共働き夫婦、特に妻の毎日のイライラや、ケンカの大きな原因といえばやはり「家事の分担」ではないでしょうか。 フルタイムで働き、子どもを保育園に迎えに行ってからの食事作り~お風呂~寝かしつけ~片付けと息つく間もない毎日。体力的にも精神的にも大きな負担を感じているママは多いでしょう。
しかし、日本では、家事を公平に担当できていると感じる夫婦はまだまだとても少ないのが現状。 家事の分担でイライラ・モヤモヤする時は、少し視点を変えて「家事分散」を考えてみませんか?
「家事分散」は、「家事分担」とどう違う?
家事の負担が夫婦一方だけに偏らないようにするためには、今ある家事を割り振り、夫婦が同じように家事をこなすことが必要と考えられます。
例えば「ゴミを出す」だけではなく、「ゴミの日を覚えておく・カレンダーに書き込む・分別して当日まで保管する・ゴミ袋の補充」などの、いわゆる「見えない家事」を書き出すなどして「見える化」し、夫婦どちらが受け持つのかを見直す…といったやりかたで、家事の総量と担当者を整理していきます。
これが従来の「家事分担」。
しかし、この方法ももちろん有効ですが、それで家事の総量が減るわけではありません。
また、夫が子どもの寝かしつけを担当してみたものの、その後残業が増えてしまって実現できなかったり、「妻が洗濯物を取り込んで夫がたたむ」と決めたものの、妻が子どもの相手で忙しく取り込めていなかったり…と、実際にやってみると、うまく運用できない事態も予想されます。
そこでいま提唱されているのが「家事分散」です。
毎日の家事を分担するだけではなく、その家事をする時間や人を見直すことで、家事の総量を減らしてしまうという画期的な考え方が「家事分散」。
次に、具体的な家事分散の方法をみていきましょう。
家事の分散術その1:「時間」を分散!
家事分散術の1つ目は、毎日やっている家事をまとめたり時間帯を変えたりすることで「時間」を分散させる方法です。
例えば料理なら、特売の鶏ムネ肉を買ってきたらすべてひと口大に切り、3~4等分して下味をつけて冷凍しておきます。
この時、それぞれの味を変えておくのがコツ。
「しょうゆとゴマ油」なら片栗粉をつけて唐揚げに、「オリーブオイルと塩コショウ」ならジャガイモやタマネギとオーブン焼きに、「味噌とマヨネーズ」ならキャベツと炒め物に…と、朝家を出る前に冷蔵室に移して解凍しておけば、帰宅後は焼いたり揚げたりするだけで1品が完成します。
オンライン上で、家の中の備品で足りないものを表にして、夫婦で共有しておくのも良い方法です。
昼休みや通勤中に「シャンプーがそろそろなくなりそう」と思い出したらスマホで記入しておき、早く帰れる日や休日にその表を見て買い物。
お互いに、これ買ったよ!とチェックを入れるようにしておけば、忙しい平日の夜に「あれがない!」と慌てずに済みますね。
家事の分散術その2:「手間」を分散!
2つ目は、便利なツールやグッズを利用して、手間そのものを手放してしまう作戦です。
例えば、食事用のテーブルを拭く雑巾。
洗って数回使えるタイプのキッチンペーパーに替えてしまえば、消毒する手間がかからなくなります。
またキッチンペーパーやトイレットペーパーは、最近は同じ保管スペースなのに長持ちする「2倍巻き・4倍巻き」などの商品が増えています。これらに変えることで、買い出しの回数はもちろんのこと、「トイレットペーパーまだあったかしら?」と気にする回数も減らせます。
また、アイデア商品として、Tシャツやカットソーなどを数枚連結して干せるハンガーがありますが、このハンガーは乾いたらパタンと閉じて省スペースになるので、そのままクローゼットに吊るすことができ、たたむ時間が省けます。
家事分散術その3:「担当者」を分散!
夫婦2人だけで今ある家事を分担するのは、時間的にも体力的にも大変。
それならいっそ、「担当者」を増やしてしまえば解決します。
掃除機、食器洗い乾燥機、乾燥機付き洗濯機などの家電は頼れる第3の担当者。疲れ切ってしまう前にぜひ導入を検討しましょう。
また近年、家事代行サービスの対応エリアが増加傾向なのに伴い、頼める家事の種類や範囲・価格も幅広くなってきており、ハードルはどんどん下がっていると言えるでしょう。
最後に、少し先を見据えた話ですが、子どもに家事を教えていくことも「家事分散」の大切な方法です。
かんたんなお手伝いや、自分のことが自分でできるようになれば、ママやパパの負担が減るだけではなく、本人の将来にも大きく役立ちます。
時短家電や家事代行サービスを利用して時間ができたなら、最初は下手でもいいので、少しずつ子どもにも家事テクニックを教えていきたいですね。
おわりに
家事を夫婦だけで分担するのではなく、視点を広げてゆとりを生み出す「家事分散」。
他にも色々なテクニックやがありますので、月刊誌『CHANTO』や『CHANTO WEB』でもどんどんお伝えしていきますね!
文/高谷みえこ