5月25日、新型コロナ対策の緊急事態宣言が約1カ月半ぶりに解除されました。とはいえ、休校・休園はいまだに続いている地域も。子どものお世話や勉強の管理、家事をこなしながらの在宅勤務の日々に、子育て家庭からは「もう限界…!」という声も聞こえてきます。

 

家庭という狭い空間で、長時間家族が一緒に過ごしたステイホーム期間。この自粛期間中、働くママたちは何を感じ考えたのでしょうか。

在宅でも激務な夫。仕事量を調整するのは結局私…

都内近郊に家族3人で暮らし、共働きで小学1年生の娘さんを育てている会社員の岬千里さん(仮名)。夫が激務のため平常時からワンオペ育児をしていた千里さんですが、コロナ禍で子ども関連の負担が激増し、千里さんに重くのしかかってきたそうです。

 

「夫婦ともに在宅勤務に切り替わったのですが、普段から激務の夫は寝室にこもって10~19時過ぎまでほぼノンストップで終日オンライン会議。1日10本くらいやってるのかな。だから子どもの学校課題に向き合うのも、教材受け取りや習いごとに行くのも、学校からの更新情報を把握をするのも、娘の『あれやりたい』『これやって』に対応するのも、すべて私だけ。

 

子どもを待たせて在宅で仕事をしていますが、子どもにも我慢の限界がある。15時頃にはどうしたって仕事を切り上げざるをえないんです。家事・育児・仕事が地続きになっている状態では、結局私が自分の仕事時間を削るしかないのが実情です」

 

緊急事態宣言の3週目には、さすがに疲れが出てきてストレスが爆発。溜まりに溜まっていた不満を夫にぶつけ、子どもを置いて、岬さんは近所の公園に“家出”したそうです。

 

「『未曾有の事態なのに「俺、仕事詰まっててできない」って何で自分だけ“お先に失礼”的な態度取ってんの? 対話しろ! 私が全部やるのが当たり前だと思うな! こっちも仕事してるんだ! いつもより負担が増えているのわかってんの!?』と不満を全部夫にバーッとにぶちまけて。平常時から抱えていた問題が、露骨に表れた感じはありますね」

 

「お母さん、帰ってきて」と娘から泣きながら電話がかかってきたのをきっかけに、家出はわずか3時間ほどで終了。とはいえ、変化はありました。

 

「夫もきちんと謝ってくれて、連休明けからは子どもと遊ぶ時間や買い出しなどを手伝ってくれるようになりました。ほんの少しですが、進歩はあったかな」

 

夫婦でフェアに家事育児の分担ができれば苦労はない、と岬さんはため息をつきます。

 

「在宅勤務で家事育児をこなす秘訣、というネットの記事を読んだら、“子どもの面倒や食事の準備は夫婦交替でしましょう”と書いてあって即閉じました(笑)。そう簡単にはフェアにできない現実が目の前にあるから、しんどいんです」