よくも悪くも大きな影響力を持つテレビ。子どもの頃、自室にテレビが置いてあった人も多いのではないでしょうか。ネット上で、子ども部屋にテレビを“置くか置かないか”で意見が交わされていました。
子ども部屋にテレビって本当に必要?
注目を集めていたのは、引っ越しを予定している女性の意見。中学3年生と小学5年生の子ども部屋に、テレビを置くか悩み中だといいます。テレビが部屋にあることによって、「子どもが部屋に籠ってしまうのでは」と心配なようす。だからといって、リビングの共用テレビが占領されても困るそうです。
この悩みに対して、「子ども部屋にテレビは置かない方がいいと思う。ゲームなどをやる場合は、時間を守らせないと部屋から出てこなくなりますよ」「リビングでみんなと過ごしたいから置かないです。勉強机と本棚、ベッドだけあれば十分なのでは?」といった意見が上がっていました。
他にも「自己管理ができる大学生とかならまだしも、小中学生にテレビを持たせるのは怖い」「私も高校生になってから許可しましたね。勉強しなくなるんじゃないかと不安だったので」とのコメントが。また「大人の目の届く範囲が1番だと思います」「可能な限り会話したいし、我慢させることも大切だよ」などの声も相次いでいます。子ども部屋へテレビを置くことに、抵抗を感じる親は多いようですね。
子ども部屋にテレビ肯定派の意見
反対に、テレビを置いても問題ないと考える人も続出。ある男性は将来子どもがテレビを欲しがった時の事を考え、子ども部屋にテレビ線を引くべきか悩んでいました。テレビを子ども部屋に置いた際に、「子どもへの影響はありますか?」と疑問を投げかけています。
寄せられた声を見ていくと、「テレビ線は引いた方がいいと思う。子どもが大きくなれば欲しくなるだろうし、テレビがダメな理由がわからない」「テレビを見る時間ぐらい自分で管理させていいと思いますよ。世間の情報を知る機会にちょうどいいのでは?」など肯定的な意見が相次いでいました。
そのほか「見たいテレビはみんな違うから仕方ない。リビングにひとつだけだと争奪戦になる」「ゲームをする子だとリビングのテレビを占領されるから、子ども部屋にひとつあった方がいいと思う」との声が。子どもがいる家庭にテレビが1つだけだと、なにかと不自由するのかもしれません。
幼児のテレビ視聴者数は減少傾向?
NHK放送文化研究所は、2018年6月に「幼児視聴率調査」を実施。2~6歳の幼児1000人を対象に、テレビ視聴・録画番組・DVDの利用状況を調査しています。調査圏は東京30キロ圏内となり、1週間の平均視聴時間を算出。幼児が1日にテレビを見る時間は、1時間39分(週平均)という結果に。ちなみに2歳が1時間54分と最も長く、3歳が1時間26分と最も短いことが分かりました。
テレビの視聴時間は、2007年に比べるとやや減少。07年の平均視聴時間は2時間ほどでしたが、2012年には2時間を下回っています。調査を実施した18年にも、視聴時間は緩やかに減少していました。一方インターネットで動画を見る幼児が増加。1時間を超える長時間の視聴が増えています。テレビの視聴時間が減った要因のひとつなのかもしれません。
ちなみに、録画番組やDVDの利用時間は週平均で57分。テレビでDVDなどを視聴している幼児は、約8割にのぼりました。11年から13年にかけて平均時間が長くなっており、テレビの平均視聴時間との差が縮まっています。
子ども部屋にテレビを置く場合は、事前にルールを決めておいた方がいいかもしれませんね。
文/内田裕子
参照/NHK放送文化研究所「幼児視聴率調査」https://www.nhk.or.jp/bunken/research/yoron/pdf/20181001_8.pdf