夜は元気なのに朝はダルくて起きられない、入浴すると気分が悪くなったりめまいがする…思春期の子どもにこのような症状が現れた場合、「起立性調節障害」が疑われます。周囲が正しく理解しないと「怠けている」と勘違いしたり、日常生活や学業に支障が出たり、不登校に繋がることも。特徴や対処法について詳しく解説します。

「起立性調節障害」が起こる仕組み

 

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「起立性調節障害」は、自律神経バランスの乱れが引き起こす病気です。 自律神経には交感神経と副交感神経という2つの神経系があり、それぞれ相反する作用で、血圧や食べ物の消化、発汗など体の機能を調節しています。

 

例えば、起立性調節障害の代表的な症状として「立ち上がった瞬間のめまいやふらつき」があります。 長時間立っていると、血液は重力の作用にしたがって足の方へ流れていくため、脳への血流が低下しがちです。 通常であれば、そこで自律神経が敏速に反応して血圧や心拍数を上昇させ、脳への血流を維持する仕組みが働きます。

 

しかし、この自律神経の反応がうまく生じなかったり、反応までに時間がかかると、脳への血流が低下します。 このとき脳が酸欠状態〟となることで、めまいやふらつきが生じ、ひどいときには一時的に意識を失ってしまうのです。

 

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