就職活動や転職活動をするうえで避けては通れない「面接」。
新卒採用の際に面接を経験したという方もいると思いますが、細かいマナーについては忘れてしまっているという方も多いのではないでしょうか?
せっかくエントリーシートや筆記試験をクリアしたのに、面接でのささいなふるまいが理由で落とされてしまってはもったいないですよね。
そこで、今回は面接の基本的なマナーについてまとめてみました!
面接のマナー1:清潔感のある服装がマスト
第一印象が非常に重要な面接では、服装や髪型などに気を遣いましょう。高級な服を着ていても TPO に合ったものでなければ意味がありません。
面接官に「しっかりしていそうな人だ」「この人と一緒に働きたい」という第一印象を与えらるかどうかが、合否に大きく関わります。
面接時の服装のポイントを一言で表すならば、「清潔感」。
色・デザインなどすべて、清潔感があることを優先して服を選びましょう。
また、「あなたの個性を見たいので、必ず私服で来てください」というような指定がされていない場合、スーツを着ていくのが無難です。
スーツならなんでもいいわけではない
端的に清潔感と真面目さをアピールでいる服といえばスーツです。確かに、スーツはどんな職種にも通用する万能のアイテムですが、次のようなスーツは面接には適していません。
①入学式、卒業式用スーツ
入学式、卒業式用に販売されているスーツで、カラフルなものやデザイン性の高いもの、スカート丈の短いものなどは面接に不向きです。パステルカラーのスーツも、面接には避けた方が無難です。
ダークカラーでシンプルなデザインのものならば、中に着るもの次第で面接に着ていくこともできます。
②学生時代の就職活動スーツ
まだ着られるからといって、学生時代の就職活動そのままの格好で面接に行くのはやめましょう。
同じ黒のスーツでも、リクルートスーツはすぐにそれだとわかってしまいます。
もし学生時代の就活スーツを使うならば、ブラウスやカットソーなど合わせるものをアレンジして、「学生時代そのまま」に見えない工夫をしましょう。
服装で個性をアピールするのはおすすめできない
明るさややる気をアピールしようとして派手な色や、華美なデザインの服装にするのはNGです。また、露出の多いものは面接にふさわしくありません。
面接時の服装を選ぶ際には、次のポイントを押さえておくといいでしょう。
- メインはダークカラーがおすすめ
- カラーは全身で2~3色まで
- デザインは「キレイに見える」をポイントに選ぶ
- 柄ものは避けた方が無難
「きれいめ」な色やデザインを選べば悪目立ちをすることはないと思いますが、フェミニンなデザインが好きな人はいくつか気をつけたいポイントがあります。
例えば、フリルやレースのついたブラウス、ふんわりと広がるフレアスカートなどは、「きれいめ」アイテムではあるものの加減を間違えると、ガーリーすぎる印象を与えてしまうことも。
また、上記のポイントを押さえれば、必ずしもスーツである必要はありません。スカートにジャケットなどの羽織りものを合わせてもいいですし、アンサンブルやセットアップなども選択肢にいれていいでしょう。
面接のマナー2:メイクは「盛る」のではなく「整える」
面接時のメイクは、ナチュラルなメイクがおすすめです。少しでも印象をよくしようと盛りすぎてしまうと、相手に派手な印象を与えてしまいTPOが理解できていないという評価が下されてしまうことも。
肌を丁寧に整える
くすみや肌荒れなど、どうしても避けられない肌トラブル。しかし、そのままにしておくと不健康で疲れた印象を与えてしまうかもしれません。
採用する側の目には、不健康そうな人よりも明るくはつらつとした人の方が好印象に映ります。
だからこそ、アイシャドウに時間をかけてグラデーションを作ったり、マスカラをたっぷり塗ったりするよりも、健康的な肌を作ることを優先しましょう。
ポイントは「やりすぎないこと」です。例えば、むらなく均一に塗るのがセオリーと言われているファンデーションも、全体にべたーっと塗ってしまうのはNG。カバーしたいところにはしっかりと、その周辺はあっさりと塗ることで、全体として見たときにキレイに見えます。
面接のマナー3:会場には早めに向かう
遅刻は社会人として絶対避けるべきこと。面接においても同じです。
会場には集合時間の15分前までに到着するようにしましょう。余裕を持って到着できるようにスケジュールを組んでおけば、電車の遅れなどが発生しても、遅刻せずに現地に到着できます。
また、時間に余裕があると到着後にトイレに行って身だしなみを確認したり、面接で話しておきたいことを整理したりできますし、気持ちにも余裕がでます。
一点注意したいのは、受付。早く現地に到着したからといって、受付の準備ができているとは限りません。その場合は受付開始時間までは待つようにしましょう。
スマホで待ち時間を潰すのはNG
