妊娠初期に欠かせない栄養素「葉酸」。葉酸は胎児の神経の正常な発達を促す作用を持つため、厚生労働省も妊娠の1か月以上前から妊娠3か月までは、十分な葉酸を摂取するよう推奨しています。 産婦人科で指導されることが多いため、妊活中や妊娠中は十分な葉酸を摂取している方が増えています。しかし「産後は摂取を意識していない」という方も多いのではないでしょうか? 葉酸摂取が必要な時期について解説します。
葉酸にはどんな効果があるの?
妊活・妊娠中に欠かせないとされる葉酸ですが、葉酸にはどのような働きがあるかご存じですか?まずは葉酸の働きについて見てみましょう。
「神経管閉鎖障害」を防ぐ
私たちの脳や脊髄などの中枢神経は、もともと「一枚の板」です。 その板の両端が、妊娠8週頃までにくっついて管状の構造を形成するのですが、葉酸はこの過程で必要不可欠な栄養素。葉酸が不足すると、うまく管状の構造に発達することができなくなるのです。 その結果、無脳症や二分脊椎などの先天奇形である「神経管閉鎖障害」を引き起こすことも。赤ちゃんの命や運動機能などに、重大な影響を与えます。
「貧血」を予防する
葉酸は「ビタミンB12」とともに、正常な赤血球の産生を促す働きがあるため、貧血を予防する効果もあります 妊娠中や産後は貧血になりやすいもの。主な原因は鉄分の不足のため、貧血を予防するには鉄分の補給が必要ですが、葉酸も同時に摂取することでより効果的に貧血を予防することができます。