桃太郎は“ぼく”で浦島太郎は“おいら”?


キャラによって一人称が変わることを「役割語」といいます。少し前に話題になった「1人称童話シリーズ」をご存知でしょうか? 「1人称童話シリーズ」とは、一般的に三人称視点で語られることの多い昔話を主人公が一人称で語る絵本のこと。例えば『桃太郎が語る桃太郎』(高陵社書店)では、桃太郎が「ぼくは鬼がこわいと思いました」と自らのことを語ります。

 

同シリーズは『浦島太郎が語る浦島太郎』(高陵社書店)も発売。桃太郎は自分を“ぼく”と呼んでいたのに対し、浦島太郎は「おいらはもう竜宮城にあきたのでした」などと自分を“おいら”と呼んでいました。

 

また以前は、男子100メートル競走の世界記録を持つウサイン・ボルトさんの日本語訳が話題になったことも。ボルトさんが英語で言った“I”を、日本のメディアは“オレ”と翻訳。「NHK放送文化研究所」は「役割語」を、“男性スーパースター”、“濃いキャラクター性”などによって使い分けていると解説しています。

 

日本語はほかの言語と比べて、一人称を表現する言葉が多いそう。子どもの一人称が変化するのは、自らのキャラクターを変えたいタイミングなのかもしれません。

 

文/河井奈津