365日欠かすことのできない家事。

 

でも、知らず知らずのうちに「家事はこうするべき」と思い込んでいることはありませんか?

 

「あれもしなきゃ、これもしなきゃ」「〇〇しておかないと」という固定観念をいったん捨てて、本当に必要な家事以外は思いきって「しない」。

 

そんなライフスタイルを提案するマキさんの著書『しない家事』は、2016年に出版以来、少しでも家事の時間を工夫して家族との時間を作りたいと願うママたちの間で話題となっています。

 

今回は、そんな「しない家事」について、子育て中のママやパパたちに話を聞いてみました。

目次

マキさんの著書『しない家事』とはこんな本

マキさんは「シンプルライフ研究家」として2人の娘さんを育てるワーキングマザー。シンプルで心地よい暮らしについて発信しているブログのファンも多く、インスタグラムのフォロワーは18000人を超えています。

 

家事には数えきれないステップがありますが、マキさんは、本当に全てをこなさなければいけないのかを見直し、自分と家族にとって必要な家事だけを取捨選択しています。

 

洗濯では「清潔な服を身につけられればよし」という基準のもと、たたまずハンガーから直接引き出しに入れているそう。

 

また料理についても、「美味しいものが食べられる」という目的が満たされればよく、たとえば平日の夕食は旬の素材でバランスが取れていればワンパターンな献立でもいいと提案しています。

 

これらを実践することで生まれた時間を、マキさん宅では家族でテーブルを囲んでお茶を飲んだりお絵かきをしたり、団らんの時間にあてているそうです。

 

完璧を目指さないことでママがイライラしなくなり、家の中の雰囲気もよくなったとのこと。

 

書籍『しない家事』には、たくさんの「しない」についてそれぞれ具体的に書かれており、「ブログやインスタで見るマキさんのシンプルな暮らしの哲学や考え方を、より詳しく知ることができる!」と人気です。

子育てママ&パパは「しない家事」に共感できる?

0歳から中学生のお子さんを持つママ・パパに、まずは「思いきって”しない家事”を作り、ゆとりの時間を生み出すという発想に共感できますか?」と聞いてみたところ、

 

  • 共感できる…89%
  • 内容による…11%
  • 共感できない…0%

 

と、ほぼ全員が「共感できる」と答えました。

 

ただ、「しない家事」がゆとりの時間を生み出してくれるとはいえ、暮らしの中で重視している点は人それぞれ違います。

 

ある人にとっては苦にならないことが他の人には負担に感じられたり、「私は料理は手を抜きたくない」「私は散らかっているのがストレス」など、ここは手をかけたいという部分も

人によって異なるのではないでしょうか。

 

そこで、「あなたが実践している”しない家事”は何ですか?」という質問もしてみました。

みんなの「しない家事」料理編

毎日朝昼晩とこだわりのメニューを用意するのは、どんなに料理が好きな人でも疲れてしまいそう。献立を考え、それに合わせた材料を買うのにも毎回時間を使います。

 

そこで、料理にまつわる「しない家事」としてみんなが取り入れているのは次のような方法でした。

「献立を考える」をしない

月曜日は焼き魚と具沢山の味噌汁、火曜日は肉料理とスープ、金曜日はカレーかシチューなど、ローテーションを決めてしまう方法は取り入れている人が多いようです。

「料理の下ごしらえ」をしない

野菜は冷凍のカット野菜、ベーコンや油あげはカット済みのもの、あく抜き不要のこんにゃくなどを活用して、帰宅後は調理するだけ。保育園から帰ってお腹が空いた子どもを待たせずにすむ…という人も多くいました。

「買い出し」をしない

食材の買い物はどんなに急いでも15~20分は帰宅時間が遅くなってしまいますが、ネットスーパーや食材宅配を使うことで、平日は買い出しをしないという人も。

 

4歳と3歳の年子のお子さんが保育園に通っているHさん(34歳)は、

「ネットスーパーは配送料がかかりますが、せいぜい300円程度。仕事帰りに店舗に寄り菓子パンやスイーツなど余計なモノをふらっと買ってしまうことを思うと、そんなに高いとは感じません」

