子どもの成長は親にとってうれしくもありますが、一方で寂しさも感じるもの。ただ寂しさのあまり、それを「心配」という言葉に置き換えて、子どもを自分の手の内に置いておこうとしてしまう母親もいるようです。気づけなかったけれど「心配と寂しい」を混同していたという母親に、当時を振り返ってもらいました。
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■「寂しくて眠れない」のはどっち?(今日子さん/40歳/調理員)
夏になると子どもたちだけで合宿に行く地域行事があります。未就学児までは保護者同伴ですが、小学生になるとほとんどの子どもがひとりで参加し、友だち同士でキャンプや水遊びを楽しみ、一泊して帰ってくるというもの。 小学校3年生までは他の親たちも一緒に参加していましたが、私は4年生のときも参加しました。そして5年生の合宿申し込みのときには、ついに息子から「もう来ないで」と言われてしまいました。 ひとりで合宿に向かう朝、息子に「夜寂しくて泣くんじゃないの?」と聞いてみたのですが、「は? それは母さんだろ?」と言われてしまい、ハッと気づきました。私は「心配」していたのではなく「寂しかった」んだと。 実際に合宿の日の夜、私は寂しくて眠れませんでした。これから息子には、修学旅行や部活の合宿もあるでしょう。そのたびについて行くわけにはいきません。自分の寂しさを認め、子離れしないと…と決意しました。