「赤ちゃんできたかも?」「妊娠検査薬で陽性が出たけど、すぐに産婦人科に行くべき?」今回は、産婦人科の初診はいつ頃に行くべきなのか迷っている人のため、時期の目安や気をつける点などを解説します。

まずは妊娠検査薬で確認を

生理が遅れている人や、基礎体温を測っている人は「高温期が続いている」などのサインで「妊娠したかも?」と気付いたら、できるだけ早く診察を受けるのが良いとされています。

 

特に、職場で受動喫煙の可能性があったり、風邪のシーズンで市販薬を飲む可能性が高いなどの場合、妊娠が早く分かっていればそれだけリスクを低くできます。

 

そのような心配が少なく、仕事も急に休めない…といった場合でも、まずは妊娠検査薬で確認だけでもしておきましょう。

 

中には、まれですが想像妊娠というケースも考えられます。

 

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検査薬で陽性反応が出れば早期に受診、そうでなければ、飲酒や服薬等を控え体調に気をつけながら少し様子を見る…という選択肢もあります。

産婦人科初診の目安は何週目までがベスト?

早く妊娠を確認したいという希望があり、生理の予定日前後に受診したというNさん(29歳・第一子妊娠中)は、次のように話します。

 

「生理予定日当日に妊娠検査薬で陽性になったので、すぐに受診したのですが、最低でも5週目に入らないと胎嚢(赤ちゃんの入っている袋)も見えないということで…早すぎましたかね。1週間から10日後に生理が来なければもう一度来てくださいと言われ、10日後に再受診した時は、赤ちゃんの心音も確認できて一安心でした。費用がちょっと余計にかかってしまいましたがご愛嬌ということで」

 

複数の産婦人科のホームページ等で確認したところ、出産する予定の医院へ直接受診する場合、妊娠8週目(最終月経開始目から数えて8週間後)までにお越しくださいという記載が多く見られます。

 

自宅や職場近くの産婦人科からの紹介状が必要な大きな病院では、妊娠が確認できたうえで妊娠10週目までに紹介が必要と記載されていることが多いようです。

 

いずれにしても、子宮外妊娠などの異常があった場合は早い対処が必要ですし、同じ予定日での予約人数には限りがあるため、あまり初診が遅いと希望の産院で分娩予約が取れない可能性もあります。

 

早くて5週目(最終月経開始日の5週間後)、遅くとも9週目までには受診するのが一応の目安といえるでしょう。

初診の費用はどのくらいかかる?

妊婦検診には健康保険が適用されないため、費用は自己負担となります。

 

ただし、産婦人科で赤ちゃんの心音が確認できれば市町村から母子手帳が交付され、以降の検診費用の一部が助成券でまかなわれます。

 

しかし、初診時にはまだ母子手帳がないため全額自己負担となり、およそ5000~2万円ほどかかるケースが大半。

 

前述のNさんのように初診で赤ちゃんの心音が確認できないと、1~2週間あけて再度超音波検査が必要になり、その時点ではまだ母子手帳はないため、プラス3000~5000円程度が必要となります。

 

また「特定機能病院」「地域医療支援病院(一般病床500床以上)」での紹介状のない初診も、さらに3000~5000円程度の加算がありますので計算にいれておきましょう。

 

合計でいくらくらい持参すればいいのか、カードは使えるのかなど、心配な場合は事前に産婦人科のホームページで確認するか、電話で問い合わせればおおよその金額を教えてもらえます。

初診時の持ち物や服装

初診時に必要なのは以下のようなもの。

 

  • 健康保険証
  • 最終月経の開始日/妊娠検査薬の陽性反応/基礎体温表などの記録
  • お薬手帳
  • 生理用ナプキン(内診時、軽く出血することがあるため)

 

服装はワンピースやスカートなど、下着を脱いでも下半身が丸見えにならない服装の方が安心ですね。

 

また、初診で妊娠が確認できればその足で母子手帳を受け取りに行きたい…という場合は、写真入りの本人確認書類や印鑑(自治体により若干異なります)も一緒に持っていくと手続きがスムーズです。

初診時に気をつけること

産婦人科によって、完全予約制のところもあれば、予約なし当日受付のみのこともあります。

 

「つわりが出始めた時期に、2~3時間も待合室で座っていたら気分が悪くなってしまった」 「半休を取ったものの待ち時間が長く、午後にずれ込み出直しになってしまった」

 

などの事態を避けるには、通常の待ち時間がどの程度なのか問い合わせておくと参考になるでしょう。

 

また、上の子がいるママは、産婦人科によって上の子が同伴禁止の場合があります。

 

仕事の休みの申請や上の子を預かってもらう段取りなどは、当日になってからでは間に合わないため、事前に産婦人科のホームページや電話で確認しておきましょう。

 

妊婦検診時のエピソードにとしてはこんな話も。

 

「初診時に尿検査があったのですが、自宅が近いため、出かけるまでに済ませてきてしまい、1滴も出ないという事態に…!急いで水分を取り、20分ほど待ってもらいました。ギリギリにトイレに行くのも要注意ですね」(Jさん・31歳・0歳児のママ)

おわりに

初診の時期としてベストなのは、一般的には妊娠5週目~8週目(最終月経開始日から数えて)あたりですが、体調や職場・家庭環境などに不安がある場合は、近日中に再受診の可能性も含め、早めに受診するのも選択肢の1つといえます。

 

妊娠を考えている人は、前もって通院圏内の産院の情報をチェックしておくと、いざという時の判断の助けになりそうですね。

 

文/高谷みえこ

参考/日本産婦人科医会「5.<産科一般超音波検査・初期編>正常所見4-7週」 https://www.jaog.or.jp/lecture/5-%EF%BC%9C%E7%94%A3%E7%A7%91%E4%B8%80%E8%88%AC%E8%B6%85%E9%9F%B3%E6%B3%A2%E6%A4%9C%E6%9F%BB%E3%83%BB%E5%88%9D%E6%9C%9F%E7%B7%A8%EF%BC%9E/
信州大学産科婦人科学教室「あれ、妊娠かな?と思ったら」http://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/medicine/chair/i-sanfu/consultation/page02.html
北里病院「産婦人科自費料金表」https://www.kitasato-u.ac.jp/kmc-hp/section/div-sinryou/sanfujin/download/expense.pdf