新しいプロジェクトのアイデアや、企画に取り入れてみたいことを提案するために欠かせない企画書。 働く人にとっては欠かせない文書の一つです。
とはいえ、企画書を書き慣れていない人や、企画書を作るのが苦手な方は少なくありません。 提案内容自体はいいものの、企画書の出来が原因で企画が通らないということも。そんなもったいないことを
そこで、今回は周囲から「YES!」を引き出せる企画書作りのポイントをご紹介します。
企画書は「読みたい!」と思わせなければいけない
企画書にとって必要なことは何でしょう。 コストを抑えた企画や誰でもすぐに取り掛かれるような企画を提案することでしょうか?
もちろん、内容は大切です。しかし、その前にまず「読みたい」と思える企画書を作らなければ、興味を持ってもらうことができません。 企業によっては、企画書にフォーマットが決まっているところもあるかと思いますが、もし特定のフォーマットがないのであれば、「読みやすさ」を考えて体裁を整えることが大切です。 極端に文字が小さかったり、画像の位置が揃っていなかったりすると、どんなに内容がよくても読み進めてもらえません。
さらに、構成にひと工夫することで、さらに読みやすい企画書になります。
「序破急」を意識して企画書を作る
物語に「起承転結」があるように、企画書にも基本の構成があります。 それは「序破急」という構成。
「序」となるのは、表紙や企画のキャッチコピーとなる部分です。魅力的なキャッチコピーが並んでいると、つい先を読みたくなります。説明的な長い見出しを立てるより、キャッチーな言葉を使ってインパクトを与えた方が、興味を持ってもらいやすくなるのです。
「破」は企画を立案したコンセプトや背景、目的など。どんなにキャッチコピーが秀逸でも、中身が伴っていなければ企画は通りません。キャッチコピーで注目を集めることができたら、次はコンセプトや背景をしっかりと説明しましょう。
「急」は実際に企画通りに行動するための必要な予算や、人員のスケジュールとなります。「序」と「破」で興味を持ってもらえれば、ほとんど勝ったようなもの。
企画の実現性をきちんと説明すれば、ただ綺麗事を並べているわけではないということをアピールできます。
企画書の説得力をUPさせる7つのポイント
企画書作りの基本をご説明したので、もう少し細かいところにも注目したいと思います。
企画書を通したいのであれば、内容に説得力がなければいけません。次にご紹介する7つのポイントを押さえると、企画書のクオリティがさらにアップします。
①メリットは何なのか明確にする
何かを決断するときは、メリットがあるかどうかが重要ポイントとなります。
例えば、洋服を買うときは「この洋服を買うと可愛く見える」ということを購入するかどうかの判断基準にするはず。仕事はより一層この「メリット」が重要になります。
企画を進めると自社や取引先にどんなメリットがあるのか、企画書に明示するようにしましょう。メリットを強調するために企画書の序盤でメリットについて説くパートを設けるのもおすすめです。
②数字で具体的に表す
具体的な数字は、企画書において外すことのできない要素です。企画に対する情熱を伝えることももちろん大切ですが、それだけでは相手を説得することができません。
「この企画で進めるとコストの削減が期待できます」より「この企画で進めると年間1千万円のコスト削減が期待できます」の方が、より具体的なイメージが浮かび、興味が湧くはずです。
日時や必要人員、企画の実施にかかる期間、さらに企画を実施するのに必要な費用、売上や利益金額などの数字は企画書内に盛り込むようにしましょう。
③図やイラストを適度に取り入れる
説明したいことが多いと、つい文章量も増えてしまいます。しかし、文字だけの企画書は読みにくく、具体的なイメージがわきにくいという欠点があります。
直感的に理解することのできるグラフやイラストなどを適度に取り入れつつ、読み手を飽きさせない工夫が大切です。
④カラーは3色まで
分かりやすく印象的な企画書にしようとして失敗しがちなのが、色の多用。
強調したいがために赤や黄色、青、水色、オレンジ色などの目立つ色を多用すると、かえって見にくいものになってしまいます。
色は文字同様視覚情報の一つです。色が豊富すぎると、肝心なキーワードやポイントが埋没してしまい、結局何が言いたい企画書なのか分からなくなってしまうことも。
カラーは多くても3色までにするのが、スマートな企画書の書き方だと言えるでしょう。 重要度によって赤、青、オレンジを使い分けると、色を見ればどこが重要だかひと目でわかるようになって、読み手の理解を助けてくれます。
⑤過去の企画書からヒントをもらう
企画書にはそれぞれの会社の個性が出ます。ゼロからオリジナルの企画書を作るのも間違いではありませんが、過去にさかのぼって先輩たちの企画書を見てヒントをもらうのもおすすめ。
たとえばフォント(字体)一つにしても、企画書の通りやすさを左右します。基本的にプレゼン資料は、可視性に優れた「ゴシック体」がおすすめだといわれています。これはゴシック体の縦と横の幅が等しく、文字の一つ一つを瞬時に認識できるからです。
しかし、会社よっては高級感を演出するために明朝体を使うことをが多いというところもあれば、特定の取引先ではポップ感やカジュアルさなどを強調したフォントがウケるという場合も。
過去に評判の良かった企画書はどんなところが工夫されていたのか研究してみるのもよいでしょう。
⑥最初の目的や背景などに沿った企画書になっているか
企画書がまとまってきたら、最初に立てた目的や企画立案の背景に沿った企画書になっているか確認しましょう。
企画書を作り慣れていないと、途中で当初の目的から外れた提案をしていたり、実現不可能なプランになってしまったりすることがあります。
全体を通して内容の整合性がとれているか、論理が破綻していないか、客観的にチェックしてみましょう。
⑦誤字脱字や体裁の確認はマスト
内容に間違いがないかチェックできたら、誤字や脱字がないか最終チェックを。
最初は敬体を使っていたのに、途中から常体に変わっていないか、数字やアルファベットの表記揺れがないかを確認します。
また、体裁が整っているかどうかもしっかりと確認したいところ。
企画書の書き方は工夫次第でうまくなる
社会人として、避けては通れない企画書作成。提案相手から「いいね!」と言ってもらえる企画書は、ちょっとした工夫を重ねることで作ることができます。
ぜひ、今回ご紹介したポイントを押さえて、“通る企画書”を作ってみてください。
文/佐藤仁美