子ども一人当たりの教育費は1000万円以上と言われるなかで、出産直後から計画的に貯蓄しようと、学資保険を検討する人も。でも「学資保険ってどれも同じに見えて、選び方がわからない」という声も聞こえてきます。そこで今回はファイナンシャルプランナーが選ぶ人気の学資保険と、その根拠についてご説明します。

 

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学資保険って本当におトク?


学資保険とは、「保険」という名前がついていますが、傷害・生命保険というよりも、貯蓄や積立という感覚に近いかもしれません。

 

簡単にいうと、子どもの将来のためにお金を積み立てておいて、必要なタイミングで受け取れるという仕組みです。しかも、普通の積立と違って、契約者である保護者に万が一のことがあった時には、その後の保険料の払い込みが免除されるというメリットがあります。

 

ただし、その仕組み自体はどの学資保険も同じなので、保険を選ぶときが「返戻率」がひとつの決め手になります。

 

「返戻率」とは、払い込んだ保険料の総額に対する受取額の割合です。 例えば「返戻率105%」であれば払い込んだ保険料総額の5%多く受け取れることになるので、その分おトクということになります。

 

また、おトクに学資保険に加入したいのであれば、きょうだい割の有無も確かめておきましょう。第二子以降の保険料がかなり安くなるような商品もあるので、きょうだいの多い家庭では返戻率と併せてチェックすべきポイントです。

 

さらに、払い込み終了期間も重要。子どもに関する出費と保険料の支払いが重なってくると、毎月かなりの額を確保しなくてはいけません。例えば、出費が増えてくる中学校入学前に払い込みを終えられる商品であれば、家計に余裕が生まれます。

 

いま選ばれている!人気の学資保険を調査


選ぶ基準はわかっても、多くの保険会社が似たような商品を販売しているので、時間がないママには比較検討する余裕はないですよね。そこで、いまどんな学資保険が人気なのか、その理由も調べてみました。

 

ソニー生命「学資保険スクエア」

学資保険の中でも高い人気を誇るのがソニー生命の「学資保険スクエア」。なぜこちらの保険が人気なのかというと、ズバリその返戻率の高さです。

 

たとえば、契約者(保護者)30歳男性、被保険者(子ども)0歳、保険料の払い込みは子どもが10歳になるまでで終了し受取総額300万円という条件で試算してみました。すると、払い込んだ保険料の総額は279万7,200円なので返戻率はなんと107.2%という結果になります。これだけの返戻率を期待できるのはほかにあまりありません。

 

中学、高校、大学のタイミングで進学に必要な額資金を受け取れるⅠ型、大学などの進学資金を受け取れるⅡ型、大学進学後毎年進学に必要なお金を受け取れるⅢ型と種類があり、使い分けることができます。出費の増える中学進学前に保険料を払い終えたいとか、家計に負担をかけず18歳までに保険料を払い終えたいなど払込期間も選べるのも人気の理由です。

 

日本生命「ニッセイ学資保険」

ソニー生命「学資保険スクエア」の次に注目したいのが日本生命「ニッセイ学資保険」。こちらも返戻率100%以上が期待できます。契約者(保護者)30歳男性、被保険者(子ども)0歳、保険料の払い込みは子どもが18歳になるまでで終了し受取総額300万円とすると返戻率は104%に。この場合でも月払いの保険料は13,350円と家計にやさしく、無理なく計画的に進学費用を用意できるところが支持される理由となっています。

 

また、日本生命という伝統ある保険会社ならではの育児相談ほっとラインも安心できるサービスの一つ。24時間365日無料で、小児科医や医師・看護師、管理栄養士などに相談が可能なのです。さらに、保険料の払い込み期間を5年、10年と短くすることでさらに高い返戻率を実現することができるのも魅力的ですね。

 

フコク生命「みらいのつばさ」

フコク生命「みらいのつばさ」も人気商品の一つです。契約者(保護者)30歳男性、被保険者(子ども)0歳、保険料の払い込みは子どもが11歳になるまでに終了し受取総額210万円であるとすると返戻率は104.7%に。

 

さらに特徴的なのは、2人目の子どもがいる場合に兄弟割引が適用されて保険料が安くなるという点です。子ども2人目、3人目と考えている場合にはこの保険がオススメです。

 

明治安田生命「つみたて学資」

明治安田生命「つみたて学資」はその返戻率に注目です。契約者(保護者)30歳男性、被保険者(子ども)0歳、保険料の払い込みは子どもが10歳になるまでに終了し受取総額210万円であるとすると返戻率は105.7%に。一括で払い込みすると109.0%という高い返戻率を実現することも可能です。

 

保険料の払い込みが15歳までで終わることもポイントですね。高校生以降は特にお金がかかるようになりますから、それまでに保険料の払い込みを終えて家計の負担を軽くしておきたいところです。

 

教育資金を貯める方法として学資保険が人気な理由


さてここまでさまざまな学資保険をご紹介してきましたが、わざわざ学資保険を使って教育資金を貯める必要があるのか、と思う人もいるかもしれません。なぜ学資保険を利用して教育資金を貯めるのでしょうか。その理由をいくつかご紹介します。

 

保護者に万が一のことがあっても教育資金が残せる

普通の積立と違って、学資保険は保護者に万が一のことがあったときに子どもに教育資金をのこしてあげられるというのが一番大きいでしょう。 今は元気でも、5年・10年先はどうなるかは誰にもわからないものです。どんな状況下でも、子どもの学業が経済的な不利益を受けにくいという点が、ただの貯金ではなく学資保険を利用する一番の意味かもしれません。

 

必要なタイミングでお金が受け取れる

中学・高校・大学進学など、ある程度まとまった教育費が必要になるタイミングはあらかじめ決まっています。学資保険を利用することで、お金の管理が苦手な人でも、そのタイミングに向けて計画的に貯めていけるというのは非常にありがたいですよね。

 

投資に比べて低リスク

学資保険は投資のように難しいものではなく、リスクも小さいので誰でも安心して利用できるというのもメリットです。低金利なので銀行にお金を預けておいてもリターンが期待でいないけど、投資はリスクを考えると抵抗が…という人にも向いている貯蓄法と言えます。

 

短期で集中的に貯められる保険も

一部の保険なら、保険料の払い込みが中学進学前に終わるものもあります。保険料の払い込みが10年だったら子どもが小学生のうちに終わるので中学生になる前に高校大学などで必要となる教育資金の一部がしっかり貯まることになります。また、払い込み期間が15年であってもよりお金がかかるようになる高校進学前に集中して貯められるというのは大きなメリットなのではないでしょうか。

 

教育資金を貯めるなら学資保険も選択肢の一つ


いかがでしたか。学資保険は子どもの教育資金を貯めるうえで非常に重要な選択肢の一つと言えます。しかし、子どもの進路によっては学資保険に加入しているだけでは不足する場合もあります。学資保険だけですべてを賄うということではなく、学資保険を軸として子どもの教育資金を貯めるということを考えていきましょう。

 

文/大塚ちえ