夢のマイホーム。「子どもが小学校に入る前にマイホームがほしいなあ」「リビングを見渡せるキッチンがほしいなあ」「親と一緒に住めたら」などと考えるのではないでしょうか。その一方で、マイホームがほしいけれど返済負担を減らしたい、借入額を増やして二世帯が満足して住める家にしたいという方に、近年注目の親子ローンについて、子の立場からメリットと注意点をご紹介します。
〇親子ローンとは
親子ローンとは、1つの物件に対するローンを、親と子で返済していくローンのこと。借り入れ当初は親が返済し、その後、子が引き継ぐというリレー形式で返済していく『親子リレーローン』と、借り入れ当初から親子で返済していく『親子ペアローン』があります。取扱金融機関によって商品名が異なったり、商品内容に若干の違いも見られたりしますが、いずれにしても親子で返済することがポイントです。 親子ローンは、親子が返済義務を負う債務者となることは分かりました。しかし、親が払えなくなった時点で、子が債務者になる手続きをとればよいと思いませんか? そのようにしない理由の1つに、住宅ローンの債務者は簡単に変更できないという点があげられます。住宅ローン契約の過程を考えてみましょう。必ず、審査がありますね。住宅ローンの審査では、債務者の返済能力を確認しています。これにより保証会社が引き受けに要する保証料や返済条件が決められていますので、債務者が変更になれば審査もやり直さなければならなくなります。その結果、残念ながら返済の意思があっても、子が親のローン返済を引き継げないということも出てきてしまうのです。 では、親子ローンがどのような場合に利用できるのでしょうか。一般的な住宅ローンと異なる部分をピックアップしました。 ・資金の使い道:現在もしくは将来同居予定の建物・住宅用地の購入
・団体信用生命保険:加入が必須となっている場合、親子ペアローンは親子が、親子リレーローンはどちらかの加入が必要となる
・利用できる人:現在もしくは将来、同居の親と子(実子または養子)または子の配偶者
※金融機関や商品によって、異なる場合があります。 親子ローンの利用にあたっては、返済だけでなくどのように暮らしていくか、親子の意思統一が大切です。