はじめての出産を控えたプレママは、赤ちゃんのために準備するものがたくさんあります。衣類やおむつ、哺乳瓶やベビー布団など、取り急ぎ必要なものだけでも結構な数が必要です。
そんな中、意外と見落としがちなのが赤ちゃんと過ごすスペース作り。生まれたばかりの赤ちゃんと言えど、常にベッドや布団の上で過ごすわけではありません。
基本的には四六時中ママと行動を共にするため、ママがリビングにいるときにはリビングに、寝室にいるときには寝室に、といった過ごし方になるでしょう。
本コラムでは、赤ちゃんの快適さとママのお世話のしやすさを兼ね備えたスペース作りについて、ご紹介したいと思います。
これから赤ちゃんを迎える方は、ぜひ参考にしてみてください。
ケガをしないためには「まるく・やわらかく」がポイント
一般的には、生後5~6カ月目になると、赤ちゃんは寝返りをすると言われています。寝返りの次はおすわり、ずりばい(ほふく前進のような動作)、ハイハイ、つかまり立ちと、できることが徐々に増えていきます。
成長が喜ばしい一方で、ママにとっては目が離せない状況が続きます。ちょっと目を離した一瞬をついて、家具などの角でケガをしてしまうこともあります。
そういった事故を防ぐために意識したいのが、角をなくして「まるく・やわらかい空間」を作ることです。
リビングや寝室はママが最も赤ちゃんと過ごすことの多い空間です。しかし、家具が多く置かれた危険地帯でもあります。
例えば、テレビ台。赤ちゃんがつかまり立ちをするのにちょうどよい高さで、大好きなテレビも置かれているこの場所は、多くの赤ちゃんのお気に入りです。
しかし、つかまり立ちができるようになったばかりの赤ちゃんはまだ不安定で、転倒がつきものです。うっかり転んでしまったときに、角張ったテレビ台の角で頭をぶつけてしまう事故は多発しています。
また、テレビ自体が台や壁に固定されていない場合、力のついてきた赤ちゃんにより倒されてしまう危険性もあります。
こういった事故を防止するために、テレビ台ガードやコーナークッションというものが販売されています。
テレビ台ガードはテレビ台をぐるっと一周囲ってしまう柵のようなものです。そもそもテレビ台でつかまり立ちをさせたくない、テレビに触れさせたくない、というときに使用します。
コーナークッションは家具の角に貼るシールのようなもので、テレビ台だけでなく、テーブルやたんす、ベッドなどに利用できます。最近では、巻きテープタイプのものも販売されているため、イスの脚や壁の角など使うのもよいでしょう。
寝室では「高さ」に注意
寝室で赤ちゃんと寝る場合、ベビーベッドを使われるご家庭もありますが、ママと同じベッドで添い寝しているというご家庭も多いでしょう。しかし、大人用ベッドに赤ちゃんと寝る場合は転落事故に注意が必要です。
転落防止のためのベッドガードも販売されていますが、つかまり立ちができるようになった赤ちゃんの場合、このベッドガードを乗り越えて転落してしまい、大けがにつながるといったケースも少なくありません。
こういった事故を予防するための商品は、注意書きをよく読み、赤ちゃんの月齢や発達状況に合ったものを選ぶことが重要です。
また、赤ちゃんが小さいうちは敷布団を利用するという方法もあります。
リビング・寝室共通!オムツ替えスペースはコンパクトに常設
生まれたばかりの赤ちゃんは日に10回以上のおむつ替えが必要と言われています。消化器官や括約筋が未発達のため、口から取り入れたミルクはほとんど直通のように排泄されるからです。
いつでもどこでもおむつ替えをしなければならないため、パパママが少しでも楽にお世話をできるため、おむつ替えスペースを数カ所に設置しておくのがおすすめです。
用意するものは以下の通りです。
- おむつとおしりふきを収納したコンパクトな箱
- おむつ替えシート(バスタオルやクッションマットなどでも可)
これらを寝室、リビングといった、普段赤ちゃんとよく過ごすスペースに設置しておきます。
必要なときにすぐにサッとおむつ替えができるので、作業効率がよくなります。
赤ちゃん訪問でチェックを受けるのもおすすめ
核家族の家庭が大半を占める現代では、日中は赤ちゃんと二人きり、ママ友もいない、といったような環境から、孤独を感じるママも多いようです。
しかし、赤ちゃんとの生活について悩みを共有したり、他のご家庭のやり方などを知りたいと思ったりすることもあるでしょう。
そんなときに頼りにしたいのが赤ちゃん訪問です。
赤ちゃん訪問は、生後4ヶ月までの赤ちゃんがいるご家庭に、地域の保健師さんやサポートスタッフの方が訪問するという政府の事業です。
このとき、赤ちゃんの身長、体重や健康状態のチェック、ママの体調や精神状態などのヒアリングが行われます。
子育てについて専門の知識を持った方たちのため、疑問や不安に思ったことをあらかじめメモしておき、聞いてみるのもおすすめ。
さらに、せっかく自宅まで来てもらえるので、部屋の様子を見てもらい、危険はないか、どうすれば赤ちゃんが快適に過ごせるようになるかなど、アドバイスしてもらうのもよいでしょう。
赤ちゃんが快適に過ごせる空間は、大人の感じる快適な空間とは異なります。危険をできるだけ回避し、ママも赤ちゃんも快適に過ごせる環境を作ってみてくださいね。
文/富樫真由美