みなさんは仕事中にミスをしてしまい、ヒヤッとしたことはありませんか?
仕事にミスは付き物。常に完璧なパフォーマンスを発揮できるという人はいません。 しかし、ミスをすればした分だけ生産効率は落ち、ときには周りに迷惑をかけてしまうことも。できることなら、ミスを減らしていきたいですよね。
では、どうすればミスを事前見つけて防ぐことができるのでしょうか?
仕事上のミスは誰にでもおこりうる
経験の浅い新人のころ、いろいろなミスをしたという経験がある方は多いかもしれません。 まだ仕事にもなれておらず、うっかりや勘違いからミスを起こしてしまったことはないでしょうか?
しかし、油断できないのは仕事に慣れてきた頃のミスです。 作業手早くこなせるようになったがため、ちょっとした確認作業を怠ってミスをしてしまったり、寝不足などで判断力が低下してミスをしてしまうということは珍しくありません。
具体的に、仕事上で起こりうるミスを挙げてみましょう。
メールでのミス
- 誤字脱字
- 送信先の間違い
- 送信方法(CC、BCC)の間違い
- 受信メールの見落とし
スケジューリングのミス
- 締め切りや支払日を間違えていた
- ダブルブッキング
- 重要な仕事を後回しにしてしまっていた
作業ミス
- データ入力の入力欄を間違えていた
- 保存しなくてはいけない書類を断裁してしまった
- 止めてはいけない機械を止めてしまった
- 金額を間違えていた
どれもよくありがちなミスですが、とくに社外の人が関わるミスの場合、取引や信頼関係などにかかわってくるようなことも。
気をつけていてもミスはおきてしまうものです。 しかし、どんなミスも早めに気づくことで大ごとになるのを防ぐことができるのも事実。では、どのようにすればミスを見つけやくすなるのでしょうか。
チェック項目を作ってミスをつぶす
ミスを減らすには、まずなぜミスをしてしまったのかということを分析する必要があります。
前章で例にあげたミスのうち、メールでのミスやデータ入力などの作業ミスでは、たいていの場合完了前の確認をしていないことが考えられます。
メールの送信時には必ず内容の読み返し、あて名の確認をしてから送信することを徹底することで、ミスは簡単に防げます。 どうしてもおざなりになりがちな時は、パソコンの目立つところに確認事項を書いて張っておいてもいいでしょう。
目に入るたびにその重要性を思い出せるので有効的と言えます。
また、データ入力などのときも同じことが言えます。 自分がミスをしてしまった部分や他の誰かがミスしてしまった部分などを中心に、チェック項目とした一覧を作っておくのもいいかもしれません。
単純作業はとにかくチェック項目を作って、目に見えるところにおいて意識することが大切です。
ボタン1つ、クリック1つで結果につながってしまうこともある作業だからこそ、常に確認の目を向けておく必要があるのです。
スケジューリングのミスは「アイゼンハワーマトリクス」で防ぐ
スケジューリングやプロジェクトの進行上でのミスがあると、ほかの仲間にも迷惑がかかることも。
また、一日の仕事の中にはイレギュラーなものもあり、予想もしない事態が起こるのは日常茶飯事。 常にどの仕事を優先し確実に終わらせていくかに気を配らなくてはいけません。
上手に時間を管理したいなら「アイゼンハワーマトリクス」というものを活用してみましょう。
アメリカの第34代大統領のアイゼンハワーは時間管理の達人と言われていました。 そのアイゼンハワーが使っていた時間管理の方法で、“重要か重要でないか”“緊急か緊急でないか”という2つの度合いを組み合わせてすべてのタスクを振り分けるというものです。
組み合わせは次の4つになります。
- 重要で緊急→すぐにやる
- 重要で緊急ではない→いつまでにやるべきか決める
- 重要ではないが緊急→誰かに頼んで終わらせる
- 重要でも緊急でもない→やるべきかやらなくていいのか決める
このように、すべてのタスクをすっきりと振り分けることで、重要なものとそうでないものを明確にすることができます。
この方法なら仕事が立て込んでいる時でも、「“重要で緊急”に振り分けたはずなのにやってないことがある!」といった具合に、重要度の高い仕事の見落としに気づきやすくなり、優先順位を見逃さずミスを減らせます。
リストで可視化するとミスは減る
仕事を重要度や緊急度でうまく振り分けても、ちゃんとこなしていかなければ意味がありません。 ましてイレギュラーな仕事がないとは言えない仕事の現場で、常に優先順位が変わりながらタスクをこなすとなるとミスは起こりやすくなります。
ミスを減らすためには、生産性向上コンサルタントのデビット・アレンが提唱したGTDというタスク管理の方法を試してみるのがおすすめです。
GTDのワークフローには6つのステップがあります。
①収集…やるべきことを書きだす
②処理…タスク管理(アイゼンハワーマトリクス)
③明確化…具体的な作業工程の作成
④整理…特別な場所や環境で行う仕事の振り分け
⑤実行…今日やることの確認
⑥レビュー…終了したタスク、これから行うタスクの確認
やるべき仕事を何かに書き出すことで、頭の中を整理することができ、「とにかく何かやらなきゃ!」という焦る気持ちを落ち着けることができます。 また、可視化することで目の前の仕事に集中できるという効果も。
焦っていると、重要なタスクを見逃してしまったり、普段は間違えないようなところで間違えたりすることが起こり得ます。
このタスク管理法を活用すれば、心理的な圧迫感を軽減することができるため、ミスを減らすことができるのです。
仕事のミスを防ぐためには「準備」と「管理」がマスト
どんなベテランであっても、どんな簡単な作業であっても、人間である以上ミスはつきものです。 だからこそ、ミスを防ぐ工夫や、ミスを犯してしまったときの対処法を考えておくことが大切。
難しいことをしなくても、タスクを整理したり、確認作業を行ったりするだけでミスの数はグッと減らすことができますよ。
文/佐藤仁美