すぐに調子に乗る、ふざける、その場のノリで発言する…。 「お調子者」キャラの子どもは、周囲の雰囲気を明るくしてくれる人気者だったりします。

 

でも、親としては、将来もずっとこの調子だったらどうしよう?と少し心配になってしまうことも。

 

今回は、「うちの子はお調子者」というママ・パパからのアンケートと先輩ママのアドバイスを紹介。将来どんな子に育つのか予想してみました。

 

わが家の「お調子者」ママ&パパから聞いたエピソード


まずは、2歳から小学校6年生までのお子さんをもつママ・パパに、「お子さんを”この子はお調子者だなあ”と思ったことがありますか」という質問をしてみたところ、結果は以下のとおり。

 

■お子さんをお調子者だと思ったことがありますか

はい…84% いいえ…16%

 

と、圧倒的に「うちの子はお調子者」と感じているママやパパが多いことが分かりました。 が、そもそも子どもの多くはふざけるのが大好きなので、これは想定内の結果ともいえます。

 

また「いつごろからそう感じますか?」という質問には、

 

生後7か月頃から…7% 1歳半頃から…7% 2歳頃から…75% 4歳頃から…11%

 

と、「2歳頃から」という答えが圧倒的多数でした。

 

特に、2歳以降は多くの子が言葉を話せるようになり、自他の区別がついて自分の行動に周りの人が色々な反応をするのが理解できてくる頃です。

 

では、具体的にはどんな時に「この子はお調子者だなあ」と感じるのでしょうか?ママやパパたちの体験談をいくつか紹介します。

 

「自分で作った踊りや歌が大好きで、家族が笑うと何度も何度も繰り返し、自分でも笑いが止まらなくっているところを見るとほんとにお調子者だなと呆れながらも楽しくなります。叱られても、親を笑わせて誤魔化そうとしてきます」(Jさん・33歳・5歳の男の子のママ)

 

「周りの空気を読んだ上でふざけ方の度合いにグラデーションがあり、いけると踏むととことんふざけます」(Tさん・39歳・3年生の男の子のママ)

 

「赤ちゃん時代から色々ないたずらをするのですが、怒られる前にじーっと大人の顔をみて、目が笑うとにたっと笑います。小さい時は可愛いで済んだけど、もう小学生になったのでそろそろどうにかしたい…どうにかなるのかな…?」(Eさん・38歳・1年生の女の子のママ)

 

「なんとか話題に入って盛り上がりたいのか、内容に合わせて、それ◯◯君も言ってた!などエピソードをでっち上げてきます」(Kさん・32歳・5歳の男の子のママ)

 

「幼稚園の発表会で、誰よりも前に出ていて、さらに変顔までしてました」(Uさん・35歳・4歳の男の子のパパ)

 

「質問されると、最後まで聞かずに、とにかく知ってる!できる!わかった!と答えがち。詳しく内容を追及すると、え?何が?ととぼけます」(Eさん・38歳・4年生の男の子のママ)

 

そのほか、アニメやお笑いのネタが気にいると、レストランでも電車でも連発するので困る…というのも、お調子者の子にあるある行動のようです。

 

そして、これらの行動に対し、多くのママやパパが「よその子ならニコニコしてほほえましく見ていられるが、わが子だと本当にやめてと思う」と答えていたのも印象的でした。

 

「お調子者」は長所?それとも短所?


大人になって、誰かの性格を表現するときに、「お調子者」と言えば通常はマイナスのイメージが浮かぶのではないでしょうか。

 

「あの人はお調子者で…」と言うとき、たいていの人が思い浮かべるのは 「その時の雰囲気で思いつきの発言をするので信用できない」 「ヘラヘラしている」 「口では良いことを言うけど、行動が伴っていない」 などの人物像だと思います。

 

しかし、「あの人は嘘つきだ」「彼は冷酷な男だ」などと比べ、「お調子者」については、心底悪い人間だとはとらえられず、どこか憎めないキャラクターとして語られることが多いように思います。

 

 

「調子」が使われている慣用句は他にもありますが、「調子がいい」「調子に乗る」などの言い回しも、

 

「今日はとても喉の調子がいい」 「調子のいいことばかり言わないで」

 

または

 

「その年、画家は調子に乗りたくさんの作品を仕上げた」 「最近あいつは調子に乗っていると評判が悪い」

 

等のように、時と場合によって良くも悪くも使われます。

 

「相手によって言うことをコロコロ変える」 「自分自身の判断基準を持たず(または隠しておき)目の前の人や強い立場の人にいい顔をする」

 

…そんな調子のいい言動は身近な人からの信頼を失ってしまうかもしれませんが、

 

「調子はいいけど、すごく優しいところがある」 「お調子者だけど人を傷つけるようなことはしない」

 

など、他の長所とのバランスがとれていれば、意外と周りからは好かれているのではないでしょうか。

 

お調子者の子、成長後の姿は?


