一般的に女児の「乳房」は思春期頃から発達し始め、10代後半~20代前半頃にだいたいの大きさが決まります。しかし、乳幼児期に胸が大きくなったら…何か悪い病気なのかと不安になることでしょう。 でも実は、乳幼児期に胸が大きくなるのは決して珍しいことではありません。今回は「早発乳房」について詳しく解説します。

子どもの早発乳房とは?

 

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「早発乳房」とは、02歳頃の女児の乳腺が発達し、胸が大きくなる状態のことをさします。通常は両方の胸が大きくなりますが、なかには片方の胸のみが大きくなるケースもあります。 「赤ちゃんの胸が大きくなるの?」と驚かれる方も多いでしょう。ですが、10万人あたり40人ほどの女児が発症するとされており、決して珍しいものではありません。 「胸が大きくなる」といっても、早期乳房の場合、成人女性の方に大きな膨らみになるわけではなく「やや胸が出っ張る」という状態。 基本的には胸の膨らみがさらに大きくなることはなく、多くは23年ほどで自然に正常な状態に戻るため、治療の必要はないとされています。

早発乳房の原因はわかっていない

 

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早発乳房は比較的よく見られる病気のひとつですが、明確な発症メカニズムは解明されていないのが現状です。 乳腺は思春期になって女性ホルモンの分泌が増えると発達していきますが、早発乳房の子のホルモン値を調べても異常は見られません。 そのため、早発乳房はホルモン値検査では異常が見つからないような、ごく一時的な女性ホルモンの分泌増加や、女性ホルモンに対して乳腺が過剰に反応していることなどが原因との説もあります。