神経質な子供のイメージ

「神経質」というと、「細かいことをいちいち気にする」「おおらかさがない」など、悪いイメージにとらえられがちですよね。 そのため「治したい」と思うものの、生まれつきの気質はそう簡単に変えられず悩んでいる人も少なくありません。

 

そして「うちの子、神経質で心配なんです」というママもたくさんいます。

 

今回は、神経質と言われる子どものタイプ別に、どう接するといいのかを考えてみました。

 

「神経質」といってもいくつかのタイプがある


ひとことで「神経質」と言っても、その子のタイプによって、どんな場面で神経質な面が出るのかが違います。また、下記のいくつかが入り混じっている子もいます。

 

先輩ママたちに聞いたお子さんの様子をもとにまとめてみました。

 

納得しないと動かない

小さい頃から、大人のペースで次の行動に移ろうとすると「イヤ!」と拒否したり、自分のやり方でさせてもらえないと怒ったり泣いたりします。 しかし、何事も自分が納得するまでうんと言わないのは、理解力や思考力が高い証拠でもあります。

 

慎重、失敗を恐れる

初めての場所や慣れない環境に飛び込んでいくことをせず、安全かどうか念入りに見極めてからでないと行動に移しません。 先のことを考えすぎて心配になるのは、頭の回転が早く、先を見通せる能力が高い表れともいえます。

 

ちょっとしたことで泣く、叱られるとショックを受ける

他の子と同じ調子で注意しただけなのに、大きなショックを受けて泣いてしまったりします。 親はもどかしい気持ちになることもありますが、その分友だちにも優しく、意地悪やきつい口調で話さないため、人気者であることも多いです。

 

繊細で想像力豊か

赤ちゃんの頃から、ちょっとした物音で目を覚まして泣く子が多く、台風や雷・花火などの大きな音も人一倍怖がります。虫が飛んできたり、犬が近づいて来るとビクビクすることも。 オバケや自分の想像した天災なども怖がるのは、想像力が豊かな証拠でもあります。

 

身体の感覚が敏感

洋服の袖が水に濡れたり、靴がどろんこで汚れたり、ちょっとすりむいたら気になって何もできないなど、身体の感覚が過敏な子もいます。 大人から見ると、神経質なだけで気にしなければいいのにと思えますが、本人は実際に大きな苦痛を感じていると言われています。

 

完璧主義

折り紙のカドがきっちり合わないと何回もやり直し、うまくいかなくて癇癪を起こしたり、時間割チェックを何回も何回もする、漢字ドリルが気に入らなくて何回も書き直すなど、大人から見ると時に病的と思えるほど。 しかし、世界のトップアスリートや大企業のCEO・学者などには、子ども時代こういうタイプだった人が多いことも分かっています。集中力が並外れて高いということでもあります。

 

家でだけ神経質になる

「うちの子、園や学校では特にこだわりを貫くでもなく集団生活を送れているのに、家ではちょっと汚れた、失敗した、モノが揃っていないなどで泣いたりごねたりするんです」という悩みも耳にします。 付き合うママは大変ですが、外では本来は耐えられないような「汚れた」「雑な仕上がり」などに必死で耐えているのだとしたら、非常に大きな努力を毎日しているすごい子だとも言えます。

生まれつきの傾向

上記のほか、生まれつき「HSC(Highly Sensitive Child)※大人はHSP(Highly Sensitive Person)」と呼ばれ、周囲の音や光などの刺激、他人の感情に大きな影響を受けるタイプの子も。

 

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また、成長過程で特定の機能だけが発達から抜け落ちていることを「感覚統合」がうまくいっていないといいます。 他の部分は順調に発達しているためパッと見では分からないことも多く、「どうしてこんなに服が濡れただけで嫌がるのか」と不思議に思ったり、「まったく砂や粘土にさわれず泣いてしまう」と保育士さんから指摘され、よく調べてみたら、感覚統合のトラブルだった…という例もあります。

 

ママが神経質だと、子どもも神経質になる?それとも反対?


