核家族が多い現代、どこで出産しようか迷うママも多いようです。そんな中、少しでもママが安心して出産できるよう、慣れ親しんだ場所での出産を選ぶ人もいます。いわゆる里帰り出産です。

 

今回は、より安心して出産を迎えられるように、お手伝いの思いを込めて里帰り出産のメリット・デメリットについてご紹介します。すでに里帰り出産を決めている方も、先に知っておくことで、些細なことに動じることなく出産を迎えられることでしょう。


里帰り出産のメリット

まず、何より"安心"というメリットが大きいでしょう。

 

勝手のわかった場所、祖父、祖母となる自分の父母がそばにいてくれることは、これ以上なく心強いことです。出産育児の大先輩である実母に、じかにアドバイスしてもうこともできます。

 

実家にいると、話し相手が増えるというのも大切なポイントです。何でもない日常会話でも、産後のママにとってよい気分転換になります。

 

また、赤ちゃんのお世話に集中できるというメリットもあるでしょう。

 

出産は本当に人生の一大イベント。体力の消耗だって相応のものがあります。出産直後の身体が今まで通り動くはずもなく、ホルモンバランスの関係で思考もちょっと鈍りがちになる中で、赤ちゃんのお世話に加え家事をするのは簡単なことではありません。

 

里帰り出産をしたならば、自分の身の回りのことなど甘えられるところは素直に甘えましょう。赤ちゃんとの時間をゆっくりたっぷり持てます。赤ちゃんにとっても心地よい環境となることでしょう。産まれてすぐから祖父母にも抱っこしてもらえる、そばにいてもらえるというのは、ママが感じているのと同じように、赤ちゃんの安心感にもつながります。

 

産後はナイーブになりやすいもの。どんなに赤ちゃんがかわいくても、心も身体も慣れないことが続いてつらくなることもあるでしょう。祖父母に手伝ってもらって、自分自身をリラックスして回復させてあげられるのも里帰り出産の大きなメリットだと言えるでしょう。

 

■里帰り出産のデメリット

赤ちゃんにとっても、ママにとっても、とてもリラックスできる環境のはずなのにいったいどんなデメリットが?と思う方もいるかもしれません。

 

先輩ママからは、頼りにしていた祖父母からのアドバイスが、出産で疲れた心身に負担となったという声がありました。赤ちゃんとの関わり方、お世話の仕方など、時代に伴う変化が大きく、考え方の違いに戸惑いストレスを感じてしまうことがあるのかもしれませんね。

 

赤ちゃんとパパがしばらく離れていることで、パパの自覚が育ちにくいとも言われています。赤ちゃんと離れていることで、赤ちゃんとの生活のイメージがわかず、里帰り出産から戻ったママがこれまで通り家事をこなせると考えてしまうことがあるようです。休みの日に実家にパパが来たときは、抱っこやおむつ交換をお願いして、赤ちゃんと触れる機会を増やしてあげるといいでしょう。なかなか会いに来られないパパには、写真や動画を送って赤ちゃんを身近に感じてもらうといいですね。

 

産後の役所手続きが、一気にできないことをデメリットと感じる人もいます。出生届は全国どこでも提出できますが、出生に伴う児童手当や健康保険、乳幼児医療費助成の手続きは、住所地の役所で行う必要があります。さらに、産後すぐに適用してもらうには、児童手当は出生翌日から15日以内、乳幼児医療費助成は生後14日以内など手続き期限が設けられているものもあるので、注意が必要です。

 

このような役所手続きは、ぜひ、夫婦で協力して乗り切りたいですね。ママ一人で抱え込むのではなく、パパに協力してもらうことで、パパの自覚も育っていきますよ。

 

また、気心の知れた実家だからこそ、リラックスして甘え過ぎ、自宅に戻ってから身体が思うように動かないこともあるようです。祖父母もはりきってお世話をしてくれるかもしれませんが、自宅に戻る日が近づいてきたら、少しずつでも家事を手伝うなど身体を動かすようにするとよいでしょう。

 

里帰り出産を決める前に

里帰り出産を有意義なものにするためには、ママ自身の都合だけでなく、実家やパパの都合を考慮することが大切です。実家には迎える準備があるかどうか、パパはママがいない間一人で困ることはないか配慮しましょう。くれぐれも自分一人で決めないでください。実家に両親以外の同居者がいる場合は、そちらも配慮が必要です。

 

また、お住まいの地域と実家がある地域で、産科事情が異なることも多くあります。実家の地域に産院がなく、里帰りしてからの通院などに苦労するケースもあります。産院の予約、交通手段、いざというときのサポート状況など事前に調べておきましょう。

 

妊婦健診や乳幼児健診は、自治体によって助成が異なります。里帰り出産をする場合は、どのような助成を受けられるか、どんな助成を受けられるかなども事前に調べておきたいですね。


まとめ

ゆったりとした気持ちで出産を迎えるために、里帰り出産は選択肢の一つです。しかし、手続きなど、細かな配慮や下調べが必要になるのも事実。赤ちゃんとママがおだやかに出産を迎えられ、ゆっくり子育てができる環境を一番に考えて、自分にぴったりの選択ができるといいですね。