東京オリンピック開催が迫り、テレビや雑誌でスポーツ選手の特集を頻繁に見かけるようになりました。
プレイのうまさはもちろん、スポーツ選手は自己管理能力も高く、自分自身の体調や能力をしっかりとコントロールし、試合や大会で最高のパフォーマンスを披露しています。
実は、この「自己管理能力」は、仕事上でも非常に意味のある能力なのです。 今回はとくに「ルーティン」に注目してみたいと思います。
スポーツ選手が行うルーティンの効果
試合が始まる前や演技のタイミングで、選手がルーティンをする姿をよく見かけることがあります。
ルーティンは競技におけるパフォーマンスの前に行っている儀式的な動作のことですが、一見おまじないのようにも見えるこの行為は、スポーツ心理学でも使われていて、選手たちに良い影響を与える行動なのです。
例えば、ラグビーでは五郎丸選手がキックを行う前に、指をそろえるようなポーズで行うルーティンは「五郎丸ポーズ」として話題になりました。 フィギュアスケートでは羽生結弦選手が演技前に、十字を切るポーズでルーティンする姿があります。
その他にも多くのスポーツ選手が特定の動作をしている姿が視聴者の目にも焼き付いていることでしょう。著名なアスリートになれば、ルーティンの姿そのものがその選手の象徴のようにも感じるものです。
実はこのルーティンは彼らにとって、短時間で非常に集中力を高める状態を作り出せる行為とされています。
選手一人ひとりが独自のルーティンをすることで、試合や演技に向けて集中力を極限にまで高めて、その結果がその後の試合や演技に最高のパフォーマンスとして反映されていることを実感しているからこそ、彼らは毎回取り入れているのです。
ルーティンを意識して取り入れる
集中力を高めるためにスポーツ選手が取り入れているルーティンは、日常生活や仕事でも取り入れることができます。
特別なポーズをとったりする必要はありません。生活の中で習慣になっている行動や考え方なども、ルーティンの一種と考えてみましょう。
毎日同じ行動を何度も何度も繰り返していくと、自然に身体が覚え、いつのまにか考えなくても無意識にその行動をしていける域に達してきます。
おそらく、多くの人がすでに意識せずルーティンを行なっているはずです。例えば、朝起きてからの洗顔や歯磨き、朝食、着替え、会社や学校など出掛ける支度などにおいても、一連の同じ流れが自然とできあがってはいないでしょうか?
これは自然とみについたルーティンですが、仕事や勉強などにおいて集中力を高めたいのであれば、意識的にルーティンを取り入れることが重要です。
身につけたい良い行動や自分にとっての良い考え方などを習慣づけることで、日々をよくしていくことや行動の成果を出すことにつながっていきます。
ポイントは同じ行動を何度も繰り返すこと
ルーティンを行うということは、集中力を高めるのと同時に、精神的にも安定させることができると言われています。
同じ動作の繰り返しは人間をリラックスさせて余計な考えを減らし、集中力を上げながら勉強や仕事、作業などに取り組むことができるという仕組みです。
また、習慣化させる行動にはミスを減らす効果もあります。精神的に安定した状態でミスも減らしながら集中することができれば、その行動における成果も大きくなるということです。
自分が続けられるルーティンを探そう
ルーティンの内容は人や状況によってもさまざまありますが、良い習慣に結びつけることができて、自分にとっても続けやすい行動から取り入れてみることをおすすめします。
運動が好きな方であれば、軽い運動をしてから作業にとりかかる、お気に入りの音楽を聴いてから始めてみるなど、自分が楽しいと感じる事柄と組み合わせてみるルーティンもおすすめです。
また、悪いと感じている習慣があれば、最初は意識的に減らしていくことでやがて減らす行為自体が習慣となり、いつのまにか生活全般を改善させていける効果も期待できるでしょう。
時間を決めて読書をすることをルーティンにすると、想像力や感性が高まり知識も身につきますので、クリエイティブな仕事をする場合に効果を発揮するかもしれません。
自分に合った習慣づけを日常の中でルーティンと決めて、その行動で集中力を高めてから、本来の目的である勉強や仕事、作業などへと活用ができる一連の流れを作りだすことで、今まで以上の成果が出せるようになります。
ルーティンで仕事の効率をあげよう
プロスポーツ選手は独自のルーティンを取り入れることで、短時間で非常に集中力を高める状態を自ら作り出し、試合や演技の結果に結びつけていきます。
ルーティンは自身の集中力を高めるための自己管理能力を生み出す効果は、スポーツだけでなく仕事や家事においても有効。あなた自身のルーティンを作って、仕事の効率をあげてみましょう!