赤ちゃんにたくさん話しかけると脳の発達にいいと言われますが、それって意外と難しいこと。照れもあるしネタも尽きる、会話にならない相手に話す虚しさもある。だいたい、何を話したらいいのか…途方に暮れてしまいますよね。いわゆる〝無言育児〟から、ちょっとユニークな脱出をした先輩ママに、話を聞いてみました。
■1人2役で「とにかくしゃべる」こと(由美さん/30歳/飲食店)
3か月の赤ちゃんがいます。少しずつ生活にリズムがついてきて、育児にも余裕が出てくると気になってきたのが、日中の静けさです。まだヘラッと笑うか泣くことしかできず、話しかけても反応も乏しい時期。自分の寂しさを紛らわすためにも「会話形式」で育児すると意外と楽しいことを発見しました。
「オムツ替えようねー!」
「はーい、ママ! よろしくお願いしまーしゅ」
「スッキリしたー?」
「うん、お尻サラサラでしゅー!」
「それは、良かったわ! オムツ、ポーイッ!」
といったやりとりを、一人二役でしゃべっています。もう恥じらいもなくやっていますが、ヤバイ人ですかね(笑)。でも、赤ちゃんの反応が良くなったり私の笑顔も増えたりと、良いことづくしです。 育児中は「夫以外の人と一日じゅう会話しなかった」という日もあるので、とにかくしゃべることが大事だと思います。
■実況中継するとクスッと笑える(遥花さん/33歳/販売)
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娘は9か月になりましたが、まだ話ができない赤ちゃんと過ごしていると、無言になりがちです。そこで私は、娘の行動を実況して寂しさを紛らわしています。例えば、ご飯のときはこんな感じです。 「〇〇ちゃん、パンを手に取りました。さぁ、どうする?」
「はい、投げたー! 豪快に投げました! ポイポーイ!」
「次はどうする? バナナを…食べたー! そして、ニタっと笑った、かわいいですねー!」
と、娘の行動や表情を見ながら、一部始終を実況中継。 「無言育児」を乗り越えられるうえに、私の笑顔が増えた気がします。まともに取り合っていたらイライラしがちなこともクスッと笑えたりして、育児が少し楽に感じるようになりました。
■笑いのツボを見つけながら(紀子さん/34歳/会社員)
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6か月になる息子ですが、赤ちゃんに話しかけるのは照れもあって、何となく恥ずかしく思っていました。でも最近では、だんだんと表情豊かになってきて、息子の笑いのツボを探すことが楽しくなってきたんです。
静かなときは「じゃあママが、〇〇ちゃんを…コチョコチョ~! ツンツンツンー!」と話しかけながらスキンシップをとります。息子が笑うと私も嬉しくなって、もっと笑わせようと気合いが入り、自然と話しかける言葉も増えてきました。
息子は、繰り返し同じことをするとよく笑ってくれる気がします。笑いのツボを探しながら、笑顔と変顔を駆使して楽しんでいます。鉄板ネタが見つかると、ちょっとやりがいも感じますし、退屈だった育児が少しラクになりました。
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育児しながら話しかけるのは、赤ちゃんの発育だけでなくママのメンタルにとっても大切なこと。三人の話を聞いて「話す内容はなんでもいい、とにかく口を動かしてみること」が有効だと感じました。「何か話さなきゃいけない」と悩んでいるより、まずは思ったことをどんどん言葉にしてみませんか。
ライター:芦名 柚希
看護師ライターとして活動。優しいものの家事レベルが極めて低い夫と結婚後、現在は3人の子どもの母親業に奮闘中。女性の多い職場や、ママ友の世界にも身を置き、世間の厳しさを実感。ブレずに、自分らしく生きていきたいと思う今日この頃です。