忘年会や新年会、あるいは歓送迎会なので飲食店を利用することがあるかと思いますが、そんなとき、皆さんは単品で注文しますか?それとも飲み放題を利用しますか?
居酒屋などのプランとしてなじみのある「飲み放題」はお得感があり、メジャーなものとなっています。
しかし「飲み放題」は本当につけた方がお得なのでしょうか?
飲み放題で元は取るためには◯杯以上飲む?
せっかく飲み放題を頼むのなら、できれば元をとりたいところ。
例えば2時間2,000円の飲み放題をつけたとします。1杯500円でビールを提供しているお店であれば、単純計算でビールを4杯飲むと元が取れる計算になりますね。
原価で考えると、ビール1杯平均原価150~200円だそうなので、ビールをおよそ10~13杯飲むと元が取れるということになります。
ビールは原価が高いので10~13杯で元が取れる計算になりましたが、サワー系やカクテル、酎ハイになるとさらに原価は下がり、種類にもよりますが1杯20円~100円ほどの原価だそう。そのため、ビールよりも大量に飲まなければ元は取れません。
飲み放題は30分前にラストオーダーとなる場合が多いので、2時間の飲み放題の場合は1時間半でおよそ10杯以上の飲むと元が取れる計算になります。
お酒好きな人であれば難なく飲める量なのかもしれませんが、2、3杯程度で十分という人にとっては、元を取るのはなかなか難しそうです。
「元が取れる」だけで判断するのはもったいない!
元が取れるかどうかという点で考えると、お酒好きではない人にとってはあまりメリットがないように思える「飲み放題」。しかし、「元が取れる」以上のメリットもあるんです。
金額が明確なので、幹事にとって便利
みなさんも、一度は会社や職場の飲み会の幹事を任されたことがあるのではないでしょうか?
参加する人数も多く、年齢層も好みもバラバラの人が一堂に会する飲み会をセッティングするのは、かなり骨が折れます。
そんなとき便利なのが飲み放題。あらかじめ金額と時間が設定されているため、予算やスケジュールに合わせた飲み会を考える幹事にとっては、ありがたいプランです。
その上、価格が決まっているため、食事をする前から集金することができたりと、最後の会計までの流れをスムーズに済ますことができます。こういった効率の良さは飲み放題の大きなメリットではないでしょうか。
割り勘で揉めない
飲み放題の場合、参加者はあらかじめ料金と時間を把握しているの金額面でトラブルになるようなことはほとんどないと言えるでしょう。
特に、飲む量に差がある参加者を集めた飲み会で割り勘をすると、どうしても飲む量が少ない人は不公平感を覚えてしまいます。
親しい友達同士の飲み会であれば、厳密な割り勘をしたり、多く飲んだ人に多めにお金を出してもらうこともできるかもしれませんが、仕事がらみの飲み会だと、なかなかそうもいかない場面が出てきてしまいます。
そんなとき、飲み放題であれば、お酒を多く飲む人でも、ソフトドリンクだけの人でも支払う価格に差はないので、金銭的なトラブルを避けることができます。
実は飲み放題にはお店側にもメリットがある?
お客さん側にとってメリットの多い飲み放題というシステムですが、お店側にもメリットがあるようです。
例えば、飲み放題の予約が入っていれば、その日の予算のめどが立ち、人件費などの調整ができるようになります。
さらに飲み放題の終了時間が決まっていることで回転率を上げることも。
終了時間が明確であれば、お客さんが退席したあとに次の予約を入れることが可能であり、新規のお客さんを入れることができれば売り上げを積むことができます。
また、飲み放題があることによって、お客さんに選ばれやすくなるという面もあるので、来店者数を増やすことを目的として飲み放題サービスを提供している店舗もあるようです。
幹事の手間軽減まで含めて“元を取る”と考えてみよう
飲み会というのはさまざまな種類があるものです。
親しい友人だけでじっくり飲みたいというときや、お酒にこだわりのある仕事仲間とゆっくり飲みたいというときは、単品注文の方がおすすめです。
しかし、大人数が集まる飲み会などでは、飲み放題の方がトラブルが起きにくく、幹事もラクができるというパターンが珍しくありません。
つい金銭的な意味で「元を取る」ということを考えてしまいますが、無用なトラブルを避けたり、幹事の手間を軽くしたり、金銭でわかりやすく測れない点も含めて、「元を取る」と考えれば、飲み放題はお得です。
状況に合わせて単品注文と飲み放題を使い分け、楽しい飲み会にできるといいですね。
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文/小野寺香織