と話します。

朝は「火を使う調理」をしない

前日にできるだけ作り置きをして、朝は火を使って調理しないスタイルの人もいました。

 

「出産前から朝は時間がないので火は使わないようにしています。今も出勤と保育園の準備があるので、私が前日に用意したものを夫や子どもたちが並べています」(Uさん・36歳・6歳児と4歳児のママ)

 

「朝だけでなく、実は平日の夜も、温め直したり盛ったりするだけにしています。最初は罪悪感があったのですが、特に家族の反応も変わらないし、子供との時間が増えただけプラスになりました」Tさん(30歳・3歳児のママ)

 

と、料理の手間や洗い物が減るのは大幅にストレスが軽減されるという声が寄せられました。

 

ただ、よく時短料理特集などで取り上げられる「作り置き」に関しては賛否両論で、

 

「買い置きしてまとめて下処理をすると、どうしてもラップや保存バッグなどをたくさん使用しないといけない。個人的には2日に1回買い物に行って、新鮮なうちに食材を使い切る方が合っています」(Mさん・37歳・4年生と2年生のママ)

 

「常備菜の本が多く出回った時期に、これは便利!と思い、一週間分の買い出しをやってみたのですが…食べきれず破棄したり、突然の外食のお誘いで食べ残してしまったり。2~3日分程度の買い出しや下ごしらえが一番ストレスがないです」(Hさん・36歳・5歳児のママ)

 

と逆に作り置きや下処理をストレスに感じるという声もありました。

 

料理は個人差が大きい家事といわれます。自分とって何が負担になっているのかを見極めるのが大切ですね。

みんなの「しない家事」洗濯編

小さな子がいると、毎日のように汚れものが出る家庭も多いことと思います。

 

しかし、

 

「うちは洗濯は1日置きです!最近の洗濯機は性能がいいので、子どもの食べこぼしも意外ときれいになりますよ」(Nさん・35歳・2歳児のパパ)

 

と目からウロコの発言も。

 

また、洗濯そのものは後回しにできなくても、

 

「家を建てる時に、工務店さんからのアドバイスで、ベランダに通じるスペースに竿を通し、洗濯物をハンガーごと一時置きできるようにしました。乾いたらとりあえず取り込んでそこに掛け、たたまずにクローゼットへ各自持っていくだけです」(Yさん・40歳・中1と小5のママ)

 

「タオルは乾燥機からバスケットへ直接ふわっと収納するだけ。そこから取って使います」(Rさん・29歳・0歳児のママ)

 

など、「たたまない」ことで時短を叶えているという声が多く聞かれました。

みんなの「しない家事」そうじ編

そうじで最も多かったのは、ロボット掃除機の導入により、「掃除機がけしない」「雑巾がけしない」というものでした。

 

また、ロボット掃除機のスムーズな動作のために、必要以上にマット類を置かなくなったという人も。

 

「ここ数年、キッチンマットやトイレマットは使っていません。特にトイレマットは子どもがおしっこ失敗したときにイライラしちゃうのでやめました。マット系は乾きにくいこともストレスだったので、思いきってやめたら快適です」(Fさん・33歳・3歳児と0歳児のママ)

 

「わが家も玄関マットを使っていないのですが、意外と使わないほうが床をこまめに掃除するようになりました」(Aさん・34歳・4歳児と1歳児のパパ)

「しない家事」のまとめ

マキさんの書籍『しない家事』には、今日からでもすぐ参考となる具体的な提案がたくさんあります。

 

でも、本当にマネしたいのは個別のテクニックよりも「自分にとって心地よい暮らし」とは何かを知り、自分の意志で選んでいこう…というマキさんの考え方ではないでしょうか。

 

今回のアンケートで紹介した「しない家事」例も、あくまでもその人にとっての心地よさや家族との時間を生み出すためのもの。

 

誰もがこの通りにしなければいけないというのではなく、自分に合った「しない家事」を選んでいけるといいですね。

 

文/高谷みえこ

参照/書籍『しない家事』マキ 著/すばる舎