子育ては、幸せいっぱいな日々の連続…とはいきません。むしろ悩み、ヘコみ、自信を失うことのほうが、ずっと多いのが普通です。子育てで辛さを感じているときに、胸をえぐられる「他人からの言葉」について聞きました。

 

 

いまが一番いいときよ!(加奈子さん/35/営業職)

 

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2歳になったばかりの娘は、おしゃべりも始まってかわいい盛りなのですが、イヤイヤが激しく、正直言うと毎日手を焼いています。些細なことで激しく泣いたり、時間がないときに限ってゴネてみたり、本当に大変で大変で。 そんな状況を、職場の先輩ママに相談してみたのですが…。先輩は笑って聞きながら「いまが一番いときよ! かわいいじゃない!」「もう少し大きくなったら、もっと大変よ!」と、私の話を打ち切り、自分の話を続けました。 「いまが一番いいとき」って、よく言われる言葉です。「子どもはすぐ大きくなるから、いまを大切に」というメッセージが込められているのはわかります。でもこの程度のことで根を上げて、愚痴ったのがいけなかったかと。 「いまの状況にいっぱいいっぱいなのは、キャパが足りない」と言われているように感じてしまいました。(相談しないほうが良かったのかな…)とモヤモヤが募ります。


「かわいそうに」ノイローゼ(直美さん/35/販売員)

 

 

 

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私が育児中に言われて落ち込んだのは「かわいそうに」です。外遊びが好きな3歳の娘を連れて公園へ行ったとき、ベンチに座っていたおばあちゃんに「あらあら! こんなに日焼けして…かわいそうに。女の子は白い肌がいいわよ」と言われたんです。 ほかにも、転んで脚にできた擦り傷を見た義母に「あら、傷ができたの? かわいそうに」と言われて。「かわいそうに」というフレーズが入ると、どうしても「ママの管理が悪くてかわいそう」と聞こえてしまって。 子どもをしっかり管理できていないと、責められているように感じてしまうんです。思い込みなのかもしれませんが「かわいそうに」と言われるたびに落ち込み、当時は「かわいそうにノイローゼ」に陥ってしまいました。 ママは子どものことに関して、いろいろ気にしていて当然ですし、責任も感じて日々過ごしています。どうかみなさま、子育て中のママに「かわいそうに」は、お控えいただけないでしょうか(涙)。


ママは優しいね(ななえさん/35/専門職)

 

 

 

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些細なことをきっかけに、癇癪をおこす5歳の息子。「絵がうまく描けなかった!」「制服のタグがチクチクする!」など、さまざまな理由でスイッチが入ります。 癇癪をおこしたときは子どもの気持ちに共感しながら対処していますし、癇癪をおこさないように先回りして不快となる原因を取り除くことだってあります。しかし、敏感で繊細こだわりが強い性格な息子は、本当に手がかかるのです。

そんな日常を知っている、旦那と義母。日々の辛さを話していると、頷いて聞きながらも「ママは優しいね」と言ってくるのです。この言葉、私には結構辛い言葉で、私の胸に鋭く突き刺さりました。 「ママが優しい」ということは、「私が甘やかしているから息子がワガママになっているのだ」と、育児方法を否定されているようで。叱りつけても逆効果だから、息子の気質に合わせて対応しているのに…。毎日悩み、落ち込みながら子育てしていますが、そんな私の傷口を広げるような言葉に、もう心が張り裂けそうでした。

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本当の悩みや辛さは、当事者でなければ理解はできませんよね。他人からの無責任な言葉を真に受けている暇なんてありません、子どもの成長は日々ノンストップなんですから! 「想像力が足りない人なんだな」と聞き流してしまいましょう。

 

ライター:芦名 柚希
看護師ライターとして活動。優しいものの家事レベルが極めて低い夫と結婚後、現在は3人の子どもの母親業に奮闘中。女性の多い職場や、ママ友の世界にも身を置き、世間の厳しさを実感。ブレずに、自分らしく生きていきたいと思う今日この頃です。