子どもが成長するうえで欠かせないと言われるお昼寝ですが、「うちの子よく寝るけど寝すぎじゃないかしら」「お昼寝っていつまでするものなの?」など心配になるママも多いのではないでしょうか?
ここでは、子どものお昼寝の必要性や必要な時期などを分かりやすくまとめてみましたので、参考にしてみてください。
子どもにとって理想的な睡眠時間はどれくらい?
新生児期の赤ちゃんは一日の大半を寝て過ごしますが、3~4か月ごろになると昼夜の区別がつき始めるので、夜まとまって寝るようになってきます。
さらに、寝返りをし始めたり体を動かして遊び始めたりすると、一度に寝ている時間が長くなっていき、だいたい1歳ごろまでに生活リズムがついてくると言われています。
米国睡眠医学会が発表した、推奨される睡眠時間の目安としては
- 生後4ヶ月~1歳頃までは 12~16時間
- 1~2歳 11~14時間
- 3~5歳 10~13時間
- 6~12歳 9~12時間
- 13~18歳 8~10時間
と言われています。
子どものお昼寝の役割は?
1.体力を回復させる
子どもに限らず人間は睡眠中に体の疲れを癒やしているのですが、体力のない子どもにとって、夜の睡眠だけでは十分に体を癒やすことができません。
子どもは、生まれてから生きていくために必要なことを自然に学んでいきますが、それがとても大きなストレスや刺激となるのです。
お昼寝することによって、目が覚めている時に受けた疲れを回復させる役割を果たしています。
2.成長ホルモンの分泌
主に、“子どもの身長を伸ばす働き”をすると言われている成長ホルモンですが、成長ホルモンには他にも“体内の代謝を促す作用”があると言われています。
体内にある物質をエネルギーとして使える物質へ変えていく働きがあるため、活発に動き回る子どもにとっては、とても重要なホルモンなのです。
成長ホルモンは睡眠中にもっとも多く分泌されるため、育ちざかりの子どもにとって、お昼寝はとても大切と言えます。
3.免疫力を高める
大人にも言えることですが、風邪やインフルエンザにかかると眠くなることがあると思います。
これは体内に入り込んだ細菌やウイルスと戦うために、免疫力をあげようとする働きなのです。
寝ることは免疫力を高めて健康を維持するためにも重要なことなのです。
4.記憶を整理している
子どもは目が覚めている間にたくさんのことを記憶します。そして、寝ている間に記憶したことの整理をしていると言われています。
成長するにつれ、目にするもの・覚えることも膨大な量になっていきますが、寝ることでひとつひとつを整理し、身につけていけるようになるのです。
5.情緒を安定させる
寝ることは脳を休ませ、ストレスの緩和になると言われています。 一日にたくさんの刺激を受ける子どもにとって、お昼寝は気持ちを落ち着かせ情緒を安定させる大切な時間なのです。
そしてお昼寝をして情緒が安定することで、夜も落ち着いて寝つきが良くなることもあります。
お昼寝はいつまで必要?
これは個人差もあるため、「何歳まで」といったことはありません。
一般的には2歳ごろまではお昼寝が必要とされていますが、2歳でもほとんどお昼寝をしない子もいれば、5歳になってもしっかりとお昼寝をする子もいます。
だいたい3歳ごろになると、お昼寝をしなくても一日過ごすことができる体力がついてくると言われているので、3歳を過ぎてお昼寝をさせる場合は、夜の睡眠に影響が出ないように気を配るといいかもしれません。
お昼寝の回数
1歳を過ぎると、午前と午後に2回だったお昼寝が1回になる子どもが増えてきます。
ですが、これは個人差にもよりますし、保育園や幼稚園など過ごす環境にもよりますので、2歳なのにまだ2回お昼寝している…などと気にしなくてもいいと思います。
1回から2回になるのには、その子に合ったお昼寝のタイミングがあるので、それに合わせてあげましょう。
お昼寝でなかなか寝付かないときは?
テレビやスマホの光は、睡眠を妨げてしまい、睡眠の質を下げてしまうため、お昼寝の際には消すようにしましょう。
そして、カーテンは閉めてなるべく薄暗くすると寝付きやすくなります。また、ママやパパが添い寝したり絵本を読んであげたりするのも効果的です。
最後に
子どもの健やかな成長のために、お昼寝はたくさんのメリットがあります。
親がしてあげられることは、子どもが安心して眠れる環境を整えてあげることと、生活リズムを整えられるように導くこと。子どもによってお昼寝のペースは違いますので、焦らずゆっくりリズムをつけていってあげてくださいね。
文/富樫真由美
参照/ヨミドクター「子供の睡眠時間、足りてる?―米国睡眠医学会から指針」 https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20160622-OYTET50029/