2020年4月。各地の学校では新学期が始まりましたが、政府が緊急事態宣言の対象とした東京や大阪など7都府県では、多くの学校でGW明けまでの休校が続いています。

 

いっぽう、それ以外の地域では引き続き休校する学校もあれば、限定的に再開・通常通り再開など、自治体の判断に任されている状態です。

 

分かれる対応に、保護者のあいだでは「学校に行かせて新型コロナウイルスに感染しないのか」「学習に格差が出るのでは」という不安の声も広がっています。

 

学校再開はいつから?2020年4月の状況

文部科学省は、春休み終了目前の2020年4月6日時点で全国の小中高が新学期の学校再開をどのように予定しているか取りまとめた資料を発表しました。

 

新型コロナウイルス感染症対策に関する学校の新学期開始状況等について

」(4月6日時点)

 

これによると、東京や大阪など政府の緊急事態宣言の対象となった7都府県では、「予定通り再開」と回答した公立の小中高校は11%と少数でした。

 

一方、7都府県以外では、85%が「予定通り再開」と答えていて、かなりの差がみられます。

 

上記は、7日夜に政府の「緊急事態宣言」が出される前のデータなので、その後「始業式と新クラスの顔合わせや連絡のみ行い、翌日から休校」などに変更した学校もありますが、現在、感染者が少ないとみられている自治体では予定通り授業を始める学校もあります。

 

その理由として、岡山市のホームぺージを例に見てみると

 

(1) 現在の岡山市では感染者が6名、うち感染経路不明の方が1名であり、市内で蔓延しているわけではない。岡山市は国の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議が定義する地域区分で「感染確認地域」に該当し、「3密を徹底的に回避する対策をしたうえで、感染拡大のリスクの低い活動については、実施する」とされている。

 

(2) 全国の感染状況をみると、これから岡山でもこの感染が拡大する可能性を否定できない。今後、各学校が臨時休校になることも想定して、学校内での適切な指導や相談しやすい関係を今、講じていかなければならない。したがって、学校を再開し、担任と児童生徒がお互いを確認しあい、学校、学年、学級の組織づくりを行う必要がある。

と、感染対策を徹底したうえで、今後の感染拡大に備え今できることを進めておくべきだから、というスタンスを取っているようです。

 

また緊急事態宣言の対象となっている埼玉県では、休校は継続するものの、学習支援や健康確認のために何度か登校日を設けたり、子どもたちの運動不足やストレス解消のため校庭を開放するなどの施策をとっています。

 

マスクなしでも登校OK?体調が悪い時は?

休校や学校再開について、保護者の立場からは気になることがたくさんあります。

 

文部科学省ではインターネットを通じて疑問に答えるQ&Aページを用意しています。

 

学校再開に関するQ&A(子供たち、保護者、一般の方へ)

 

例えば、「マスクが売り切れで買えないんだけど、マスクなしで登校してもいい?」という疑問には、

 

基本的な考え方として、学校において、子供たちの間に十分な距離があり、かつ、換気を適切に行っている室内や屋外である場合には、マスクの着用は必ずしも必要ではありません。 一方で、例えば教室において、子供たちの間に十分な座席の距離が取りにくく、近距離での会話が必要な場合には、適切に換気を実施した上で、マスクを着用することが望ましいと考えられます。

 

と、「教室では基本的に必要」としたうえで、裁縫なしでも手作りできるマスクの作り方などを紹介しています。

 

また、「子どもが風邪を引いたかも」という場合は、万が一新型コロナウイルスだったときのことを考えて登校しないようにとし、「風邪の症状により登校しなかった場合でも、学校を欠席したという扱いにはなりません」と書いています。

 

自主休校したら出席日数や成績はどうなるのか

「学校は再開したけど、うちにはおじいちゃんがいるから、子どもが学校で感染してうつしてしまうと心配…」

 

と、登校させるのをためらう人もいるでしょう。

 

「でも、休校でないのに自主休校させたら欠席扱いになって、成績に悪影響があるのでは?」という点も気になると思います。

 

これに関しては、上で紹介した岡山市のほか、青森県でも保護者宛に以下のような通知がされています。

 

保護者の方から感染が心配で登校させたくないなどの相談がある場合は、学校長の判断により出席停止とした上で必要な学習支援を行うなど、児童生徒に不利益が生じないよう配慮して参ります。

 

他の自治体もおおむね上のような対応で、休ませたとしても出席日数に直接影響することはなさそうです。

 

とはいえ、教室で先生の授業を受けるのと、プリントなどで家で学ぶのとでは若干理解度が変わる可能性もありますし、子どもが「みんな学校に行ってるよ、私も行って友だちに会いたい」と言い出すかもしれません。

 

学校再開後に自主休校させる場合、子どもが納得するまでしっかりと話し合うことや、学習面でも親のサポートが欠かせなくなりそうです。

 

おわりに

この記事では、2020年4月8日時点での学校再開に関する情報をまとめました。

 

今後も刻一刻と状況が変わることが予想されますので、文部科学省や各都道府県からの正式な情報と、通っている学校からのお知らせプリントやメールなどをこまめにチェックしておくことが必要です。

 

文/高谷みえこ

参考/文部科学省「新型コロナウイルス感染症対策に関する学校の新学期開始状況等について」https://www.mext.go.jp/content/20200407-mxt_kouhou01-000006421_1.pdf

「学校再開に関するQ&A(子供たち、保護者、一般の方へ)」https://www.mext.go.jp/a_menu/coronavirus/mext_00003.html

岡山市「学校再開について」の岡山市の考え(令和2年4月6日)http://www.city.okayama.jp/kyouiku/shidou/shidou_t00012.html

青森県教育委員会「児童生徒・保護者の皆さんへ」https://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/kyoiku/e-seisaku/files/kyouiku_message.pdf