さまざまなフリマアプリが登場し、ハンドメイドの作品を売ったり買ったりすることは、もはや珍しいことではなくなりました。
ハンドメイド作品をフリマアプリなどでは販売したことがきっかけで、ハンドメイド作家として書籍を出版するような人もいます。
ハンドメイド作家にならないまでも、手先の器用な方や、手芸を趣味にしている人のなかには、副業としてハンドメイド作品の販売をしている人も少なくありません。
今回は、副業としてのハンドメイド販売について詳しく見ていきたいと思います。
目次
1. ハンドメイド作品として売れるものを決める
一口にハンドメイド作品と言っても、その種類はさまざま。
裁縫が苦手だからと言って、ハンドメイド作品の販売を副業にできないというわけではありません。
具体的に、どんなものをハンドメイド作品として販売することができるのでしょうか?
・布小物や洋服など
裁縫や刺繍が得意な人であれば、布小物や洋服などを販売してみてはいいかがでしょうか。
実際にハンドメイド作品の販売アプリやサイトを確認してみると、ポーチやバッグ、ワンピースやコートなど、販売できるものはかなり幅広いようです。
また、入園・入学の時期になると、通園バッグや園指定小物の作成代行の需要が高まります。自分の子どもが入園する際に一度作ったことがある人であれば、型紙などを購入しなくても作ることができるかもしれません。
・ビーズアクセサリーなど
ビーズやレジンを使ったアクセサリーも、ハンドメイド販売サイトで人気の商品のひとつです。
サイズが小さいため、梱包や郵送の手間が少ないという点も魅力的。
ただし、出品数が多いので、他の出品者との差別化を図らないと埋もれてしまう可能性もあります。
例えば、海外旅行の際に買い付けた珍しいビーズを使用したり、セミオーダー制で購入者好みのものを作成するなど、工夫が必要です。
・革小物
財布やキーケースなどの革小物も人気があります。
レザークラフトは独学でもできるようなので、趣味と実益をかねて始めてみるのもいいのではないでしょうか。ネットなどでも初心者向けのレザークラフト入門記事を見つけることができます。
革を切ったり、目打ちしたりするためには、専用の道具が必要です。
どの程度のものを揃えるかにもよりますが、初期投資として数千円程度はかかるということを心得ておきましょう。
・スマホケース
バラエティーショップなどでも手軽に手に入るスマホケースですが、誰もが持っているものだからこそオンリーワンのケースを使いたいという人もいます。
そんな人をターゲットにするのであれば、スマホケースもおすすめ。
最近はイラストや写真をアップロードすると、それをケースに印刷してくれるというようなサービスも登場しています。
・ハーバリウムなどのインテリア雑貨
個性的なインテリアにしたいという人のなかには、ハーバリウムやテラリウムなどのインテリア雑貨をハンドメイド販売サイトで見つけるという人もいます。
実際に、リースやガーランド、ランプ、キャンドルなど、様々なインテリア小物が販売されています。
・ネイルチップ
セルフネイルが趣味という人は、ネイルチップを作成して販売するという手も。
その際、ネイリスト検定を所有していたり、ネイルサロンの勤務経験があったりすると、プロフィールにその旨を明記することができ、注目度も高まります。
2. ターゲットを決めることで副業としての道が見える
どんな商品を作るか決めることができたら、ターゲットを固めましょう。
例えば、ビーズアクセサリーを販売するにしても、学生向けなのか、30代のOL向けなのか、40代の主婦向けなのかで売れる商品が大きく変わってきます。
消費者のペルソナを具体的に想像することで、手にとってもらいやすい商品が見えてくるので、ターゲットを像はできるだけ詳しく作り込みましょう。
その際、競合研究も忘れずに。
多くのハンドメイド作品の販売サイトには、人気ランキングや売り上げランキングが設けられています。
ランキング上位の作品を丸ごと真似するのはNGですが、どんな作品が消費者に受け入れられているのかチェックしてみましょう。
ランキング上位の商品がターゲットとしてる層と、自分が狙っているターゲット層が同じ場合、もしかすると新しく販売する商品は目に止まりにくいかもしれません。
しかし、ニッチな層をターゲットにすると、そもそもの母数が少なくて売り上げが伸びないという可能性もあります。
この後で説明する売り上げ目標設定も踏まえ、ターゲットを定めてみましょう。
3. ハンドメイド作品の販売をするなら売り上げ目標を立てよう
