部署やチームを異動することが決まったなら、みなさんは何をしますか?
デスクを移動するための片づけや、名刺の発注など、やることはいろいろあります。 しかし、まずはお世話になった方々へあいさつのメールを送る必要があります。
では、異動のあいさつをメールで行うときには、どんなことに注意すればいいのでしょうか? 文例と併せてご紹介したいと思います。
まずは押さえておきたい異動挨拶メールの基本
最後にきちんと挨拶をすることは、そのあとの良好な人間関係の維持にもつながります。お世話になった誰にとっても不快感のない、丁寧な挨拶をすることはビジネスシーンにおいても必要不可欠なことだといえます。
では異動挨拶メールを送るうえでの基本についてご紹介していきましょう。
異動する2〜3日前までにはメールする
メールを送るタイミングは、遅くとも異動する2~3日前までには送信しましょう。
日頃から頻繁にやり取りをしてる方へはできるだけ早く伝えます。 引継ぎや後任者の紹介をする場合もあるので、業務に差し支えないよう早めの連絡が必要です。
ただし、社内規定などで口外ができない場合などは上司と相談して決めた方がいいでしょう。
また、異動挨拶のメールには返信するのがマナーとされています。 そのため移動当日の終業間際など、相手に返信の機会を与えないタイミングでのメールは絶対に避けましょう。
せっかくなのでちゃんと挨拶をしたいと思っていたり、何か聞きたい事があっても対応できなくなってしまうのはあまり気持ちのいいものではありませんよね。
「お世話になった人」はどの範囲まで?
お世話になった人を「仕事上で関わった人すべて」と考えると、非常に多くの人が思い浮かぶかもしれません。 その中には1~2度くらいしかかかわったことのない人や、あまり気の合わない人もいるでしょう。
しかし挨拶をされて嫌だと思う人はそういるものではありません。 「メールを送るかどうか迷うな…」という人には送っておくとよいでしょう。
もし送信相手に優先順位をつけるなら、同じ部署の全員、そして取引先の担当者を最優先に。 また、個別のお客様がいる場合も早めにお伝えしましょう。
同じ部署のメンバーには直接挨拶をしたほうが丁寧ですが、人数が多かったり、メンバーが同じ社内にいないこともあります。 同僚ならいつでもあいさつできるから…と優先順位を下げてしまいがちですが、きちんとあいさつできるといいですね。
BCCは使っていいの?
異動のメールは大人数に送ることになります。 そのため、メールの文面を作って送信する作業も、かなりの時間と手間がかかってしまいます。
とはいえ、挨拶のメールですから、本来は一人一人の方へ個別に文章を作成し送るべきでしょう。 個々のお客様ともなれば、お手紙などを使ってお伝えするのもいいかもしれません。
しかし、異動ともなると時間もなくバタバタしてしまうのも事実。伝えたい相手が多く、時間にも限りがあるといった場合は、BCCで送ることもやむを得ないと考えましょう。
しかし、その場合は簡略化してしまったことをお詫びする一文を書き入れることを忘れないようにしましょう。
異動挨拶メールは前向きな気持ちを伝えるもの
異動の挨拶メールには書いておかなくてはならないことがいくつかあります。
必ず書かなくてはいけない要素は次の通りです。
①タイトル
必ず読んでもらいたい大切なメールですので、件名の欄には本文を開かなくても内容がすぐわかるような文言を選んで書きましょう。
回りくどいタイトルにするより、「異動のごあいさつ」とストレートに書いた方が、メールを見落とされずに済みます。
また、複数の人の異動が重なることもあります。 件名欄に自分の部署と名前も併せて書いておくとよりわかりやすいでしょう。
②本文
・異動先と異動日、感謝の言葉
本文にまず必ず書かなくてはならないのがこの3点。 異動先や異動日はもちろんのことですが、感謝の言葉を書くことを忘れてはいけません。
これまでの仕事の中でのエピソードなど共に感謝を伝えることができれば、より心に届く挨拶メールになるでしょう。
・今後について
文末表現になりますが、これから新天地でどのように頑張っていきたいか、といった豊富と共に文章を締めくくるようにしましょう。
ここで注意しておきたいのが、どんな理由で異動になったとしてもポジティブな思いを織り込んだ文章にすることです。
明らかな栄転などの場合であれば前向きな言葉は書きやすいかもしれませんが、そうでなくても愚痴っぽくなってしまうような文言は避けるようにしましょう。
・引継ぎなどについて
日頃からやりとりのあった人へは必ず、きちんと引継ぎをするという旨を伝えましょう。
これからも安心して取引をおこなってもらうためにも大切な文言となります。
・メールでの挨拶に対するお詫び
実際に赴いて挨拶をするべきですが、実際はなかなかそうもいきません。
メールでの挨拶になってしまったことをお詫びする言葉を一言添えるようにすると、より丁寧で好印象となるでしょう。
異動挨拶メールの例文
では、これまでご紹介した注意点にのっとった異動挨拶メールの例文をご紹介していきます。
丁寧な言葉や敬語を使うことはもちろんですが、取引先やお客様といった社外の人へは「~申し上げます」や「~ございます」など、より丁寧な最敬体を使用するよう心がけましょう。
社内向け異動挨拶メール
[件名] 異動のご挨拶 営業部〇〇(自分の名前)
[本文]
□□部 △△さま
お疲れ様です。 営業部の〇〇です。
このたび4月1日付で広報部へ移動することになりました。 入社以来、△△さんにはリサーチやデータの取りまとめなど数多くのことで助けていただきました。 私が真摯に仕事に打ち込むことができたのは△△さんのサポートのおかげだと思っています。
本当にありがとうございました。
4月より私の仕事は▼▼さんが後任として担当してくれます。 万全の引継ぎをいたしますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
今後は広報部にて広報誌の作成を行うことになります。 営業業務を行う中で身につけた情報収集力をもって、社内外へアピールできる広報作りに取り組みたいと思っております。
今後とも変わらずご指導いただけますようお願いいたします。
本来ならご挨拶に伺うべきところですが、メールにてご連絡の無礼をおゆるしください。
営業部
〇〇
TEL:000-000-0000
携帯:000-1111-2222
社外向け異動挨拶メール
取引先などへの挨拶は、直接伺うことも多いでしょう。その場合は、引継ぎが終わったタイミングで改めてメールで挨拶するとより丁寧です。
[件名] 異動のご挨拶と御礼 株式会社◇◇ 〇〇(自分の名前)
[本文] 株式会社◆◆ △△様
いつもお世話になっております。 株式会社◇◇の〇〇でございます。
先日は私事のためにお時間をいただき、誠にありがとうございました。 お取引をさせていただくようになって以来、△△様にはご迷惑をおかけすることばかりでしたが、いつも寛大なお心で接していただきましたこと心より感謝いたしております。 異動先でも気持ち新たに励んでまいります。
4月より私の業務は後任の▼▼が担当させていただくことになりました。 万全の引継ぎをいたしますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。
営業部 〇〇 TEL:000-0000-0000 携帯:000-1111-2222
異動挨拶は良い人間関係を保つカギ
異動してしまうと接する機会もほとんどない…そう考えると挨拶メールはどうしても手間に感じてしまうかもしません。
しかし心のこもった挨拶メールを送ることで、良い人間関係を築いておくことができれば、いつ仕事を一緒にすることになっても困りません。 また、後任の人がスムーズに業務になじめる手助けにもなります。