おにぎりや海苔の佃煮など、日本の食卓に欠かせない“海苔”。じつは今年の海苔は46年ぶりの大凶作で、この夏は海苔の値上がりが予想されているそうです。なぜ海苔の収穫量がここまで不作なのかというと、原因は“海の変化”にありました。

 

海が綺麗すぎて海苔が不作に!?


海苔の大凶作について取り上げたのは、7月17日放送の『あさイチ』(NHK)。養殖技術の発達によって生産量が増えた海苔ですが、ここ数年の不作により発達以前の水準にまで落ち込んでいます。特に今年は、海苔の国内消費量に対しておよそ20%も不足する事態に。

 

不作の原因は主に2つ。まず1つ目は、「温暖化」による海水温の変化です。本来海苔は、海水温が23度以下にならないと十分に成長しません。ところが近年は23度を下回る時期が遅くなり、海苔の収穫期が短縮。その分、収穫量も減少してしまいました。

 

さらに2つ目には意外な原因が。東京海洋大学准教授・二羽恭介先生によると、“海が綺麗になりすぎたこと”も海苔の不作に繋がっているといいます。海が綺麗になった理由は、下水処理のおかげ。しかしその一方では海苔の栄養分になる「リン」や「窒素」まで除去されてしまい、海苔が十分に育たなくなっているようです。