副業としてハンドメイド作品を販売するのであれば、売り上げ目標を設定することが必須です。
やみくもに作品を作って売っていると、後から見返したときに実は赤字になっていたり、せっかく注文が入っているのに、作成が間に合わなくなってしまうようなこともありえます。
継続して売り上げを立てるためには、目標金額の設定し、その目標を達成するためにはどの程度売ればいいのか、仕入れ値をどこまで抑えればいいのかを計算しなくてはいけません。
ただし、売り上げ目標を立てる際には、製作時間にかけられる時間なども考慮して、無理のない目標を立てることが大切です。
すでに仕事に、育児、家事と三足のわらじを履いている働くママにとって、一番避けたいのは頑張りすぎてしまうこと。
まずは、無理なく自分ができる範囲で考えてみてください。
4. 販売価格をとにかく安く抑える!は不正解
自分が買う側であれば、質が高くて安いものを購入したいもの。
その感覚で、つい安く価格設定をしてしまう人がいます。
売り上げ商品数は増えるかもしれませんが、元が取れなくては赤字になってしまいます。
価格設定をするときに大切なのは商品に見合った適切な価格設定をするということ。
高額過ぎると売れませんが、安過ぎると利益になりません。材料費や梱包料金などを踏まえて、料金設定をしましょう。
販売手数料や出品にかかる費用はもちろん、製作にかかる時間を考慮して、自分の人件費も原価に加えることを忘れずに。
5. ハンドメイド作品を販売する場所を選ぶ
ハンドメイド作品を売る方法は大きく分けて5つです。メリットやデメリットをよく考えて、自分に合った販売方法を選びましょう。
①ハンドメイド作品販売サイトを利用する
まず1つ目は、ハンドメイド作品を販売しているウェブサイトに出店して売る方法です。販売サイトとしては、minneやcreemaが有名です。
通常、サイト登録料は無料。クリエイター登録と振込口座登録ができれば、その日から自分のショップページを開くことができます。
このような販売サイトの最大のメリットは、販売フォーマットが整っているという点です。販売者と消費者の間にサイトが入ってくれるので、細かい手続きなどをせずにすみます。
しかし、販売手数料や振込手数料が発生します。サイトによってその金額はさまざまなので、どのサイトで販売するのか比較検討してみましょう。
②ネットショップを自分で運営する
2つ目は、ネットショップを自分で運営して売る方法です。
サイトを立ち上げる手間はかかりますが、販売手数料などがかからないので、本格的に自分の作品を売りたい人におすすめです。
③店舗のスペースを間借りする
3つ目は、お店のスペースを借りて自分の作品を売る方法です。委託料はかかりますが、作品数が少なくても始められ、接客・販売もしてもらえるので手間が少ないです。
お店の一部を委託販売スペースとして提供している店舗もあります。
喫茶店や雑貨店などで委託販売と思われる商品を置いてあるようであれば、自分の商品も置いてもらえないかお店の人に声をかけて確認してみましょう。
ただし、個人経営のお店の場合、オーナーの友人にのみ場所を貸しているというようなケースもあります。
断られたら無理にお願いせず、諦めましょう。
④フリーマーケットやイベントに出店する
4つ目は、フリーマーケットやハンドメイドイベントなどにお店を出店する方法。
準備や後片付けの手間はかかりますが、他のハンドメイド作家の人たちと交流ができるので、色々な情報を得られます。また、お客さんと対話できるので、お客さんの要望などを聞き取ることもできます。
参加費や出店料を支払わなければいけないこともあるので、事前に確認しておきましょう。
⑤フリマアプリを活用する
5つ目は、フリマアプリで販売する方法です。
ハンドメイド作品の販売サイトと同様に、スマホで写真を撮るだけで手軽に出品できます。
また、アプリによっては、販売者と消費者が互いに個人情報を明かさずにやりとりをすることも可能です。
ハンドメイド作品の販売サイトとは客層が異なるので、ハンドメイド作品の販売サイトで売れなかったものが売れる可能性も。
6. “オーダーメイド”で売り上げアップ
ハンドメイドの魅力は、市販品と違い、類似品が少なくオリジナリティーがあるところです。特に、オーダーメイド作品は人気なので、オーダーメイドの商品を扱いたいと考える人も多いでしょう。
オーダーメイドやセミ・オーダメイドは、ハンドメイド作品を販売する上で大きな強みとなります。
しかし、同時に消費者とやりとりをしながら作品のイメージを固めることになるので、時にはトラブルになることも。
