普段から日常的に口にする言葉でも、上司などに使うと“マナー違反”になってしまうかもしれません。「なるほど」という相槌も目上の人に使うべきではないと言われていますが、そんなマナーに疑問を呈する人も少なくないようです。

「なるほど」で上司に注意されてしまうことも…

以前ネット上に投稿されたのは、会社の上司から言葉遣いを注意されたというビジネスパーソンのエピソード。彼は上司からの指示を受けていた際に何気なく「なるほど」と返したところ、「上司に向かって『なるほど』って言葉は普通使わないよ」と指摘されたそうです。

 

確かに普段はあまり意識しませんが、「なるほど」という言葉は上から目線だと見られかねないため、ビジネスシーンでは使用を避ける人も。同じように上司から指摘される人は少なくないようで、「自分も上司から似たようなことを言われた。正直、社会に出るまで『なるほど』が失礼に当たるなんて知らなかったな…」「営業職ってこともあって、一番最初に注意されたのが『なるほど』だった」という声が寄せられていました。

 

また初めて「なるほど」に関するマナーを知った人からは、「言われてみれば『なるほど』って、上から何かを評価している感じがする」「なんか砕けた印象の言葉だし、前から使わないようにしてたけど正解だったのか」との声も。「なるほど」がマナー違反であることについて、納得する人も少なくないようでした。

「なるほど」って本当にマナー違反?疑問の声も

しかし一方で、「なるほど」についての上司側の声を見てみると、「実際のところそこまで気にならない」という意見が。「世間的には“マナー違反”ってされてるみたいだけど、『なるほど』と言われたからってそこまで不快にならなくない?」「自分も最近知ったくらいだし、部下が『なるほど』って言ったくらいじゃ怒らないな」といった書き込みも数多く見かけました。

 

そのほか、「言葉のニュアンスって時代によって移り変わるものだし、最近はそんなに『失礼』だと思われないのでは?」との指摘も。

 

実際に「なるほど」を上司に対して日常的に使っている職場もあるようで、「うちの会社では、みんな上司にも『なるほど』って相槌を打っているけど、本当にマナー違反なの?」「『なるほどって言ったな?マナー違反だぞ!』みたいな〝言葉狩り〟する人はうちの職場にいない。そんなことより仕事ができるかどうかのほうが大事でしょ」との声が上がっています。

「了解」や「もしもし」もマナー違反?

“ビジネスで避けたい言葉”として挙げられがちなワードには、ほかにどのようなものがあるのでしょうか。

 

例えば、日常的によく使う「了解」も、上司に使うとマナー違反になってしまう言葉として有名。基本的には「承知しました」と言った方が適切とされていますが、こちらも「実際に『承知』って言う人なんて見たことがない」「昔テレビで見たので、上司に『承知しました』って言ったら笑われた」などと疑問視されることが多い印象です。

 

また、ネット上では、「電話をする時によく使う『もしもし』って、ビジネスシーンでは使っちゃダメって聞いたことがある」との声が寄せられていました。「もしもし」は「申す申す」が変化した言葉という説があるため、「上から目線」として捉えられることも。しかし中には、「『もしもし』が電話で使えないと、何から話し始めていいかわからない」「電話対応の仕事をやってるけど、普通に『もしもし』を使ってるよ」という人もいるようです。

 

そのほかには「上司から『ありがとう』って言われた時に、『どういたしまして』って返すのもマナー違反らしい」「かなり有名だけど、『ご苦労様です』は目上の人が使う言葉って教わった。あと『お疲れ様です』もダメって聞いたけど、本当なんだろうか…」といった声も寄せられていました。

 

気にするかどうかは人によりますが、知識として知っておいて損はないかもしれません。時代にそぐわないマナーと思えても、ときには重視する人もいるものです。時と場合によって、臨機応変に使い分けられるといいですね。

 

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文/古山翔