赤ちゃんがハイハイや伝い歩きを始めると、これまで手の届かなかった場所や行けなかった場所に行けるようになり、転落などの危険が高まります。
赤ちゃんの安全のため、階段の上下や部屋の出入り口などに「ベビーゲート」の設置を考え始めるママ・パパも多いことでしょう。
そこで今回は、ベビーゲートのタイプや基礎知識、実際に使ってみた先輩ママの声、設置する上での注意点などについて解説します。
「ベビーゲート」とは?「ベビーサークル」とどう違う
「ベビーゲート」は、赤ちゃんが階上階下・ベランダ・台所・玄関など、危険な場所に近づかないように家の中に設置する「柵」のこと。
子どもが成長すると必要なくなるため、基本的には数年間だけ取り付けて使用するものです。
市販のベビーゲートにはいくつかのタイプがあります。商品によっては「ベビーフェンス」という名称で売られていることもあります。
- 固定式(ねじ等で壁や柱に取り付けるもの)
- 突っ張り式(上下2本の突っ張りポールとメッシュや樹脂のスクリーンでできたもの)
- 巻き取り式(両端にポールを取り付け、片側に収納されているシートを引き出して閉めるもの)
- 自立式(倒れにくいスタンド式で置くだけのもの)
大人が通る時は、ドアのように開閉できるものと、またぎ越すタイプがありますが、後者は大人でも転ぶ可能性がありますので高さや設置場所には注意が必要です。
そのほか、似た名前の商品に「ベビーサークル」がありますが、こちらは赤ちゃんのお昼寝や遊びのスペースをぐるりと囲むように柵を設置するもの。
寝返りを始めた赤ちゃんが部屋の中で家具や暖房器具にぶつかったり、布団で寝ている赤ちゃんを上の子やペットが踏んでしまったりしないために使用します。
階段上で使用可能かどうか確かめて
一戸建ての住宅で一番ベビーゲートの必要性がある場所といえばやはり「階段」。
おもに1階で過ごす家庭では、階段下につけて赤ちゃんが上っていかないように、2階にいることが多いなら階段上に設置することが多いでしょう。
3階建ての2階がリビングや居室という場合は、ベビーゲートを2つ用意する必要が出てくることも。
製品により「階段上には使用できません」というものもありますので、購入前には必ず確認しましょう。
また、盲点となりがちなのが階段の「手すり」。
「設置予定箇所に手すりがあって、一番気に入っていたシンプルなデザインのベビーゲートが合わないことが発覚。泣く泣くあきらめました」(Aさん・29歳・0歳児のママ)
という体験談もあります。買う前にチェックしておきたいですね。
手作りベビーゲートは危険?
市販のベビーゲートの価格は、安価なもので3000円程度から、多機能で高価なものは1万5000円以上するものもあります。
いくつも設置しようと思うとかなりの金額になるため、ホームセンターなどで材料を買って手作り(DIY)した人や、自宅にぴったりのサイズが見つからないので手作りを検討したという人もいます。
ただし、お風呂場や階段など、もし外れてしまったら赤ちゃんの生命に関わるような場所は、万が一のことを考えて手作りは避け、安全基準をクリアした市販品を設置するべきでしょう。
リビングの入り口に自作のベビーゲートを設置したというMさん(32歳・1歳児のママ)は、マイホーム建築時に、趣味が高じてDIY系の資格を取ったそうです。
「安全でなければ絶対にダメなので、蝶番とネジでしっかり柱に留め付け、”背の低いドア”というレベルの強度にしました。当然、柱にはがっつり穴が空いています。壁や柱を傷つけたくない、でも買うと高いから…という感じで、階段の上に適当なつっぱりポールなどをゲート代わりにするのは危険だと思います」
手作りベビーゲートを使うなら、赤ちゃんがテレビに近付きすぎるのを防ぎたいなど、平らな場所で、万が一開いてしまっても危険がない場面にとどめるべきでしょう。
8か月のお子さんがいるRさん(30歳)は、牛乳パックをガムテープでつなげて赤ちゃんの顔だけが見えるくらいの高さにし、簡易的なゲートを作ったといいます。
「後追いがすごくて、トイレに入っていてもドアの前で大泣き。一度、ドアにすがりついたあとゴン!と倒れる音がして慌てたので、トイレの入口にこのゲートを置いて、ドアは開けたまま、娘の様子を見ながら用を足しています。なんともいえない気分ですが(笑)」
家中にいくつもベビーゲートを置く予算がない、使い勝手がいいか心配…という場合は、レンタルを利用してみるのも手ですね。
ベビーゲートはこんな点にも注意!
壁などに固定せず床に置くだけの自立式ベビーゲートは、動きにつれて床に傷がついたり、すべり止めのゴムが黒く床に色移りするというママの声もありました。
突っ張り棒タイプのベビーゲートは、使用しているうちに突っ張りがゆるんでくる可能性があるので、説明書に従って定期的に締め直しましょう。
上の子がいる場合、開閉式のベビーゲートは、うっかり開けっ放しにしたり、上手に操作できずに完全に閉まらなかったり…という可能性が高まります。使用する場合はできるだけ操作の分かりやすい製品を選び、事前に練習しておくのがおすすめです。
おわりに
ベビーゲートは、危ない箇所が多くなりがちな日本の住宅事情の中で赤ちゃんの安全を守ってくれる頼もしい存在。
いずれのタイプを選ぶときも、必ず使える場所・使えない場所や対象年齢などを確認し、定期的に点検して安全に使って下さいね。