オーダメイドの作品を販売する場合は、次のような流れでやりとりをするとスムーズです。
①オーダーメイドの相談が購入希望者から寄せられる
②オーダーメイド品の見本・仕上がりイメージ・料金などを提示する
手間はかかるものの、ここでしっかりとイメージのすり合わせをすることが重要です。場合によっては、見本や仕上がりイメージを複数回出し戻しして、調整しましょう。
③購入希望者から了承を得て、制作に取り掛かる
④完成後に発送し、代金を振り込んでもらう
ごくまれに、キャンセルされることもあります。オーダメイド作品の場合、なかなか一般向けの作品として販売できないことも。
心配な場合は、先に料金を入金してもらってから製作に取りかかるといいでしょう。
フルオーダーメイドはハードルが高い…という人はオプションとして名前付けや、セミオーダメイドとして布やパーツの色を選べるようにしてみましょう。
消費者の要望に応える要素を入れると集客しやすくなります。
7. ハンドメイド販売サイトやフリマアプリでは写真が重要
売り手としては、写真と商品説明だけで出品ができるため、ハンドメイド販売サイトやフリマアプリは非常に便利です。
しかし、買い手の立場で考えてみると、実物を見て購入するわけではないので、いざ購入したときに「思っていたのと違う…」というようなことも起こり得ます。
そんな事態を避けるために、消費者は写真と商品説明文に注目しています。
特に写真は、できるだけ見栄えよく撮ることが重要です。
暗い室内で撮るのではなく、自然光が入る場所で撮影しましょう。もしくは、スマホに後付けできるライトを使って、できるだけ明るい写真になるよう工夫が必要です。
背景も、あまりに生活感があるのはおすすめできません。
例えば、木目の綺麗な机の上で撮ったり、白い紙や布をひいたり、無地の壁の前で撮るなど、作品の世界観を壊さないような背景にしましょう。
フェイクグリーンなどの撮影小物を利用すると、さらに素敵な写真になります。
普段からインスタなどで参考になるスタイリングを探しておくと、撮影時に役立ちますよ!
8. 商品写真は多めに掲載することが大事
ハンドメイド作品を販売したことがある人のなかには、おしゃれな商品写真で値段も手頃な価格に設定しているのに、なぜか売れないという経験をしたことがある人もいるのでは?
そんなときはまず写真の数を見直してみましょう。
ハンドメイド販売サイトやフリマアプリを通して取引をする際には、実物を見ることができません。そのため、買い手は写真と商品説明文から商品を見極める必要があります。
そのため、正面から撮った写真だけではなく、さまざまな角度から撮影したものを複数枚掲載したほうが、買い手にとっては情報量が多くてありがたいということです。
例えばアクセサリーであれば、正面、横、後ろ、金具のアップ、使用写真が掲載されていると親切。サイズ感や質感などがわかると、安心して購入できます。
9. アピールポイントはタイトルに入れる
写真と同じくらい大切になるのが、商品のタイトルです。
特に送料が無料の場合や、期間限定で値引きしているときなどは、タイトルの冒頭にその旨を明記したほうが、消費者の目に留まりやすくなります。
具体的には次のようにするといいでしょう。
・【送料無料】コットンパールのイヤリング
・【期間限定価格】アルパカ毛糸のマフラー
10. 宣伝にはSNSをフル活用する
手軽に販売できるようになりつつあるハンドメイド作品ですが、売り上げを立てるためには宣伝が欠かせません。
自作の商品を宣伝するためには、SNSやホームページ・ブログなどの情報発信ツールを利用するのがおすすめです。情報発信ツールを利用すると、作り手や作品の露出度が増え、ウェブショップへの訪問率も高くなります。
ターゲットの年齢や属性によってSNSを使い分けることができればベストですが、まずはInstagramを活用してみましょう。
写真メインで商品の魅力を伝えることができるので、ブランドイメージを高める効果が期待できます。
ハンドメイド作品の販売はワーママ注目の副業
ハンドメイドの作品販売は、意外に簡単に始められることがお分かりいただけたかと思います。
副業が当たり前の時代になりつつあるとはいえ、仕事・育児・家事に追われる働く女性にとって、本業以外の別の勤め先を持つということは、まだ現実的ではありません。
だからこそ、子どもの面倒を見つつ、隙間時間に自宅で作業を進められる副業として、ハンドメイド作品の販売はおすすめなです。
思うように売れないこともありますが、ご紹介した方法を参考に、楽しみながら挑戦してみてはいかがでしょうか!