面接前に時間があると携帯電話を見て時間を潰すことがあると思いますが、面接前には必ず電源をオフにするかサイレントモードにします。マナーモードでも音が鳴らなくなりますが、着信があるとバイブ音が続いてしまって耳障りになります。
また、面接中に電話がかかってくることで自分自身が集中できなくなってしまう可能性がありますので、携帯電話は面接の前に電源オフにするのが無難です。
面接のマナー4:受付や控室での振る舞いにも注意
面接では、受付や控室での振る舞いもチェックされていることがあります。
訪問先の会社に入った瞬間から面接だと思い、気を引き締めておくようにしましょう。
受付では時間と名前を伝える
受付ではまず挨拶をし、面接時間と氏名を伝えます。また、受付番号や受験者番号のようなものがある場合は、それもあわせて伝えましょう。
「採用担当の○○様をお取次ぎをいただけますでしょうか」というように受付担当の人に伝えます。
冬場や春先など、コートを着ていることもあるでしょう。その場合、受付前にコートを脱いでおくようにします。
控室では下座に座る
控室に案内されたときに困るのが、どの席に座ればいいかという問題。
席が複数ある場合は、部屋の入り口から最も近い場所にある下座の席に座るのが無難です。受付係から上座の席に座るよう促されても、丁寧にお断りして下座に座りましょう。
ただし、席が指定されいることもあります。その場合は案内係の人の指示に従い、指定された席に座れば問題ありません。
面接のマナー5:入室の時はとにかく落ち着くことが大切
面接の部屋に入る際はノックを3回して、「どうぞ」「お入りください」という返事のあとに、「失礼します」と断ってから入室します。
入室したらドアを両手で閉めましょう。面接官に背中を向けるのは失礼とするマナー教本などもありますが、片手で乱暴に閉める方が失礼です。振り返ってもいいので、落ち着いてドアを閉めましょう。
部屋に入ったら用意されている椅子の前か横に立ちます。「よろしくお願いします」と言って一礼し、座るように促されたら着席しましょう。
荷物は足元に置くのが基本ですが、立てて置けないバッグの場合は椅子の横に立てかけて、コートは足元に置いたバッグの上、もしくは二つ折りにして椅子の背もたれにかけます。
面接のマナー6:挨拶とお礼はしっかり
面接が始まったら、まず、面接のための時間を取ってもらったことに対するお礼を述べられるとスマート。
「お忙しい中面接機会をいただきまして、誠にありがとうございます」というように、感謝の言葉を前もって考えておくとよいですね。
最初に感謝の気持ちを伝えられると、業務で忙しい中で応募者の面接をしている採用担当者の方にも印象が良くなります。伝えておいて損はないはずです。
面接中はハキハキと話すことが何より重要
面接では自己紹介、自己 PR、 質疑応答など、発言する機会がたくさんあります。その際は、面接官の目を見て、ハキハキと話すようにしましょう。
目をそらしながら話すようだと緊張が伝わってしまい、「自信のない人」という印象になってしまいます。落ち着いて語尾をはっきりと話すよう意識するだけで自信があるように見えるので、特に意識しましょう。
面接の最中は緊張してしまって、言葉に詰まってしまうことなどもあるでしょう。早く言葉を繋げなくてはと思い、焦ってもごもごと喋ってしまうとかえって印象が悪くなります。言葉に詰まってしまったときは「失礼いたしました」などと一声かけ、一度深呼吸をして落ち着いてから、話を再開するのがおすすめです。
面接官への質問は事前に用意しておく
会社にもよりますが、面接の終盤に面接官への質問の時間が設けられていることがあります。
当日の面接のなかで疑問に思ったことを尋ねてもいいですが、事前に準備しておくと当日焦らずに済みます。面接までにしっかりと企業研究をして、いくつか質問を用意しておくと安心です。
退席するときはきちんとお礼を伝える
退席する際は、入室するときとと同じように、面接する時間を取ってもらえたことについてのお礼を述べます。
「本日はお忙しいところ、貴重なお時間をいただき誠にありがとうございました」など、シンプルにお礼を伝えればOKです。
面接が終わって立ち上がったら、ありがとうございますと挨拶をして一礼します。部屋を出る際は、「失礼しました」と一言いってから一礼します。もしもエレベーターまで見送りがあったら、お礼をいってエレベーターに乗ります。ドアが閉まる前にもう一度一礼しましょう。
冬場のコートは採用担当者の姿が見えなくなってから着ます。
面接では“きちんとした”姿を見せよう
就職活動や転職活動をしていく中で、最も緊張する瞬間が面接ではないでしょうか。
短い時間の中で自分の人柄を知ってもらうということは簡単なことではありません。だからこそ、服装や挨拶などのマナーには気をつけたいところ。
のちのち「あのときもう少し丁寧に挨拶をしていれば…」「悪目立ちする服を着なければよかった…」と後悔することがないように、この記事を参考に面接の準備をしてみてください。
文/佐藤仁美