コットンを優しく横方向に滑らせます。次に頬を中から外に向かって横方向に滑らせます。続いて、額を中から外に滑らせたら、鼻を縦に優しく拭き取っていきましょう。

 

最後に首を優しく上から下に向かって滑らせます。マッサージ効果もあるので、寝起きの顔のむくみもスッキリしますよ。

 

メイクのプロが読者からの質問に答えます!

Q:アイメイクがキレイに落ちないときはどうしたら?

A:アイメイクがいつものクレンジングで落ちない時は「ポイントメイクリムーバー」を使いましょう。コットンにリムーバーを含ませて、目元に軽くあてます。このとき、すぐに洗い流そうとせず、10秒数えてから横に拭き取ってみて!少し時間をおいてなじませることが、すっきりメイクオフするコツです。

 

化粧水の塗り方にもコツが!

首と顔はつながっているので、首が乾燥してたるむと、顔の肌も引っ張られて、シワやたるみの原因になってしまいます。なので、大人の女性は「鎖骨から上は顔」と考えてください。

①首の後ろから塗る

鎖骨から上全体に塗っていきます。耳たぶやまつげの根元、唇にまでたっぷりと。


②乾きやすい目元、口元を

目元と口元を塗ってから、頬、額と顔を包みこむように、指全体で軽く押さえながら塗りましょう。口元に塗るときは、唇にも化粧水を塗ると縦ジワや皮むけの予防になりますよ。


③最後に鼻を優しく押さえる

そのまま3分放置したあと、化粧水を重ね塗りします。触って肌が吸い付く状態になったらOK!

 

 

乳液の効果を倍増させる塗り方

①化粧水を塗り終わってから3分待つ

時間に余裕のある日は、化粧水を塗ったあと、3分待ってから乳液を塗りましょう。化粧水がよりしっかり浸透しますよ。

 

②化粧水と同様、目と口の周りから

油分が足りないエリアを優先して塗りましょう。量はパッケージに表示されているくらいの量で大丈夫です。

 

 

特に油分が少ない目元は、指先を使って目尻にフィットさせて。上まぶたは目を閉じて、まつ毛のキワまで塗りましょう。

 

目元が終わったら、口元→頬→おでこ→鼻、の順番で化粧水と同じ方法で塗ります。

 

メイクのプロが読者からの質問に答えます!

Q:スキンケアにはコットンを使ったほうがいいの? 

A:特に夜は手でOK。手のひらをくぼませ、500円玉サイズの水たまりができるくらいのたっぷりとした量が適量です。手のひらの温もりが肌に伝わって、血流も良くなって肌に栄養がゆきわたりますよ。

 

 

Q:最近、化粧水をつけたら、しみたりかゆくなることが。どうしたらいいですか?

A:成分にセラミドが入った化粧水を使ってみて。肌を守るバリアの役割を高めて、しみたりかゆくなることを防いでくれますよ。もしくは、油分が多い乳液から使い、次に化粧水を塗るのも手。乳液の油膜のおかげでしみしにくい場合が多いです。

 

Q:アイクリームや美容液は使ったほうがいい?

A:35歳以上は絶対に使うべき!悩みに特化した成分が入っているので、普通のクリームとは似て非なるもの。たとえばアイクリームは、油分もハリを与える成分の量も普通のクリームと圧倒的に違うので、小ジワや目元のクスミの改善に特に効果的です。

 

目尻側に塗る人が多いのですが、目頭が忘れられがち。意外と目頭周辺にもシワができやすいので、忘れないで塗ってください。指で鼻を挟むようにすると目頭まできちんと塗れますよ。

 

次回は、30代の女性の肌に透明感を与えてくれる「ベースメイクの基本」について解説します!

 

 

 

 

文/福井美余 撮影/千葉太一 モデル/石川理咲子(スペースクラフト)