世間でよく言われるのが、「ママ(またはパパ)が神経質だと、子どもも神経質になってしまう」というもの。

 

しかし、 「両親とも特に神経質でもないのに、子どもはとても神経質」 「兄弟でも、上の子だけが神経質」 という話もよく聞きます。

 

「性格」「人格」は後天的に形作られていく部分もありますが、生まれ持った「気質」は、いくら両親が大雑把だったり神経質だったりしても180度変わってしまうことはないと言われています。

 

つまり、生まれながらに持っている気質に、親や家族の接し方、きょうだいの有無、家にいることが多いのか、集団生活なのか…といった外的要因で強まったり弱まったりする、と考えるべきではないでしょうか。

 

そのため、たまたま繊細なタイプで記憶力のいい子に「汚い!触っちゃダメ」「片付けないと怖いオバケが来るよ」などの声かけを繰り返すと、必要以上に気にするようになってしまう可能性はありますね。

 

もし、ママやパパの小さい頃は同じような様子だったとか、イトコなど親戚の子もよく似た状況だったのなら、気質を受け継いでいるのかもしれません。祖父母におすすめの対処法を教えてもらうのもいいですね。

 

そして、今は「この子、こんなに神経質で大丈夫?」と思っても、ママやパパがちゃんと大人になっているなら少し安心できそうです。

 

小学生の娘と母親

 

神経質は「改善」「治す」よりも、気持ちに寄りそって


大人でも「自分の神経質な性格は、仕事や家庭生活に悪影響だから改善したい・治したい」と考える人は多いそうです。

 

しかし、子どもはまだまだ発展途上。将来が心配だからといって、大人の思うような姿へ無理に誘導するのは悪影響になりかねません。

 

最初に紹介したように、色々なタイプの神経質な子がいますが、それぞれ次のような点に気をつけて接するとよいでしょう。

 

慎重な子には

初めてのことに対して不安が大きく、自信が持てるまで何度も繰り返し確認するような子には、「気にしすぎよ」と止めようとせず、今のがんばりを認めてあげましょう。環境や行動に慣れてくると、少しずつ不安が和らいでくるはずです。

 

繊細で想像力のある子には

感受性や表現力が豊かな子も多いので、絵画や書道、ピアノ、バレエなど、本人が嫌がらない範囲で芸術系の習いごとにチャレンジするのもいいかもしれません。

 

叱られるのが怖い子には

子どもが学校での話をしてきた時には、極力ママやパパの意見を差しはさまず、うんうんと聞いてあげましょう。 特に、最初に「でもね」と否定すると、そのつもりはなくても叱られたように感じてしょんぼりしてしまうことも。

 

家でだけ、こだわりや癇癪が出てしまう子には

学校ではちゃんとしているのに、家では毎日のように「このタオルは濡れてるからイヤ」「リンゴの皮が残ってるから取って」等と言われると、甘えているだけだと思えてしまいますよね。

 

特に、両親が揃ってサバサバした性格だったり、男の子に対してはパパがイライラして「そんなことくらいでいちいちくよくよするな」「もっとおおらかに構えなさい」と言いたくなってしまうこともあるかもしれません。

 

でも、ただでさえ学校ではがんばっているのに、安心できるはずの家でネガティブな感情を出せないと子どももつらいもの。

 

まずはその感情を受け入れ、「そんなの気にしなくていい」といったアドバイスはたまにする程度にとどめたいですね。

 

まとめ


先日、「小さい頃は見ていて心配になるほど神経質だった」という男の子のママと話す機会がありましたが、中学校、高校と進むにつれ、心配になるようなことは減ってゆき、成人してからはずっかり頼れる存在だそう。

 

神経質と言われる子は、それを否定せず、同時にたくさん持っているいい面に目を向けて育ててあげたいですね。

 

文/高谷みえこ

参考:埼玉県保育士会「発達が気になる子どもの理解と対応 ~感覚統合の視点から~」