今回は、中高生や成人したお子さんがいるママ数人からもお話を聞いてきました。

 

すると意外な事実が判明したのです。

 

「年少の時はもうどうしようもなくふざけっぱなしでした。いくら注意しても直らないし、一時期は外食もあきらめていましたが、小学校入学が近づいたあたりからどんどん落ち着いてきて、入学後はすっかり普通のふるまいに。ママ友みんなに、変わったねと驚かれました」(Fさん・43歳・中3の男の子のママ)

 

「4歳頃から小学校2年生頃がお調子者のピークでした。今も基本的には雰囲気に流されやすいタイプですが、羞恥心が出てきたのか、学校でもそこまでお調子者キャラではないようですよ」(Mさん・47歳・高校1年生の男の子のママ)

 

ママ・パパから子どもの様子について「周囲がうけたり笑ったりすると、さらに張り切ってふざける」という声もたくさん寄せられていることからも分かるように、お調子者と言われる子は「みんなに喜んでほしい」というサービス精神がとても強い子でもあります。

 

幼児は、泣く・怒る・笑うなど感情のコントロールがきかないのが当たり前。

 

「みんなを笑わせたい」という気持ちが制御できなくなったのが、調子に乗ってふざけている状態とも言えます。

 

年齢とともにそれが制御できるようになってくると、気心の知れた人が少ない場では、本当に喜んでもらえるか分からないため、まずはふざけず様子を見るようになってくることも。

 

もちろん個人差はありますが、別人のように落ち着く子もかなり多いようです。

 

そうなったらそうなったで親としては少し寂しいかもしれませんね。

 

今、お調子者のわが子に困っているママ・パパへ


今回のアンケートでは、お子さんの将来について心配ですか?とも尋ねてみました。

 

結果は以下のようになっています。

  • 心配ではない、このまま育ってほしい…64%
  • 心配なので直したい、対策を知りたい…18%
  • 心配だが親の力で直すのは無理だと思う…9%
  • その他…9%

 

わが子を「お調子者」とは思いつつ、よさを生かしてこのまま育ってほしいと思っている人が2/3と多数派でした。

 

一方で「もう少し落ちついてくれたら…」と心配している人も5人に1人はいることになります。

 

先輩ママ・パパからは、お調子者の子に対してどう接するのがいいのか、経験から次のようなアドバイスを聞くことができました。

 

「ハマっている時は何を言っても無理なので、気が済むまでやらせた方が早いです」

 

「迷惑なこと、失礼なこと、下品なことはとにかく何度もたしなめるしかない」

 

「祖父母世代や周囲から、もっと厳しく言わないから調子に乗るんだと言われることもありますが…ちゃんと言い聞かせていても無理な時はあると割り切りましょう」

 

「無視するとつまらなくなってやめる…と言いますが、時と場合によってはもっとエスカレートするので、あまり期待せず効果があったらラッキーくらいに思っておいて下さい」

 

「子どもの逆張りで、ささやくほど小さい声で注意すると一瞬やめることも。そのあとは無視するようにしていました」

 

よそのお宅や病院など、外出予定が分かっている時は、前もって約束ごとを確認しておくと効果があるといわれています。そしておおむねきちんとしていられたら、たくさんほめて、ちょっとしたお菓子を買ってあげるなども良いですね。

 

人前で妙にテンションが上がる子というのは、実は人一倍緊張しやすいタイプで、その緩和作用としてふざけている場合もあります。

 

頭ごなしに叱るのではなく、「発表会って緊張しちゃうよね」などと共感してあげるのもいい方法。

 

また、人前ではきつく叱られないのでふざけているとか、よその人が笑ってくれるのがうれしくて調子に乗っていると思われる場合は、最近厳しく接しすぎていないか、その子のありのままの姿を認めているか…も少し見直してみるといいかもしれません。

 

おわりに


今回、色々な年代のお子さんのママ・パパに話を聞いてみて、「この子は本当にお調子者だなあ」と思っていても、実は期間限定かもしれない…ということが分かりました。

 

人前で調子に乗り始めると周囲の目もあり親としては大変ですが、家庭では、今しか見られないおふざけ姿を動画に撮るなどして、楽しみながら見守っていけるといいですね。

 

文/高谷みえこ