冬の強い味方として長年愛され続けてきた“こたつ”。しかし最近は“和室の減少”や“気密性の向上”などにより、日本人の「こたつ離れ」が急増しているそうです。先日もネット上では、「こたつはやめるべきですか?」というお悩みが注目を集めていました。

子どもが原因で“こたつ”を撤去?

相談を持ち掛けたのは、幼い子どもを持つ2児のお母さん。彼女は毎年冬になるとこたつを利用していましたが、今年は“ある事情”により撤去したといいます。というのも子どもがこたつの上に乗り降りしたり、そのままこたつの中で寝てしまうため。

 

しかし我が子のためとはいえ、こたつのない生活は想像以上に厳しい様子。「案の定、寒くてツライ。こたつが恋しすぎて心が折れそう」「でも子どものことを考えると、やっぱり撤去したままにすべき?」と葛藤を膨らませる女性に対し、全国のお母さんたちから様々なコメントが寄せられました。

 

たとえば“5年前にこたつをやめた”という女性も、子どもが原因でこたつを撤去したひとり。今はエアコンだけで生活していますが、「こたつを置いていたときよりダラダラしなくなった」「おまけに衛生面も向上。こたつ布団を洗う手間もないし、掃除機がけもラク」など“こたつの撤去”がプラスに働いたそうです。

“こたつ”の問題というより“躾”の問題

他にも子どもを理由にこたつを撤去した人は多いようで、「赤ちゃんがいるとこたつは怖いよね」「私も先日撤去しました。子どもがこたつ布団に引っかかって危ないので」など共感の声が続出。ちなみにその他の理由でこたつを撤去した人からは、「ほこりが嫌だからやめた」「こたつがあるとそこから全く動かなくなるので去年から撤廃!」というコメントが。

 

ここまではこたつ撤去派が圧倒的多数に感じますが、その裏で“撤去反対”を唱える人も少なくありません。撤去反対派からは、「冬のこたつでヌクヌク…。冬にこれ以上の幸せがありますか? 私は撤去断固反対です」「こたつがあると自然に家族が集まるので、団らんの機会が増えるよ」といった声が相次いでいます。

 

中には厳しい意見も上がっており、「子どもがこたつで遊ぶのって躾の問題なんじゃ…。わざわざこたつを撤去するほどのこと?」「こたつの問題というより躾の問題。こたつには何の罪もない」という指摘が寄せられていました。

“こたつ”を利用している家庭の割合は?

“こたつ”を撤去するか、しないかが争点となった今回の一件。そもそもこたつを利用している家庭はどれくらいいるのでしょうか。

 

昨年2月にマイボイスコム株式会社は、10~70代を対象にした「ヒーター・ストーブに関するアンケート調査」を実施。男女10823名に“利用している暖房器具(家電製品)”を尋ねたところ、第1位に「エアコン(68.0%)」がランクインしました。

 

次いで2位が「こたつ(29.7%)」、3位は「石油ファンヒーター(26.6%)」という結果に。こたつの利用率がエアコンに次ぐ形となりましたが、2015年2月時の調査結果と比べるとこたつの利用率は1.2%ダウン。対してエアコンの利用率は3.8%アップしています。

 

ちなみに第4位は「ホットカーペット(22.5%)」、第5位には「石油ストーブ(21.0%)」が並んでいますが、北海道では「石油ストーブ」を利用する家庭が5割弱。「エアコン」「こたつ」「ホットカーペット」に関しては、他の地域よりも低い利用率でした。

 

こたつ離れが着々と進む一方で、こたつを溺愛する人も。今後のこたつ問題は、一体どうなっていくのでしょうか。

文/牧野聡子

参照/マイボイスコム株式会社「ヒーター・ストーブに関するアンケート調査」https://myel.myvoice.jp/products/detail.php?product_id=23503